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「カサブタ」がはがれるまで――書き仕事の日々16


昔ラジオを聞いていたら、誰かがインタビューに答えておられました。

「ぼくはそういう「カサブタ」を、人生に付けておきたくないんだよね」

なるほど、カサブタかあ。うまいこと言われるなあ。


未完のままの『ゲルマーニア伝奇』は、
私にとって、
はがれないまま残る、人生の「カサブタ」でした。

体調の悪い時期に、草稿のまま当時の公式ホームページに少しずつ上げ、
一応完結したつもりになっていました。

ですが、何年かたって、ある事情で偶然読み返したら、
手直しして、ちゃんと仕上げたくてならなくなりました。

まあ、このまま放っておいても、命に関わることはありません。たかがカサブタです。
でも、このカサブタを付けたまま、これからもずっと人生を送り、
カサブタ付きのまま、お棺に入って、
このカサブタといっしょに、煙になるんだなあ。
いやだなあ。

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2023年1月現在22記事(1記事平均1800文字程度)。書き仕事のヒント、執筆裏話などなど。

「榛名しおりはこんなふうに二十数年書き仕事してきました」を、かっこつけずオープンに。何かが、少しでも、どなたかの書き仕事のヒントになってく…

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