見出し画像

ぼんやりしている間の脳の動き。『認知症の「家族」と暮らす技術』から

最近、読んだ『認知症の「家族」と暮らす技術』(奥村 歩 著)から。

私自身は、今年から、ぼーっとできる映像作品をつくっていて、
ひとに見てもらうために、どう説明したらいいか、考えています。

ぼーっとする映像は、こんな感じ。

ぼんやりと見る感覚の表現なので、ぼんやり見てもらえるとうれしいし、
なんなら見なくてもいいですよ、という作品です。

ぼんやりと、ぼーっとするのは、意味がありそうな、
もっといえばとても大事なことのような気がするのですが
上手に説明できないなあ、モヤモヤ。

そんななか、奥村歩さんの
『認知症の「家族」と暮らす技術』を読みましたら、
おもしろいことが書いてありました。

DMN。デフォルト・モード・ネットワーク。

なにも行動せずに、ぼーっとしているとき、
以前は、脳は休んでいると考えられていたそうですが、
じつはこのときに、脳のDMN、デフォルト・モード・ネットワークが
活発に動いているそうです。


前頭葉の内側(遂行実行機能)と、頭頂葉(視空間認知)の内側を中核にして、脳の各部とつながり、情報処理をするのが、DMN。指揮者のように働いて、脳内の情報が統合されていく。
自分はどこからきて、どこに行こうとしているのか、そして、他者や社会と折り合いをつけながら、自己を認識していく、らしい。脳の大事な役割の「意識」「自我」「心」に深く関係していると考えられているそうです。

2001年から使われている言葉なんですね。知らなかった。

ふむふむ。体感的に、ぼーっとしているときって、こういうことが起きている感じはする。いや、単純すぎる理解はアレだけれど、子どもの時、学校の教室から窓の外を眺めて、流れる雲を見ているはずが、小さな心配から将来の茫漠とした不安まで、無為に渦巻く……あの感じを思い出しました。

本は人気があって、何度も改訂を重ねています。図書館で借りたのですが、おもしろかったので購入予定。認知症関連の書籍として特徴があり、広く何冊か読むなら加えたい1冊でした。

おわり。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?