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濃く、おいしく、美しく。国内ラテの新たなメインストリームはここにある

※2018年11月掲載記事

ストリーマー コーヒーカンパニー 中目黒。ここは、それまでの「ラテ」に革命を起こしたコーヒースタンドの中目黒店である。

ラテを芸術品の域にまで高めたコーヒースタンド

2010年、渋谷~原宿の明治通り裏に誕生した「ストリーマー コーヒー カンパニー」。
メインはラテ。メニュー数は限りなく少ない。早朝からオープンしている分、クローズも早い。お客さんは外国人が多め。そんな、ほかにはないトガった特徴に加えて、圧倒的なクオリティで人気に火が付いたコーヒースタンドだ。

しかも味だけではない。世界に通用するほどのラテアートの美しさも話題に。芸術的な一杯の噂はたちまち広がり、人気とともに店舗数も拡大。2016年11月にオープンしたのが中目黒店だ。

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3倍の豆と時間が凝縮した特濃のラテ

圧倒的においしいコーヒーの味。その特徴は、ドロっとした凝縮感にある。伝統的なエスプレッソは、7gの豆を使い20秒で抽出するのが定説。しかし同店は、21~22gの豆を使って40~60秒かける。つまり、豆と時間が約3倍なのだ。

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<ポタッ…ポタッ…。搾り出すかのように、濃密なエスプレッソが生み出される>

レシピだけではない。パウダー状に引いた豆をすきまなくパンパンにタンピング(エスプレッソマシンのバスケットに詰めて押し固める技)し、ムラがないように抽出するテクニック。シルキーなフォームドミルクを手早く作って注ぐ繊細さ。これらがあって初めて、唯一無二のラテが完成するのだ。

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<「ストリーマー ラテ」(570円 税込)。1カップが12oz(約355ml)と多いのも特徴だ>

地域ごとの限定メニューも魅力

中目黒への出店は、創業から6年後のこと。この街に出店した想いやストーリーには、いったい何が? 新規事業開発部の田原学さんに聞いた。

「情報感度の高い街に出店したかったからです。ただ渋谷に次ぐ2号店が、ここから近い五本木だったので、中目黒の出店まではちょっと空きましたね」(田原さん)

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<田原学さん>

田原さん曰く、街ごとにお客さんの好みなどが異なるとか。そのため定番は統一しているものの、店舗限定メニューが存在する。たとえば、中目黒にはグルテンフリーのフードが多い。

「中目黒は外国人の方も多いですから。あと、この周辺は住宅もあるエリアなのでファミリー層の方も。ここだけのメニューとしては、いまはチリドッグやバナナシェイクがありますね」

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<「チリドッグ」(550円 税込)。ふっくらとしたバンズに、ジュ―シーなソーセージと、ミンチを使ったチリソース。そしてチーズがとろ~り>

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<ドーナツは280円(税込)~>

“豆は深煎りのブレンドのみ”という哲学

ラテへのこだわりも、より詳しく聞いてみた。そのルーツはサンフランシスコにあるという。

「西海岸には、こういうスタイルのコーヒースタンドがけっこうあって。それに感銘を受けたうちの創業者が日本ではじめたんですね。特徴的なのは、やっぱりエスプレッソの濃さ。味もこだわりなのですが、そもそもこの濃度じゃないとうちのラテは成立しないんです」

きわめてビターなコーヒーのクレマが、しっかりとしたキャンバスとなる。だからこそ、フォームドミルクがにじむことなく、鮮やかで繊細なアートが描けるのだ。世界一のラテには、世界一のエスプレッソが必要なのである。

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「ミルクとの相性など理想を追求した結果、使用する豆はブレンド1種類となりました。ローストも、詳しくは企業秘密ですが深煎り一本です」

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<「ストリーマー ラテアートブレンド」1,600円(税込)/250g>

同店には豆の個性を楽しむシングルオリジンはなく、フルーティさや酸味が魅力の浅煎りコーヒーもない。だが、そうやってそぎ落とし、追求した結果、究極のラテが生み出されているのだ。

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メニューはいくつかあり、濃縮したエスプレッソを2杯入れる「リボルバーラテ」(680円・税込)や、抹茶などで芸術的な色味を創出した「ミリタリーラテ」(780円・税込)。また、「マンスリーラテ」(560円・税込)やシーズナル(秋季は「ナッツラテ」650円・税込)など季節限定品も。ただ、田原さんは「まずは『ストリーマーラテ』を」とのこと。ラテ好きなら、ぜひ訪れるべき一軒だ!

取材・文:中山秀明
撮影:濱田晋

STREAMER COFFEE COMPANY 中目黒店

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