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タンゴとの出会いYo-Yo Ma Soul of the TANGO 1997

時々、アルゼンチンタンゴとの出会いは何であったかという話になることがあります。
もうかなり前の事なので、あれだったか、これだったか、と朧気な部分があるのですが、ダンスとしてのタンゴを知る前に、音楽として出会っていた事をふと思い出しました。
きっかけは昨秋両親の友人が急に亡くなった事です。その事を両親からのメールで知った時、思い出がオルゴールの蓋を開けた時のように蘇ってきました。
その方は私が幼少の頃、よく家に来ては両親と話をしながら、私たち子供の相手もしてくれるような方で、内気だった私もとても懐いていた記憶があります。大きな黄色いインコを連れて来て遊ばせてくれた事もありました。本や映画、音楽にも造詣が深く、両親との話を隣で聞いているだけでも楽しくてわくわくしたものです。

私の子供時代を振り返ると、インターネットの普及した今と異なって情報がかなり偏っていた気が致します。
家で流れている音楽と言えば母の趣味を反映してクラシックか洋楽のみという環境でした。
ですからその方がたまにお持ちになるCDで新しい音楽を聴くのはとても新鮮な気持ちがしたものです。
そんな中に、おそらくYo-Yo Ma の Soul of the TANGO (1997)があったのだと思います。
それまで聴いていたクラシック曲と異なり、感情を揺さぶられるような弦の響きに夢中になりました。
しばらくの間両親から借りて、自分の部屋で繰り返し聴いていたのを覚えています。

その後「Scent of a Woman」などの映画でダンスとしてのタンゴに触れ、何となく興味を持つようになったのだと思います。

始めるまでにも紆余曲折ありました。
16年位前にこれまた懐かしのmixiでタンゴ練習会・初心者歓迎、とのお知らせを見つけて遥々浅草橋まで行き(Googleマップなどない時代でしたから)、川沿いの道を散々迷いながら歩いて広い倉庫のようなスタジオに辿り着いたものの、「初心者と言っても全くやった事のない人には教えていないんだよ」と言われて途方に暮れたこともありました。今で言うプラクティカのようなものだったのでしょう。
そんな事を言いながらも少しだけ教えて下さったあの方々とは、その後どこかで出会っているのかも知れませんが、時間が経ち過ぎていてお互い認識出来はしないでしょう。

多くの出会いがあってタンゴを続けられている事に感謝しています。
特に、両親の友人のT.M.氏の事は忘れないで覚えていたいと思いました。

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