![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137685850/rectangle_large_type_2_186c48dfa447b740260e2ca4d83a9c26.png?width=1200)
詩『黒猫の哲学』
世を儚む桜の木の下
大きな疑問符を高々と掲げて
黒猫が一匹、鳴いた。
「やい永遠の刹那主義者。
お前はまたそうやって
勝手に散って逝くのかい!
まあ悪かねえだろうさ、
何も持たずに
老いさらばえるのも。
簡単さ、何も持たずに生きるのは。
問題はいつだって、
一度手に入れたそれを捨てる方法だよ。
やい永遠の刹那主義者。
お前にゃどうせわからんさ!」
その様子を見て老夫婦、
雲ひとつない空の下
幸せそうに微笑んだとさ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?