仕事机にたどりつくまで2002
朝六時前に起床。
一階におりると、すでに長男(中三)次男(小五)が起きていて、『信長の野望』で天下取りの大詰め。(天下様はもちろん上杉謙信)
昨夜タイマーかけておいた炊飯器に、四合のごはんが炊けているのを確認。
おみそ汁のだしの用意。焼き魚はあじの開きと紅じゃけ。
洗面所に行って、洗面、きがえ。洗濯機とりあえず六キロまわす。
厚焼き卵、キュウリの浅漬け、海苔、常備菜をいくつか。リンゴ。
飲み物のリクエスト。主人はコーヒー。長男はミルクティー。次男はココア。(ちなみに私は生協さんの、抹茶入り玄米茶)
みそ汁の具は、小松菜と卵。
朝、青菜をざくざく切っていると、トトロのさつきちゃんを必ず思う。
それにしてものどが痛い。
あ、昨夜、子ども会の来年の役員を決めるため、寒風吹く中、外で四十分も話し合いをしたせいか?
みなが朝食を食べるのを見ながら、長男(中三)の弁当。
レタス、ミートボールにピーマン、さつまいも煮、ハムとジャガイモをバターでさっと炒めたのと、あとは冷凍食品で隙間を埋める。
ご飯の上には、こんぶとしゃけ。
ご飯をかき込み終わった次男(小五)が最初に登校。
いってらっしゃーい、と見送ったらすぐに戻ってきて、玄関でいきなり「わごむわごむ…」図工に使うらしい。とってきてカバンにつめこんでやる。(ああ輪ゴムで良かった)
いってらっしゃ~いと、必ず元気な声で送り出す。
ここでチャンネルをNHK教育にして音量をあげてから、
まだ寝ている長女(年長)を起こす。
上の男子二人はめちゃくちゃ朝方なので、起こす手間はいらないが、
長女はそうはいかない。機嫌を損ねないよう、細心の注意を払いながら、がんばって愛あふれる笑顔。
「ほらほら今日はミカン狩りでしょ?新しい服着てくんでしょ?ん?ん?」
三歳の三男坊が、いつのまにかひとりで朝ご飯を食べているのを横目で確認。
多少散らかしているのには目をつぶり、長女(年長)のお弁当づくり。
ミニサイズのおにぎり、好物のエビフライ、うさぎさんのリンゴ、
ミートボールはピーマンと交互にピックに刺して。残ったおかずは、すべて三男坊の前に並べて。
主人が車で出勤、いってらっしゃ~い。
あ~ハンカチの残りが少ない。アイロン当てねば。今日、次男が給食当番の白衣を持って帰ってくるはずだから、いっしょに当てよう。
ここで長男が十五分後に着ていくはずのジャージの上が、
洗濯機の中でぐるぐる回っていることが判明。やっちまった。
手ですすいで、脱水して、ドライヤーで無理矢理乾かす。
ぼうっとしている長女にそっとおにぎりをにぎらせ、
三男(三歳)の保育ノートを書く。来月に迫ったお遊戯会の話題が中心。
保育園の先生たちが書くものは、いつも私を笑わしてくれる。
私もお返しにいろいろ書くので、四月からすでにもう四冊目。
生乾きのジャージを着た長男が、弁当を持って登校。
風邪をひかないことを祈りながら、
私立高校の入学説明会の申し込みすることを再確認(彼は一応受験生)
いってらっしゃ~い。
とってかえして、
本日ミカン狩りにいく長女(年長)の持ち物確認。レインコートが必要そう。
三男坊を着替えさせ、長女にアトピーの薬を二種類塗り、髪を直す。
女の子はこれが一手間。今日はハム太郎のリボンちゃんのゴムとぱっちんどめで決まり!
二回目の洗濯(六キロ)をまわしてから、チャイルドシートに長女と三男坊をくくりつけ、車で保育園へ。
カーラジオをきいてて、ふと気づいた。
(今日って、結婚記念日じゃない?)
保育園の駐車場があくのをしばらく待って、長女だけを保育園でおろし
(みかんたくさんとってきてね~)
三男をのせたまま、整形外科へ。今日で三回目。先生いわく
「ああもういいですね。骨が折れてなくて本当によかった」
「ありがとうございました~」
整形外科は、老人たちでいやになるほどにぎわっていて、
可愛い三男は、いくたびにいろんなひとに声をかけられる。
再び保育園へとってかえし、三男をオザ先生に預けて、帰宅。
みんな元気に出かけたことを、神様に感謝。
「ねえ○○忘れた~昇降口まで持ってきて~」
なんてふざけた留守電が入ってないことをまず確認。
六人家族の四日分のゴミを、えっちらおっちら収集所まで運び、
二回分の洗濯物を干す。
曇天。雨が降ったら、すぐ中に入れることを頭のすみにとどめておく。
布団は干せない。
それから生協さんの配達の日なので、
返す発泡スチロールの空き箱とか注文書を外に出しておく。
ついでに水枯れしてないか庭の花々をみてまわり、あぶなそうな鉢に水をやる。ヴィオラがとってもきれい。癒される。
十時半。ダイニングに座る。
さめたコーヒーを飲み、残り物をつまみ、新聞とちらしにざっと目を通しながら、夜の献立を考える。結婚記念日?ケーキでも買ってくるかなあ?
でも今夜は長男がナイターでテニス教室だしなあ。
そして午前十一時ころ、やったあ。ようやく仕事にかかれるヽ(^o^)丿
ラジオもテレビも消して。
いろいろ気が散ってしまうので(笑)パソコンは、インターネットにつながない。(それじゃただのワープロ)
そこに、
玄関をピンポンしてきたのは、宗教関係のおばさま方。
この世の中に本当の平和が訪れてほしいそう(私も全く同感です)
唐突に電話もかかってくる。マンション買いませんか?
乳酸飲料とりませんか…家のペンキをぬりかえませんか…
住宅ローンをかりかえませんか…家庭教師いりませんか……。
でも電話までオフにするわけにはいかない。
保健室からかかってくるかもしれないからだ。これが一番こわい。
誰か子どもの具合が悪くなったら、即お仕事は中止、車でお迎え。様子を見て病院行き。
いや、榛名しおりには、もっともっとこわいものがある。
庭で、お花たちが呼ぶ声だ。
「ねぇ~私たちいまが一番きれいよ~こんなにきれいな私たちを、写真に撮らなくていいの?」
「お水をちょうだい。できれば液肥が入ったお水」
「根っこがぎゅうぎゅうで苦しいの。ねぇ植えかえてよ。これじゃ、きれいな花なんか、咲かせられない~」
だから、
けして庭に目をやってはいけない。
あれこれやりたい作業が思い出されて、仕事どころではなくなってしまう。
たとえきれいなお花たちに呼ばれたとしても、
仕事中は、みてはいけない、みてはいけない…。
<結論>
榛名しおりが在宅ワークをしていて一番つらいのは、花たちと、近すぎることかもしれない。
――――
(2002年11月のある朝の風景。当時のblog記事をいくつかまとめ、編集しなおしました。
写真は、挿し芽でふやしたアメジストセージ(サルビアレウカンサ))
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