赤ではなく、青でもない。【シロクマ文芸部|お題「赤い傘」】参加記事
赤い傘、小学校の頃のそれは、女の子が持つと決まっていたところがある。決まっていた、というよりも、そういう先入観・固定概念があったように思う。
そうした考えに馴染めなくて、私は紫色の傘を使っていた。赤ではなく、青でもない色を。「どうして赤い傘を差さないの?」というクラスメートの質問には「私、紫が好きだから」と笑ってごまかしていた。「変なの」という声は聞こえないふりをしながら。
今は性別により使う道具の色を決めるなどという考えを持てば、ハラスメントを指摘される時代だ。子どもた