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newmoを創業しました

初めまして!newmoの取締役COO / Co-Founderのharuna(@harunaXA)です。newmoを創業して約半年が経ち、昨日シリーズAファーストクローズで100億円を超える資金調達の発表をさせていただきました。

今後さらに多くの方とお会いする機会が増えると思うので、これを機に自己紹介を兼ねた創業エントリを出せたらと思い、初めてnoteを書いてみました。Xも始めたので、そちらのフォローもぜひ。

自己紹介

改めて野地 春菜(のち はるな)といいます。社内ではharunaさんと呼ばれています。

新卒で証券会社に入社し、その後MBA留学を経て、インターネット業界に転身。直近では、Uber Eats立ち上げ→Wolt カントリーマネジャーと、オンデマンドのラストワンマイル事業に8年ほど従事してきました。留学時代に、オンラインサービスのおかげで、自分のリアルの生活が変わる原体験があり、かつ事業としての難易度が高いところも好きで、そこからずっとオンラインとリアルが交わるサービスを手掛けています。

わたしがアメリカ西海岸に留学していた2014年〜16年は、Uber/ Lyft に代表される配車アプリサービスが、ユーザーから圧倒的な支持を得て急速に市場に広まり、市民権を得ていた時代でした。そして、その派生系としてフードデリバリーサービスが勃興していたタイミングでもありました。

当時Uber JapanのGMを務めていた高橋さんから、日本でもそのサービスが展開されると聞き、すぐにUber Japanへ入社を決意。Business Operation で知られるUber でオペレーションのイロハを叩き込まれ、セントラル・オペレーション本部長としてUber Eats の日本展開を進めてきました。

newmoのCOOとは

COOは、CEOが描くビジョンを形にする役割だと私は考えています。 中長期のビジョンをCEOと高い解像度でSyncしたうえで、足元のnewmo COOミッションとしては、プロダクトチームと最適なプロダクトをデザインしながら、事業の戦略とオペレーションを確立することがあります。

これまでは、newmoが現在展開している二事業(タクシー事業・ライドシェア事業)のうち、「ライドシェア事業」にフォーカスしてきました。ライドシェアドライバーとして働くドライバーの方の募集や、自チームの採用業務に取り組む一方、関連する政府渉外や広報にも深く関わっています。

今後は、タクシー事業の立ち上げや、資本参加したタクシー会社のPMIにも注力していく予定です。さらに、ビジョン実現に最適な取り組みをフェーズが進むにつれ変化させ、短いスパンでの事業責任を負うことや、組織のポテンシャルを最大限発揮できるような全体最適も担っていくつもりです。

代表・青柳との出会い

きっかけは、共通の知人の紹介でした。Naokiさん(代表の青柳直樹)が個人で借りていた広尾のシェアオフィスにお邪魔したのが、最初の出会いです。当初1時間の予定が盛り上がってしまい、時間を大幅にオーバーしたのを覚えています。

オフィスには、Naokiさんが個人で購読し買い集めた「東京交通新聞」や数年分の「タクシー年鑑」、そのほかタクシーの業界本が所狭しと置かれていました。Naokiさんが7年前にもこの事業を模索し、二種免許を保有し地理試験も合格していると聞き、「僕、この事業やりたいんですよ」というNaokiさんの言葉が真実だとすぐに分かりました。この事業にどっぷり思い入れているオタクっぷりも心惹かれるものがありました。

メルカリの経営幹部を辞して取り組む、その「普通ならやらないこと」をやろうとしているクレイジーさ、それを何としても成功させるべく、「これまでの経験と信頼をすべて注ぎ込む」という決意が揺るがないことは、話の節々から明らかでした。また、交通分野に新規参入し応援していただく事業者になるための必須条件として、経営者の「対話力」が求められると過去の経験から思っており、その点でも申し分ない経験をされていると感じました。

