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職場にモンテッソーリを持ち込んでみたら(6/14イベントメモ「大人の学びをエンパワーする」)

先日、「大きな学びをもたらす挑戦をエンパワーする方法とは?」というイベントに参加してきました。参加者の多くは企業で新規事業を担当していたり、プロジェクトリーダーを任されたりしている方々。職場で周りのメンバーのモチベーションを高めたり、いい意味で仕事に「巻き込ん」で行くためにはどうしたらいいのか。「良い組織」とはどんなものなのか、参加者同士が積極的に意見を出し合う白熱した場となりました。

大学の先生やコワーキングスペースで大人の学びをサポートしている方々に混じって僭越ながら私も少しお話をさせていただきました。普段は幼児と戯れている保育士、明らかに「毛色の違う人代表」としての参加です。しかし、日頃から「モンテッソーリ・メソッド は大人にも有効なハズ」いう持論を持っている私にとっては、願っても無い機会。呼んでいただきありがたい限りです。

せっかくなので、当日話した内容を少しまとめておきます。

子供の家では子供がやりたいことを「自分で」決めて活動する。一方で大人がすべきことは「環境」を整えて、必要なときに手助けとする。「環境づくり」とは具体的にどのようなことなのか、を箇条書きにするとこんなこと。

「子供の目が輝く」環境づくり
 ・個別に発達段階を見極める
 ・一人一人の興味、関心に気がつく
 ・子供の「ワクワク感」に寄り添う
 ・「自分でする」のを奨励する
 ・力量よりも少し難しいものにチャレンジ
 ・失敗を回避させない、試行錯誤を習慣に
 ・子供同士で教え合うように仕向けていく

モンテッソーリ教師は、それぞれの子供をよく観察することによって個別の対応をしています。

どんなことができて、まだできないのか。できるようになるためにはどの部分をサポートすれば良いのか。また、どんなことに興味を持ち、どんなことを楽しんでいるのか。どんなことが得意なのか。子供はできうる限り「自分ですることを」を習慣化させていく中で、教師は子供がチャレンジに集中できるように雑音を排除したり、無駄な困難性を排除したりするといった方法で陰ながらサポートしていくわけです。

ひとつできるようになった子供は、階段のひとつひとつを地道に登って行きながら、できることをどんどん増やして行きます。時には失敗を経験しますが、教師がそこから学べるように方向づけをします。失敗は「対処法を学ぶ機会」であり、「試行錯誤の出発点」でもあります。そのことを知れば、失敗なんてへっちゃらです。失敗を乗り越え、成功する体験をした子供には自信が残るのです。

そうして何かが「できるようになった」子供は、今度は「まだできない友達」を手伝い、教えてあげることを楽しみにするようになります。誰かの手伝いをすることはそれ自体が喜びであるのと同時に、さらに自分の学びを深めていくことに繋がって行きます。

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と、ここまでが子供の話です。しかし察しのいい人なら、そのまんま職場で使えるということにすぐ気がつくかもしれません。上の文章をぜひ「教師」を「上司」や「プロジェクトマネージャー」に、「子供」を「部下」や「チームメンバー」に置き換えてもう一度読んでみてください。

職場に置き換えてみる
 ・個人の能力(スキル・経験)に応じた対応
 ・個人のやり方を尊重し、責任を持たせる
 ・仕事を「面白い」と思える工夫
 ・得意分野を伸ばす
 ・失敗を許容する、試行錯誤を習慣に
 ・成功事例、アイディアを共有する

職場にも「自由」があったほうが楽しいのは間違えありません。組織としてのルールやゴールはきちんと共有されていることが前提ではありますが、個人の得意分野や才能を活かし、それぞれが自由な発想・アイディアを持ち寄ることができる環境が仕事を楽しくし、生きた組織を作っていくのではないでしょうか。

”立場がどうであろうと、誰かが誰かに「一方的に」教えるのではなく、互いに「学び合う」姿勢が良い環境を作る”という言葉でイベントはお開きになりました。参加者の方々が、それぞれの場所で輝けますように。

登壇者集合スナップ。


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