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和泉さん(和泉幸)の私的感想

私が感じた事や思い、受け取り方の内容になっています。
読んでくださる方の解釈と異なる部分もあるかもしれません。

前回はマロの記事を書きました。よろしければ読んでみてください。


中途採用で入社してきた春田の部下

和泉さんは春田が勤務する天空不動産第二営業所へ中途採用で入社してきた、春田の部下です。和泉さんは春田のお隣の席。武川さんから春田を紹介された和泉さんはとても驚いた顔をしました(伏線)。あまりに顔を見つめる和泉さんに春田もちょっと困惑します。
そんな和泉さんはエクセルが全く使えません。春田に

和泉「過去に…戻るには…どうしたら…」

と質問します。驚いた春田でしたが、モニターを差す和泉さんを見て、エクセルの事だと理解した春田。

春田「あ、やり直すにはコントロールZです」と、やって見せます。
和泉「なるほど…人生もコントロールZ出来たらいいのに…」
春田「…どういう事でしょうか…?」
和泉「あの 同じ事を繰り返すには…どうすれば…」
春田「コントロール、Cです」と、これもやって見せます。
和泉「コントロール…C…」春田を見つめます

このシーンは、春田の中の人(田中圭さん)が素で笑ってしまったシーンをそのまま放映していました。中の人が笑うとこっちまで釣られて笑ってしまうんですよね。エクセルを使えない中途採用の部下にも優しく根気よく仕事を教える春田。そもそもこの営業所の誰も、それをバカにしたり責めたりする人はいません。むしろうまくできたら拍手が起こるほどです。

ある日、物件の内見の帰りに「和泉さんは前はどんなお仕事をされてたんですか?」と訊きます。「あまり…人に言えない仕事です」と答える和泉。ちょいちょい春田を見て涙ぐんでいるし、謎に包まれた人物です。


「うるせえ唇」

2話冒頭の朝、春田が出勤のために家を出ると、お隣の駐車場に人が倒れていました。慌てた春田が駆け寄ると、その男はわき腹から血を流していました。顔を見ると春田の部下の和泉さん。驚いた春田が救急車を呼ぼうとすると、お隣の玄関から男性が出て来ます。慣れた様子で和泉さんを抱き上げ「何も見なかった事に」と笑顔で言い、家に入っていきました。和泉さんが倒れていた事と、春田牧の家の隣に住んでいた事や、家から出てきた人物にも混乱します。その後出勤してきた和泉さんに訊いても笑って誤魔化されてしまいます。
2話終わりから3話冒頭、春田が朝家を出るとまた人が倒れていました。駆け寄ると、その男性はまたもや和泉さんでした。今度は肩を撃たれたような傷があります。春田は大騒ぎしながら救急車を呼ぼうとしましたが、和泉さんが「救急車はダメだ」と言います。そんな事を言ってられないと、「和泉さん!和泉さん!」と声を掛けながらスマホの操作をしようとしたところで、「…公安なんだ」という言葉が和泉さんから。そして「お前…生きてたのか…」と言われます。訳が分からない春田はそんな事より救急車を!とあたふたしていると、マフラーを引っ張り春田を引き寄せ、キスをして「相変わらず…うるせえ唇だな…」と和泉さんはつぶやき、気を失いました。大混乱の春田。それからは何度か和泉さんに「なぜ俺にキスしたんですか」と訊こうとて尾行したり直接訊いたりしてみましたが、なかなかタイミングが合わず真相はわからず。ある日、武蔵と家にいると火災報知器の音が聞こえてきました。お隣さんです。大慌てで家に向かうと、バケットを焦がした煙に反応したという事でした。その時にやっと春田は和泉さんに訊く事ができました。

春田「なんで昨日の朝、俺にキスをしたんですか?」
和泉「ええっ!わ、私が…は、春田さんに…その…したんですか…?その…キ…キ…(ス)」
春田「はい… うるせえ唇だな って…」
和泉「うっうるせえくっくちびる…?」

結局「何か勘違いしたんだと思います」とだけ言われ、詳しい事はわかりませんでした。
この「うるせえ唇」が何だったのかは、TELSA「禁断のグータンヌーボ後編」で見る事ができます(有料)


