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旅する音楽家のラジオと本とCD & レコードと、コンサート〜仲野麻紀さんのこと

今日は日中は『アフリカ』次号の組版やら何やら(雑用を)していて、夕方にはちょっくら日吉まで出かける。

日吉駅からてくてく30分ほど歩いて、「ひととき」へ行ってきました。フランス在住の旅する音楽家・仲野麻紀さんの今回の日本でのソロ・ツアー、千秋楽を聴きに。

「ひととき」、想像していたよりもオープンな、居心地のよい場所でした。

前々日まで迷っていたのだが(場所と時間などよくわからなくて)前日になってご本人に連絡したら、「たまたま空きが出たのでご都合よかったら…」とのこと。それは「行きなさい」という流れですよねえ。

仲野麻紀さんのことは2018年の秋に、「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」(東京FMで日曜の早朝にやっている番組)に出演されたのを聴いて知った。でも、よく考えたら、もう少し前から知っていたような気もする。とてもよい文章を書く人として。岩波の『図書』に、静岡の水見色という村で演奏した話を書いているのがあって、それがいつの『図書』に載っていたか…検索したら、Twitterで自分が書いたのが出てきた。

2017年5月らしい。でも、『旅する音楽』を読んだり、「open radio」を聴き始めたのは、「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」がきっかけだったみたい。

その頃にリリースされた『月の裏側』と題したアンソロジー(CD)も、やがて愛聴盤になった。

月の満ち欠けに沿って(新月、上弦、満月、下弦の日に)Podcastで〜現在はMix-cloudで放送され、インターネットがつながる場所でなら世界中どこでも聴くことができる「open radio」を通しては、そういったCDや本とはまた別の、もっと身近で、親しい声を、ずっと届けてくれている。

左端は最新作の、その名も『open radio』

さて、そんな仲野麻紀さんの音を、生で聴いてみたかった。今日はその願いが叶ったんです。

仲野さんはアルト・サックスと、メタル・クラリネットを吹き、今回は葦でつくられたネイという笛や、カリンバも弾き、歌もうたう。完全なソロ・コンサートなので何もかもひとりで演奏する。

ただ、何はともあれ、サックスとメタル・クラリネットの音を浴びて、そこにはジャズもあり、ソウル・ミュージックもあり、アラブやアフリカ、ある種の日本の音楽もあり、もっといろいろ入っているんだろう(「open radio」を聴いているとその一端を知ることができるのだけれど)、それを同じ空間にいて思う存分感じることができた。

この2年間、生で思いっきり楽器の音を浴びるという経験が少なくなっていたので、先週、亀澤奈央さんのピアノを聴いたら少し耳がびっくりしていたという話を書いた。でも今日はもう、びっくりはしていなかった。

至福の2時間+α、ありがとうございました。

いつか屋外で、森や、川の畔で、演奏されるところにも居合わせてみたい。そんな日が、いつか来ますように。

(つづく)

これは最近の、仲野さんのインタビュー、面白いですよ。

アフリカキカクのウェブショップでも数日前に発売開始したばかりの『るるるるん』vol.3については、じつはまだ全て読めていないので(すみません忙しくて…)、数日中にじっくりご紹介してみようと思っています!


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