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ハルノ
2019年10月29日 07:34
部屋の外に一歩でてみると、氷のような透明な冷たさが服越しに肌に伝わる。ぱりっとした澄んだ空気。呼吸に合わせて白く浮かぶ息。刺さるように頬に吹く風。冬だ。朝の靄がかかったようなふわりとした光の中を歩く。まだまだ準備不足な格好の私は少し早足になる。周りを見ると、触り心地の良さそうなマフラーにダークカラーのブーツ。何にも覆われていないそのままの指先は次第に冷えていく。夏の名残など感じさせ