とはいえ、起業すれば苛烈な競争が待ち受けています。様々なシナリオに対して、どう勝ち筋を作れるのか、そんなことについて二人で意見を熱く交わしました。ラストワンマイル事業の経験があり、チャレンジャーポジションでやってきた自分の経験があるからこそ、Naokiさんがやりたい事業に貢献できそうな部分が見えたのもポジティブでした。

ここから始まった広尾のシェアオフィスの一室(写真は代表の青柳とCTO曾川)
広尾オフィスで睨めっこしていた業界年鑑のコピー

なぜ私が、地域交通・ライドシェアに思いがあるのか。なぜWoltの日本代表を辞めてまでも、自分たちで始めるなら今しかないと思ったのか

ライドシェアは、アメリカ留学時代に毎日利用しており、なくてはならない存在でした。Uber 時代に会社として挑戦していた分野でもあり(私が在籍していた部門は「Uber Eats」)、事業としてもライドシェアに馴染みはありました。ただ自分自身がライドシェア事業に挑戦したいと思ったのは、交通弱者としてのn1の経験に起因しています。

私は北海道の旭川市出身です。高齢の両親は、今も実家に暮らしていますが、避けては通れない家族の話題として「免許返納」があります。痛ましい事故のニュースがあるたびに、免許返納をしてほしいという会話をしていますが、両親にとっては車がない生活は想像がつかないもの。米国時代に、親が子どもたちだけで配車アプリを利用させることも当たり前に見ていた経験から、両親が安心して車を手放せるようなライドシェアがあるといいのにと思っていました。

地元の起業イベントでは、相次ぐバスの減便で、学校の1限目に間に合わない小学生がいるとも聞きました。地方交通の状況は、確実に厳しいものになっています。

移動・交通に関するこうした悩みは、地方に限ったことではなく、都心部でも起こり得ます。学校から習い事への送迎の問題、子連れや身体障がい者の移動の問題、インバウンドの問題。公共交通の担い手が減少している中、局所的に需給のバランスが崩れています。

故郷・旭川の風景

ライドシェアについて、政府・法令観点から「ついに機が熟した」と思える波が来ようとしていたのも意思決定の後押しになりました。

Uber時代には、フードデリバリーのUber Eats が短期間でみんなが存在を知るブランドに急成長する一方、ライドシェア事業は当時の社会情勢もあいまって方針転換をせざるを得ず、その苦労を目の当たりにしていました。世界中から集まった優秀な仲間が全力を尽くしても、機が整わないことには物事は動かないことを、肌で感じました。

前職のWoltでは、ミッションに共感し、チームに恵まれ、やりがいを感じて過ごしていました。何よりも、業界最後発として日本でフードデリバリー業界に参入し、内資外資問わず撤退する企業が相次ぐ中、グローバル業界首位のDoorDash グループ入りを経て、ここから自分たちが描く逆転劇を実行していくフェーズだったので、Naokiさんと意気投合したからといって「このタイミングでWoltチームを離れて良いのか?」というのは、自分にとって非常に難しい決断でした。Naokiさんと最初に話したのは2023年の秋でしたが、それから1週間毎日心が揺れ動いていました。newmoへの参画を断るメッセージを書いては消し、真剣に悩みこむ1週間でした。

ただ、もし日本国内でライドシェアが動くなら、「自分の人生でこのタイミングしかない」ということは、これまでの経験から強く感じていました。このメンバーで取り組めることも、どんな結果になっても自分の財産になるだろうという確信もありました。また、より安心・安全なサービス設計が求められる交通という分野で、自分が失敗も重ねてきたからこそこれまでの知見を活かせるのではないかと感じ、参画を決意しました。

また、Woltが成長軌道に乗り、次を託せる仲間が育っていたことも、最後に背中を押してくれ、共同創業者としてnewmoの起業に至ります。

newmoならではの事業づくりや強み

会社の二本柱として、ライドシェアだけでなく、タクシー事業も掲げていることです。先駆者であり功労者である、タクシー事業者へ資本参加し協業することで、日本のユーザーに受け入れられるような、ポジショニングとブランディングが可能になると考えています。

