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複数のイメージ

20代のはじめ頃、「いつも通りにただずんで」という、120枚くらいの小説を書いた時、そのタイトルは、「いつも/通り/に/たたずんで」なのか、「いつも通り/に/たたずんで」なのか、はっきりしない、と言われた。

その通りだな、と思った。あまりうまくいってはいない。

しかし「これはダブル・ネーミングなんだ」と面白がってくれた人もいた。

自分には「いつも通り」という通りにたたずむ、行ったり来たりして、たたずむ、というイメージがあったのだが、よく考えたら、「いつも通り」ということば自体に、意味をひとつに固定しないような感じがありません?

大貫妙子さんの若い頃の歌に、「いつも通り」というのがあって好きで、それから書き出したものだったから、それ以上タイトルをいじくる気になれなかった。

今夜、ある絵のことが、なぜかとても強く思い出されて、自分の中に浮かんでくることばを掬い取り、書いていたら、そこに複数のイメージが浮かび上がってきた。2つの異なる意味がそこにあることは、以前からわかっていた。

しかし本当に2つなのか?

と思って見ていると、もっと幾つもあるような気がしてきた。

(つづく)

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