春田牧のお隣さん

春田と牧の家のお隣に住んでいる和泉さんは男性と2人暮らしでした。一緒に暮らしているのは「六道菊之助」という人。この男性が「どうか見なかった事に」と言って和泉を抱き上げて家へ入って行った人物です。
菊之助はキッチンカーで、おかかおにぎりを売っています。お店の名前は「おむすびごろりん」。菊之助の事はまた別の記事で書きます。


ぽやぽやしているけれど元公安

和泉さんはぽやぽやしています。話し方も優しく丁寧で、天然。笑顔がほんわかしていて声も優しい。エクセルがわからず、コピーも失敗するし、パソコンから印刷するのも失敗します。武蔵のマンションの査定をお願いされて行った時も基準などがわからず、「5憶…」と言ってしまう。そのほんわかとした雰囲気で子供からも「ぽやずみさん」と呼ばれていたようです(最終話のシーン)。
そんな和泉さんですが、過去は元公安でした。警察学校の教官もしていました。菊之助は「元公安のエース」と言っていましたので、相当優秀だったことがわかります。公安時代の映像も出てきますが、ぽやずみさんとは全く別人のようです。優しい話し方でもないし、天然とは思えない鋭さ。口調も全く違います。そもそも菊之助と2人の時は”ぽやずみさん”ではなく、元公安の”和泉”が出ています。一緒に暮らしている菊之助は、警察学校の生徒でした。


和泉さんの大切な人

和泉さんには大切な人がいます。真崎秋斗という、ずっとずっと大切な人。秋斗も菊之助と同じく、警察学校時代の生徒でした。和泉さんは秋斗の笑顔の写真をロケットペンダントに入れ、肌身離さず付けています。秋斗と和泉さんは恋人同士でしたが、3年前のテロ事件捜査の時、和泉さんをかばって殉職しました。そのことから、自分が殺したと、和泉さんはずっと闇を抱えていて、いつか必ず自分が秋斗を殺した犯人に敵を討とうと考えています。春田が朝出勤時に見たのは、返り討ちに遭って倒れている和泉さんだったのです。
和泉さんは秋斗の死をなかなか受け入れられず、菊之助と一緒に月命日に行くお墓参りでは、手を合わせる事もお墓を見る事すらもできませんでした。
そして春田は、和泉さんの大切な人である秋斗と顔が瓜二つだったのです。そのために、初めて春田に会った日、驚きの表情で春田を見つめていたのでした。


和泉さんが春田に恋をする

春田の部下であり、研修中である和泉さんは仕事を春田と一緒にします。お客様の内見の時も、営業所でも。家もお隣さんだし、和泉さんが商店街の福引で当てた1等の熱海旅行も偶然同じ日に同じ旅館でした。そうやって行動を共にする事が増えた事で、春田の優しい部分、周りを温かくする性格や、誰とでも分け隔てなく接する所、他人の幸せを自分の事にように喜ぶ姿や、悲しんでいる人を見ると自分の事のように涙を流す姿を見て、春田に恋をします。勿論、牧というパートナーがいることも知っているし、春田が牧を大切に想っている事も理解しています。最初は自分には秋斗以外に愛せないと思っていたはずだし、秋斗に見た目がそっくりだから重ねているだけかもしれないと思っていたかもしれませんが、次第に秋斗は関係なく、春田という人間に恋してしまったようです。春田と牧の結婚式の前日や当日にバレンタインチョコを渡そうとしていましたが結局渡せず、チョコレートはゴミ箱へ捨てました。春田と牧は今幸せの絶頂にいる。そんな2人に自分が割って入るわけにはいかない。春田の事を見ないようにしようと、結婚式の集合写真で目をつぶってしまい、どれも目をつぶっています。会社でも春田の顔を見ないようにします。春田への想いを断ち切りたいけれど、和泉の気持ちも知らず、春田の性格上、人との距離感がバグっているから大変ですよね。
外仕事の帰り、

和泉「春田さんにとって、牧さんはどんな存在ですか」と訊きます。
春田「え、どんな存在…?えぇ、なんていうか…まあ…一生一緒に…」
和泉「いてくれや?」
春田「あ、はい、はい、そんな感じです。俺にとっちゃ、牧が全て…っていうか」
和泉「ありがとうございます」

