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あなたが旅に求めるものは? トラベルプロジェクト「Second Town Journey」で伝えたいこと

こんにちは。編集部の羽賀です。早いもので前回のnoteの担当から半年くらい経っていました。今回は、先日ローンチしたHarumariの新しいトラベルプロジェクト「Second Town Journey」についてお話ししたいと思います。

本や歌のタイトルにもなるくらい人の数だけ答えがある、“旅に出る理由”。もちろん、毎回旅に理由や目的などたいそうなものはなくても、旅に出たいというぼんやりした意識のなかには、安らぎやリフレッシュ、刺激やハメを外すためなど、日常に足りない要素を埋めたいという願望が少なからずあるように感じます。パンデミックをきっかけに、旅に安らぎやリフレッシュを求める人が増えているというのはまさにそれかと。

今回、旅特集を考えるにあたり、自分のこれまでの旅を振り返ってみました。そこで気づいたのは、自分の旅は「人に会いに行く」ことがひとつの軸となっていること。むしろ、自分はそんなに頻繁に旅に行くタイプではないため、そういう目的がないとなかなか旅に出ません。それでも年に数回の旅では、石川県や福岡県など友人主催の地元の小さなイベントに参加するために何十回と足を運びました。もちろん、イベントが目的で旅を決めるため、その地の名所を周るというよりも友人やそこで出会った人と過ごす時間がほとんどで、旅でも東京の生活とはさほど変わりません。そのせいか、金沢にも太宰府にも何度も遊びに行っているはずなのに、いまだに金沢21世紀美術館も太宰府天満宮などの観光地には行ったことがなかったりします。しかし思い返すと、地元民が通う遊び場に詳しくなったり、いまでも彼らとゆるく交流が続いていたり、観光にはない心の充実を得ることができました。

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特集「Second Town Journey」は、まさにそんな旅の過ごし方を提案したいという思いから生まれたプロジェクトです。旅先に長期滞在し、東京とは違う時間が流れるその土地で暮らす旅。幸か不幸か、パンデミックによってリモートワークが浸透したおかげで、仕事を持ちこみ地方に長期滞在できるチャンスも増えました。

ではこのような旅では、安らぎやリフレッシュを目的とした旅と比べて、どのような気づきや心の充実感を得ることができるのでしょうか。自分のこれまでの経験を振り返ってみると、地元民と同じ時間軸で生活してみることで、東京にはない生き方のバリエーションを見られることだと感じます。“東京人の理想とする暮らし”は既にある一定の正解が出てしまっており、両極端の中間に無数にある選択肢が見えなくなってしまうことがあります。多様性を“個性”として大切にする動きは盛んですが、SNSを中心に目に見えるところにあるサンプルはいまだに二者択一思考的なものが多い。そういうときに東京にはない、その土地の“ふつう”を経験することで単一の“ものさし”以外の社会を見ることができました。そこには、地方の常識や独特の生活スタイル、価値観が広がっており、自分で線引きしているだけでこんなにも多くの選択肢があることに気づいたのです。

とはいえ、このように旅を通して深い学びを得るには、やはり現地の人とつながりを持てるかが鍵であるように感じます。生活の拠点を移して目にする景色が変わっても、人が変化するのはやっぱり人の影響が大きい。一方で、見知らぬ土地で地域に入り込むには何かきっかけがない限り難しいことでもあります。そこで、広島県尾道市というのが候補に挙がったのでした。

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旅の拠点に選んだ尾道市は、よその土地から訪れた新参者を受け入れる環境=入り口がたくさん用意されている街です。港町で外から文化や人を受け入れて発展してきたという土地の気質。そして、現地にはワーケーションで使えるシェアオフィスや現地人が営むコミュニティスペースなど、地域と接点を持てる場所がたくさん点在しています。さらに、取材を通して、尾道には人と人をつなげるハブのような人々がたくさんいて、その人たちの働きかけによってバックグラウンドの異なる人々が集い、新しいクリエイティブを生み出していることもわかりました。古き良き文化を大切にしながらも、周囲の人を受け入れる懐の深い街。取材をするなかで、ここなら「Second Town Journey」で提案したい旅が行えると確信することができました。その根拠は全11回に渡って特集ページにて公開しているのでぜひチェックしてみてください。

地方で触れた新しい価値観や生き方を東京の生活にフィードバッグするというのが「Second Town Journey」で提案したい旅の目的ではありますが、そもそもそういうことが必要だと感じるのは日々を生きるのがなかなかままならなかったりするから。その悶々とした毎日を過ごすには、物事の視点を変えて何気ないことにも楽しさを見出していくのが大切です。そんな日常を少しでも生きやすくするための方法のひとつとして、旅は大いに有効な手段。これまでの生活の流れを絶ち、異なる環境に身を置くことが物事を違う目線で見るトレーニングとなり、これまで気づかなかった東京の生活の魅力や楽しさを見出せるようになる。それが生きやすさや心の充実にもつながるのだと思いました。

写真:もろんのん



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