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【彼岸花~いつの日か、また、共に祝おう】

毎年、決まった時期に河原を彩る彼岸花に出会うたび、ある人の顔が脳裏に浮かぶ。その人は、喜怒哀楽の激しい人だった。でも、やさしい人だった。きれいな涙を流す人で、子どもみたいに笑う人で、まっすぐに怒る人だった。
その人が今どうしているのか、私は知らない。昨年の離婚時、私は地元につながりのある友人すべてと連絡を断った。なかには、かけがえのない友人もいた。ずいぶんと逡巡したが、あのときはそうせざるを得なかった。だから尚更、思い出すのだろう。決まった時期に律儀に送られてくる手紙と、あの屈託のない笑顔を。

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