この時の和泉さんの心境は、牧が春田にとってどんな存在なのかを確認して諦めようとしていたのかなと私は思うのですが、どうでしょうか。

その後、恐らく和泉さんは春田を諦めようと頑張っていたと思います。見ないように、近づかないように。仕事中はデスクも隣なのでどうしてもそれなりに近くにはいるのですが。ただ、いくら和泉さんが頑張っても、鈍感な春田は和泉さんの気持ちに気付く事もないので、いつものように人との距離感がバグった状況をどんどん作り、ついに春田は和泉さんから突き飛ばされ、

和泉「あぁあ!あんたさ!!ダメだって!そういうの!」

と、言われます。春田からしたら訳が分からず、なんで和泉さんはあんなに怒ったのだろうと、ずっと頭の中が「?」です。

和泉さんの凄い所は、武蔵や武川さんと違って、相手に「好き」という気持ちを一切伝えなかった事です。和泉さんが春田を好きだという事は、最後まで春田には一切伝わる事はありませんでした。


気付いた”今”の本当の気持ち

和泉さんは同居人だった菊之助が出て行ったあとも、春田の事を想っていましたが、自分が今、一緒にいて幸せを感じる事が出来る人は、ずっと弟だと思っていた菊之助だと気づく時が来ます。
菊之助が家を出たあと、キッチンカーへ会いに行っても、今までの菊之助と違います。ずっと一緒にいた相棒が居なくなったことで寂しさはあったでしょうが、それがどういう気持ちなのか気付けませんでしたし、そもそも春田に恋をしています。そんなある日、公安の元上司から連絡があり、菊之助が撃たれて怪我をしたと知ります。秋斗の時と被り、急いで病院へ向かいました。歩けるようにまで回復していた菊之助と屋上で会い、秋斗を殺した犯人を逮捕することが出来たという報告をされます。そして突然のキスと「ずっと好きでした」という告白をされ、和泉さんは戸惑います。チラシ配りの時に偶然(菊之助がいつも遠くから見守っていた可能性もあります)会った菊之助との会話中にも心が動いたようなシーンがありました。その後も時間をかけて今の自分にとって必要な人は誰なのか、今自分が一緒にいて幸せだったのは誰なのかを考え、蝶子さんからもアドバイスを受けるなど色々な事が自分の気持ちを気付かせる事になりました。近くにいすぎて、それが当たり前になっていてわからなかったのだと思います。


外していたペンダント

最終話、和泉さんはパーティを抜け出して神社にいました。そこへ水を持って現れた菊之助。和泉さんはずっとつけていたペンダントを外しています。

和泉「菊はどこへ住むんだ?」
菊 「和泉さんには関係ないでしょ」
和泉「…いや、あるよ」
菊 「なんで?」
和泉「だってさ」菊之助を抱きしめて
  「お前がいないと…なんか…全然落ち着かないんだ」

自分の事をずっと想い続けてくれて、いつも傍で支えてくれていた菊之助と幸せになる事を選んだ和泉さん。和泉さんが前を向く事ができたのは春田のおかげでしたが、一緒に歩いて行くのは菊之助だと気づけて良かったです。


「もう、弟じゃねえんだろ?」

なぜか和泉さんは公安に戻っていて、菊之助と一緒に車で張り込みをしています。今までは秋斗が好きだった「イチゴジャムコッペパン」が張り込み中の食事でしたが、”あんぱん”に変わっていました。
「和泉さんは久しぶりだから腕がなまってるでしょう」と言う菊之助に呆れたため息をつき、菊之助を抱き寄せます。キスを待つ菊之助に

「生意気な唇だな もう、弟じゃねえんだろ?」

と言います。菊之助は遠慮なく和泉さんにキスをするのでした。


最後までお読みいただきありがとうございました。

愛する人が自分をかばって亡くなってしまうと、なかなか前に進めない気持ちはわかります。しかも恐らく、秋斗と和泉さんは結構長い間お付き合いしていたのではないでしょうか。菊之助は秋斗と和泉さんが付き合う前から好きだったので、菊之助の片思いも相当長いものだったと思います。傍にいすぎて見えていなかった幸せに気付けたし、秋斗の事はずっと心の中で守りながら菊之助とこれからの人生ずっと一緒に歩いて行って欲しいです。

また次回も、お暇なときに読んでいただけると嬉しいです。





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