またローカルの開発体制も特徴で、刻々と変わるローカルの規制に速やかに対応しながら、ユーザーとドライバーのいずれにも寄り添ったサービス・プロダクトが作れることが、ローカルに開発拠点を持ちづらい海外勢と比較すると強みになると考えています。

資本参加しているタクシー会社「岸交」での岸交の皆さんとnewmoメンバーでの集合写真
岸交の営業所で業務を学ぶ様子

私自身、これまでもチャレンジャーポジションでの挑戦はありましたが、今回一番大きな違いだと感じているのは、新たに勃興する産業ではなく、タクシーという歴史のある既存の一大産業の中から、新たな交通事業を生み出していく点です。特に、タクシーは公共交通として位置付けられるサービスです。スタートアップが陥りがちな、自分たちだけの論理でなく、多くのひとに受け入れられるサービスづくりが必要で、その実現が私含めチーム全員に課せられているチャレンジです。

規制緩和が大きな市場を生み出していく、このタイミングとダイナミズムも独特です。創業当初から、ここまで外部環境にアンテナを張り、省庁、政治家、自治体、既存事業者、様々な立場の方と対話を重ねるという事業運営自体が特殊だと思います。その中で風を読みながら、帆を立てていくのは、難易度が高いですが、newmoでしかできない経験だと感じます。

個人的には、共同創業が初めての経験なので、チーム作りに関わるのも初めてです。これまで外資企業で当然のように受け入れてきた会社としての基盤を、ゼロから作れるのも、難しくもやりがいがあります。newmoのブランドに込める想いや、ミッションをチームで議論する時間は、心が燃えるような瞬間でした。

今、何に取り組んでいるのか。どんなことに取り組むチームなのか

応募してくださったドライバー様向けの説明会風景

私が担当するBusiness Operationsチームでは、「体験」をプロダクトチームとともに設計し実現することをミッションに、まず大阪でのライドシェア・サービスの垂直立ち上げ、そしてタクシー事業との垂直統合をやっていきます。ライドシェア事業では、先行してドライバーを募集しています。newmoは2025年度中に全国で10,000人のライドシェア・ドライバーを生み出すことを目指しています。現状、東京に次ぐ規模の大阪におけるタクシードライバーは約20,000人なので、インパクトの大きさは推し量っていただけると思います。

別の言い方をすれば、今までドライバーと言う仕事を考えたことがない新しい層に、ライドシェア・ドライバーという新しい働き方を認知してもらうチャレンジです。この人手不足の時代に、やってみたいと思ってもらうために、どう魅力を感じてもらうのか、10,000人もの人がハンドルを握る中で安心・安全をどう担保するのか、その一つひとつに答えを出しながら、スピード感を持って立ち上げていきます。

newmoの中でも、エンドユーザーに常に接する役割を担うので、現場を大事にします。そこで生まれたユーザーとのリアルな接点を定量的に定性的にとらえ、事業の「あるべき姿」を追及し、価値を届けきるオペレーションを自ら組み立てられる環境が魅力です。体験がファンを作り、ブランドを作るので、事業の成功に与える影響も大きいと感じます。

チームではいつも、ユーザーに対し私たちはどんなサービスを届けたいのかを、フラットに議論する姿勢を共有していて、一体感があり心地いいなと思います。それぞれが、自らのオーナーシップを発揮して改善に取り組んでいるので、自分のアクションのインパクトが目に見えて感じられるといったやりがいがあります。

ライドシェア事業・タクシー事業ともに、今後急速にかつ垂直に拡大していくので、様々な職種を募集していく予定です。

チームオフサイトの様子

Business Operationsチームほか、newmoは絶賛採用強化中!

初めてのnoteいかがだったでしょうか?今後もnewmoのこと、ライドシェア・タクシー事業のこと、地域交通に関すること、キャリアのことなど、発信を重ねていきたいと思っています。

そして最後に、newmoは全ポジションで採用を強化しています!noteやプレスリリース、newmoメンバーの発信を見て少しでも興味を持ってくださった方がいましたら、ぜひお話しできれば嬉しいです。


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