ステムリムの再生誘導医薬

世界初のコンセプトである「再生誘導医薬」の開発を目指すステムリム。化学合成できる化合物(ペプチド)を投与することで、iPS細胞やES細胞などを培養して患部に細胞を投与する再生医薬と同等の治療効果を目指そうというものです。これが実現すると画期的です。治療費も安い。医薬品の品質も安定している。投与も簡単で、患者さんの肉体的負担も軽い。コンセプトが画期的すぎるが故に、「こんなこと本当に実現するの?」と懐疑的にみられていたのか、サンバイオショック(慢性脳梗塞の治験失敗による株価暴落)の連想で敬遠されたのか、上場来の株価は低迷を続けています。
コロナショックによる市場環境悪化の影響も受けて2020/3/23に288円の最安値をつけた後、底這いを続けていましたが、2020/4/7に「栄養障害型表皮水疱症を対象とした骨髄間葉系幹細胞動員医薬 KOI2(HMGB1 ペプチド)臨床試験(第Ⅱ相医師主導治験)の終了に伴うマイルストーン達成のお知らせ」のリリースが出たのをきっかけに株価は底を打ち、ここのところ出直り基調にあります。
表皮水疱症は患者さんが極めて少ない希少疾患ですので、上市されたとしても売上げは大きくありませんが、フェーズⅡで統計学的に有意な改善が示されたことは「再生誘導医薬」というコンセプトが有効であることの証明になるかもしれません。これをきっかけに現在開発が進められている急性期脳梗塞、肝硬変、変形性膝関節症、心筋症への適用拡大へ弾みがつくことを期待したいです。


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