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徒然綴り・徒然小説

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日常の、自分のことを主に書きます。エッセイのようなものです。 徒然小説は、小説風エッセイです。
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記事一覧

夏の匂いと煙草の香り

 夜風に、煙草の匂いが混じる。
 ――ここのところ、体調が悪くて引きこもりがちだ。
 ようやく、引きこもるのにも飽きてきて、ふと何気なく今日は月が出てるだろうかと気になった。
 窓を開ける。テーブルと植物たちを避けて足を踏み出し、窓枠に手をついて空を覗き込んだ。
 半分くらいが雲に覆われていて、隠れていない空には星が瞬いていた。前方にある建物に半ば隠された空を見渡して、月がないことを確認した。雲の

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愛鳥の最期を思い出して

愛鳥の最期を思い出して

 不甲斐ない飼い主だったと思う。
 ちゃんとあの子を愛せてはいなかった。
 失ってから、度々思い出しては、遺影と遺骨に向かってどうだった?と心の中で問い続けてきた。当然返事はいないし、あったところで言葉がわかるわけでもない。ただ幸せだっただろうかと漠然と思うばかりだった。

 亡くなる前日、わたしはあの子を病院に連れて行ったことを後悔していた。
 枝にとまることができないほどに弱っていたのに、寒い

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「好き」な自覚が弱い話

 エッセイでも書こうかな。

 と思ったので、気の向くままに綴ろうと思う。暇つぶしにでも活用ください。



 好きな物を好きだと気づくのに時間がかかる。

 原因には心当たりがある。どこかのエッセイでも書いたような気がするが、好きな物を好きと思えない状況だった。服が顕著なのだが、「どう(この色、形の服を)合わせたらいいか分からない」と散々言われてきた。漠然としているのだが、猛烈な不安が滲んでい

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最近の体調を振り返ってみる

 最近の己を軽く振り返ってみようのコーナー(唐突)。

 ずっと不調が続いている。……いや、もう不調が何年続いてるのかも分からないレベルで、長いこと……なのだが。
 最近の傾向としては、気力がない。動くのが億劫。何かをやるのが億劫。そんな状態だ。肉体的にはおそらく思っているほどは悪くない。寝込まなきゃ……ずっと横になって居なきゃいけないほどではない。はずだ。たぶん。
 それと、お腹が弱っているよう

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タバコを吸いたい

 たまにタバコを吸いたくなる。
 そういう時は、決まってメンタルの調子がやや悪い。極悪になってしまえば、タバコどころではなくなる。その一歩手前くらいの状態だ。たぶん。

 わたしはこの人生、一度もタバコに手を出したことがない。絶対にやめられなくなると思うし、体にも悪いし。

 ため息を吐く。そういう時、タバコが欲しくなる。ただ吐き出すのが「ため息」ではなく、タバコの煙ならば何かが有耶無耶になるよう

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とある夜

 体が冷えるなぁ……と思いながら、窓辺でぽやーっとしている。テーブルに鎮座する蝋燭の火が、ほとんど感じ取れないくらいの風に揺れている。
 紅茶を久しぶりに淹れた。ルピシアで購入したものが三種類あって、香りを嗅いで、あんまり飲んでないやつにした。珍しい香り、どんな味かしら?と思ったので。飲んだことあるんだけど。
 さくらんぼだか、カシスだか……忘れてしまったが果物フレーバーだったはず。どちらかと言え

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最近思うことの書き散らし

 心を拾うことの、なんと難しいことか。
 自分の体調を気にしながら、心まで拾うなんて。処理が多すぎる。
 他の人はどうやって生きているんだと悲鳴のような声を上げるばかりだ。

 私の心を曝け出せる場所は、紡がれた文字の中だ。ゆえに、こうしてスマホのキーボードをぽちぽちしている。……というか、何か書きたいと、発散に飢えているようだからだが。

 本当にどうやって生きているのだろう。未知だ。外国人とか

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枝に実る星

枝に実る星

「君はなんで生きているんだい?」
 暗闇の中、夜空に向かって伸びゆく木に尋ねた。
 木の幹に寄りかかって空を見上げれば、葉のない枝の隙間に星が瞬いているのを見つけた。
 まるで、星が実っているみたいだ。
「――ファンタジーだったら、返事が来るんだけどな」
 きっと、何か、美しい理由ではないかと思う。
 ただ「生きているから」だとか。
 「生きること」を否定も肯定もせず、ただ、そこに「在ること」を、

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きっと私はずっと死にたかった

 もしかしたらずっとずーっと死にたいと思いながら生きていたんじゃないかなーと、ぼやっと思う。
 生きてるのかなぁ、私。
 なんで生きてるんだろうなぁ、私。
 生きるってなんだろうなぁ。
 ――自分の意識がはっきりしないままに過ごしていた。心の内を、受け取ってくれる先はなく、取り出す意味を失って、封じ込めていた。
 だからハッキリと自覚していた訳じゃない。生きる意味がない、と漠然と思っていたことを。

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9月27日~12月26日

2020/9/27
 雨脚が強くなっていく。
 飲んだ炭酸が、舌先をピリピリさせる。
 虫の声。電車の音。遠くの暗がりに人の影。

2020/10/21
 たまに叫びたくなる時がある。
 どこぞの異空間を脳内に生み出して、「わーっ!」と。
 特にどこで叫びたいなどの細かい要望は浮かばない。強いて言うなら海だろうか。ついさっき思い浮かべていたのは、近所の公園の丘の上だ。
 叫ぶのは気持ちがいいだろう

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徒然小説

 執筆前の一段落。
 いつものように紅茶をそばに添えて、片付けたテーブルの上にタブレットとキーボード。
 ――新たな試みとしてSSの販売を始めた。そのSSは有りがたいことに、半分以上購入していただいた。それを書く前の今。ふとノートを更新しようかと思って書き出してみたのだけど、これは徒然小説の方ですね……。まあ、いいか。気ままに、揺蕩って書く。これがたぶん、性に合ってる。私は気まぐれな人間なのだ。そ

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半分死んでました

 つい数日前まで、死にたいなとぼんやり思っていました。
 自覚がないので何がどうしてそうなったのか……ふんわりとしか分からないのですが、それだけいつの間にか追い詰められていたようで。

 死にたかったのは先週の月曜日。仕事の面接に行った直後でした。その前からも薄々調子が悪かったと、今思えばそうだった気がします。
 面接の会場はなんだか空気が重たくて、全身がずしっとしました。社員の説明も早口で、個人

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私の小説

 もっと純粋なものだった。
 物語を考えるのが好きだった。
 いつからか苦しいばかりで、人の視線ばかり気にするようになった。
 真剣になったから。プロになることを意識し始めたから。もっと読んでほしいから。
 それはそれで純粋だろうとは思う。でも私にはその考えすら汚れて思える。
 物語を考えて、自分が楽しくなれるようなものを。人を楽しませる前に自分が楽しまなくては、そもそも面白いものなんて書けないだ

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4日間の話

4日間の話

2月20日
 何か書きたいなと、座ったまま体を伸ばしてタブレットを手に取る。続いてキーボードも引っ張ってきて、接続、起動。
 こうして筆を走らせている訳だが──まあ、なにも思い付かない。そりゃそうだ。パッとなんか書けと自分に命じたところで、「なんかってなんだ」ってなる。亭主関白の旦那が「あれ」「これ」と言っているようなものだ。──と思い付きで書いた。そんなもんなのか?
 エッセイなんだか、小説なん

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