「機械設計」(日刊工業新聞社)に掲載された私のキャリアインタビュー補足
はじめに
「機械設計」(日刊工業新聞社)1月特別増大号の[特集2 ジョブ型時代を勝ち抜く!機械設計者のキャリア形成]に私のキャリアに関するインタビュー記事が掲載されました。
インタビュー自体は10月末に行われました。
紙面には限りがあるため割愛されたエピソードを1つご紹介します。
◆後進育成での考え、悩んだこと、伝えたいことはありますか?
この質問にこう答えました。
「技術者であるのならキャリア云々いうまえにまっとうな倫理観を持って仕事をしてほしい。」
と。
ここ数年、国内の大手企業によるデータ改ざんや検査不正など不祥事がたくさん明るみに出ました。
今年もタイマーを仕込んで故障に見せかける行為や検査結果改ざんなどがニュースになりました。
このようなニュースが出るたびに技術者の中にこう主張する人が一定数現れます。
『品質に問題はないんだろ?安全上で何か問題あったの?事故でもあったの?ないんでしょ?だったらいいじゃない。』
そんな検査やる必要がない。時間の無駄だ。というのが彼らの主張です。
「こんなことを言う技術者にはなるな。」
というのが私の真意です。
例えばある製品の最終工程で検査aを行う事となっているとします。お客さんはその検査が行われるものとしてその製品を購入することになります。検査が無駄かどうかは問題ではなく、検査が行われたことで安心材料になるわけです。
検査aを行うと言って受注したのに検査aを行わずに製品を売ることは詐欺と言って良い行為だと思います。
技術者であれば嘘をついて検査データなどの体裁を整えることに精を出すのではなく、より性能の良いもの、より(本質的に)安いもの、そういった製品を開発することに精を出すべきです。
これは受注側の話ですが、発注者側もまた同じです。
あいまいな仕様で発注して、契約後に後出しで「○○するのが当たり前、こんなの常識だ」と言って仕様書に書いていないことを要求する人が一定数います。
仕様書を明らかにするのではなく、発注後に書面に無いことを無理やり下請け業者に押し付けてやらせるのが仕事と勘違いしているような人です。
業務内容によっては確かに事前にすべてを明らかにすることが難しいことはあります。しかし技術者ならば書面に書いていないことを無理やり下請け業者にやらせることに精を出すのではなく、やはり事前にできる限りの仕様を明らかにして、それでも発生してしまう契約後のトラブルをより良く解決することに精を出してほしいものです。
まっとうな倫理観を持たずに積み上げたキャリアは全く価値のないものだと思います。
私にとってのまっとうな倫理観とは何か?2つあります。
・嘘をつかない。
・困難から逃げない。
以上
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