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【第3話】M-1グランプリ2020

2020年、優勝はマヂカルラブリーだった。お笑いの風向きが変わる気がする。

初めてマヂカルラブリーを知ったのは確か2016年の敗者復活戦だったと思う。「天然」のネタをやっていて、腹がちぎれるほど笑ったのを覚えている。面白い。しかし万人受けは絶対にしないザ・アンダーグラウンド芸人。そんなイメージを持っていた。応援していたけど、まさか優勝するとは思っていなかった。最近のM-1で言うと、銀シャリとか、かまいたちとか、和牛とかを王道の漫才とするならば、マヂカルラブリーは外道の漫才だと思う。審査員ももちろんそれを分かっていながら、圧倒的なパフォーマンスで爆笑を掻っ攫い、優勝を掴み取ったのが本当に凄い。

これまでずっとM-1を見てきて、王道の中で戦わなければ面白くても優勝はできないのだと勝手に思っていた。最近優勝したミルクボーイ、霜降り、銀シャリ、とろサーモン、少し前だとNONSTYLE、サンドウィッチマン、それぞれが新しくて革新的な何かを出してくるのだけれど、「漫才」っていう大枠で見るとやっぱり王道の中で戦っていると思う。笑い飯は少し違うかもしれないけど。審査員からも、大きな展開、沢山の笑い、みたいな言葉が出てくるし、正に五角形がMAXなコンビが優勝してきたイメージがある。沢山笑いを取っていたジャルジャルが「これは漫才じゃない」と言われて高得点を取れなかった姿も何度か見た。

そんな中でマヂカルラブリーが優勝した。これはお笑いの流れが変わるかもしれない。面白いものは面白い。形だけではなく、流動的な変化。訳が分からないけどなんでか面白い笑い。鬼ヶ島の悪魔のネタとか、2700のゾウとキリンのネタとか、サツマカワRPGのショートコントとか(漫才じゃなくてコントだけど)理由は分からないけど、頭がパカーンって割れてアドレナリンがドバドバ出るような笑いが今後世の中を席巻していく、と予想している。何はともあれ本当に嬉しい。本当におめでとう。

2020年 12/21 アーカイブ

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