【本】漫画みたいな恋ください

最初に、装丁でちょっと恥ずかしいと思ってしまうくらいピンクに恋の文字がついていて、なんでこの表紙なんだろうと思ったけど、内容を読みすすめていくうちに納得した。


物事が大きく変化するわけではなく、心理的な「ゆらぎ」が、とても豊かな描写でかかれている。
読み始めて思ったのは、この人はとても頭が良く、たくさんの表現力と言葉を持っている。たしかに、漫画家なのだから、頭の中を目に見えるものに落とし込んでいく才能が素晴らしいのだろう。

主に恋愛中の彼氏(後の結婚相手)と子どもと、ごはん、漫画のこと。それが、現象を羅列するだけでなく、深く自分の心理と向き合いながら描かれている。
しんどいだろうな。言葉にするのは。
ただどこか、一歩離れて自分を見ているような、論理的な文章で分析をしていっている。

私自身は楽観的だし、あまり感情的ではないほうなので、共感とか自分に置き換えて、ということはなかったのだけど、悩んでいるそのものの問題点やなぜこういうふうに思うのか、はわかる気がした。

漫画だけでなく、創作をする人にはみんな、こういう向き合いや、葛藤を糧にしながら、生み出す痛みを抱えてるのだろうか。ものすごくエネルギーが要ることだ。

映画にしてほしいと思った。ドラマでなく映画。

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