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新卒から16年働いた会社を辞めた今。16年を振り返る(1.現場監督編)

2022年2月末、新卒から約16年勤めた会社を退職した。
自分が無職になる日が来るなんて思ってもいなかった。
でも辞めたことに後悔はない。

何者でもない私の16年間を知りたい人がいるのかはわからないけれど、人生に悩んでいる人に少しでも役に立てばと思い、振り返ってみようかと思う。

2年間の現場監督

私が働いていたのはお店をつくる内装工事会社。(一応上場企業。)
お店を作っているというとオシャレなインテリアやデザイナーみたいなのを想像してカッコいいと思われる人もいるかもしれない。

現実はそんなイメージとは真逆で、泥臭く、厳しい世界だった。

入社してからはまずは強制的に現場担当として2年間。
ヘルメットをかぶって、作業服を着て、工事現場でおっちゃんたちに指示を出す。「そんなんできねーよ」「そんなんじゃわかんねーよ」と怒鳴られることもよくある。
そりゃそうだ。20代前半の小娘にわけわからない指示されるんだから、怒鳴りたくもなるだろう。

現場に入って、仕事と言えばまずは掃除。とにかくホウキを持って、掃き掃除。私は掃除するために大学出てこの会社に入ったんじゃないのにな…と思いながら、掃き掃除をしていたのが懐かしい。

そしてとにかく忙しい。朝から晩まで、ひどいときは夜中まで携帯が鳴っている。
土日や祝日も関係ない。そんな業界。
夜お店が閉店してからの現場調査や朝お店が開店する前の作業なども日常だった。24時間稼働している現場もある。

現場は夏は暑く、冬は寒い。
だって工事中だからエアコンがないんだもの。電気も仮設だしね。
そして3Kだ。汚い。危険。きつい。
くさいも入れたら4K。笑

髪も手も服も帰るころには埃だらけ。
20代なのに手はカサカサだった。まさに女子力ゼロ。むしろマイナスw

でも私の中で絶対にこれだけはしないと決めていたこと。
それは作業服のまま電車に乗ること。それをしたら本当に恥じらいがなくなって、女子力が復活できない気がしたから。

現場監督の仕事は工程管理と図面の内容を実際に作っていくための指示を出すこと。実際に作業はしない。それでも手は汚れるし、重い荷物を運んだりもする。

そんな大変な毎日でもどんどんお店ができていくのを見るのは少しうれしかった。お店ってこんなに早くできるのかと感動したこともあった。

そして何よりもオープンした日は達成感と満足感でいっぱいになった。
お店の方の「いらっしゃいませ」の声やお客さんの行列を見ると、頑張ってよかったという気持ちになれるから不思議。

きっとこの気持ちを感じられなかったらすぐに辞めていたと思う。

どんなに大変でもオープンしないお店はない。
辛い毎日でもいつかそれを乗り越えられると不思議と辛さも吹き飛んで、昔話の1つになる。
これが現場監督時代に学んだこと。

きっとこれはどんな仕事にも通じることだと思う。
大変なのは仕事だからしょうがない。でもきっと大変なことを乗り越えると満足感とか達成感とか感じられるから頑張れる。
そしてその大変な話は酒のつまみになる。

2年間の現場監督を終えて、私は一瞬設計部に配属される。
設計なんて学んだことがない文系の私が図面を描く日が来るとは。

16年間のまだまだ序盤。
残りの14年間はまた今度。



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