[リレー小説] 第8話 note村の1日 #春弦サビ小説
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【つるさんのCoffeeBlake】
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「真打ちは遅れて登場するものなんです、ここぞというときに」
ツッコまれる前にまず一言、「音」を鳴らす。PJさんのプロ意識のなせる技が、そこにある……のかは不明である。
「随分とバラエティに富んだ楽器ですな。それで、これらを使って一体何を始めるつもりなんです?PJさん」
見据茶先生が訝しげな顔で、PJさんが室内に持ち込んだ楽器を見つめている。眉間の皺が深い。この表情はどこかで見たことがある。...…そうだ、これは……
「度数進みましたか?一度検眼に行ってみるといい。合わない眼鏡は眼精疲労を引き起こしますよ、見据茶先生」
「何の話ですか?!私はね、あなたの持ち込んだ楽器が何なんだかさっぱり理解出来なくて、ついこんな顔をしてしまったんです!ついでに言うなら、眼鏡は先月作ったばかりです凸#」
明後日の邦楽ならぬ方角からツッコミを入れてきたPJさん(これはツッコミボケと分類されるものであると推察できるが、今はそうした検討は見当違いである。ついでに言うならオヤジギャグも求められていない)の言葉を聞いて、緊張の糸が弾けて飛び、ついでにやや冷静さを欠いたらしい見据茶先生が少し声を荒げた。
「見据茶先生、ひとまず落ち着いてください。私、珈琲を淹れてきますから」
つるさんが、その穏やかな性格そのままの合いの手を入れた。それを聞いたミモザさんが「それなら私はお菓子を用意するね」と言いだし、二人はキッチンへと向かった。その後ろをスズムラさんが追い掛ける。
部屋に残ったのはPJさん、見据茶先生。登場したのは沢山の楽器。解決せねばならぬのは、この怪奇現象である。
PJさんが表情を引き締めた。そして口を開く。
「音楽に感動出来るのは、人間の特権なんです」
ギターを手に取り、一度つま弾いた。「これじゃない、これは違うな...…」と呟いて、再び手に取ったのは—
「曲を聴いてリラックスできるのも、人間の特性なのです」
PJさんの弾くギターやウクレレに誘われて、皆が部屋に戻ってきた。ひとまずはコーヒーブレイクといたそうか。
カチャカチャ、コトン。
スッ、ズズっ……
お茶を啜り茶菓子を食べる音だけが室内を支配している。緊張しているがゆえの無音ではない。単に、食べるのに集中しているだけである。いや、シリアスは、元々この部屋には存在しないから、緊張も持続しようがない。どうでもよいことではあるが(地の文が誠にどうでもよくなっていることを、記録者として、ここで一度謝罪しておく)
「どうですか?皆さん、リラックスできたでしょうか」
場を纏めるように、PJさんがメンバー達に問いかけた。
「そういえば、身体がポカポカしてきた」とミモザさん。
「肩が軽くなったわ」とスズムラさん。
「ティーブレイクは大切ですね」とつるさんが場に句点を打った。
「そう。音楽とお茶。これで皆さんの不安が解消され、消滅した。つまり—」
人魚は最初から、この村にはいなかったのです!
いるとするなら、それは皆さんの心、その心配事の中に、その反映として映し出されていたのです!
ビシッと効果音がするような仕草—左手を腰に当て、右腕を斜め上に掲げ空を指さす—で、PJさんが決め台詞を発した。
……見た目は普段とひとつも変わらない、格好良さも普通のPJさんだった。
普通だったが、PJさんの言葉が波紋となり、その音の波が空気を揺らした。
ウクレレを弾く。ギターを弾く。それに合わせて歌い出す。皆の行動に合わせ、室内の空気に亀裂が入り、パリンと音を立てて、緑の破片が粉々になっていき、大気の中へと霧散していった。
「もしかしたら……もしかして。私があんなことを思ったから、こんな妙なことが起きちゃったのかな……」
人魚騒動の後片付け—実際には楽器の片付け—をしている中で、スズムラさんがポツリと呟いた。
「あんなことですか?よければ話してみてください。こんなことが再び起こらぬよう、再発を防止するヒントになるかもしれない」
スズムラさんの言葉を聞いた見据茶先生が、次を促すように話しかける。
「うん……。どこかの本で読んだの。お伽噺だけど。『人魚の肉を食べた者は不老不死の能力を得る』って話。不老不死なんていらないけど、病気にならないで済むなら、あってもいいかな、って」
「なるほど。気持ちは分かります。ですが、病気を治すのが医者や病院。健康に気を付けつつ、専門家を頼ってください」
見据茶先生の言葉に、スズムラさんが、皆が笑いながら頷いた。
※お遊びリレーです。登場人物補記は、主に大橋ちよさんの補足によります(登場人物(にゃんちゅー、妖精?)登場する人物を、作者の力不足もあり、網羅はできませんでした。併せてご容赦くださいませ(._.)オジギ
なんだこれ💦……筆歴、馬齢重ねて30年。最も訳の分からないものを綴ってしまいました。それも1800字越え(5、600字のショートにしたかったのに)orz 以下、某アニメ及び漫画は版権💦、それをイメージしつつ生成した、燃え尽きたボクサーさん。
To be continued.....…? Yes or No.
続き、バトンを受けてくださる方は、コメント欄にお願いします(・_・)(._.) この駄文でひとまず「。」を打ってもOKな感じにはしましたが、エピローグ的なお話があってもいいかな、とも感じます。
拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。