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三浦春馬さん映画「天外者(てんがらもん)」を10倍楽しむために はるまふじの思い編

いままで、この『「天外者」を10倍楽しむために』シリーズでは、史実を基に五代友厚がどんな人物であったかを探ってきました。そうすることで、自分が映画を楽しむための知識が深まるし、五代友厚という人物の偉大さや魅力も伝わるし、もし同じ考えの人がいたら、情報を共有して盛り上がれたら良いなと感じていたからです。

ここのところ、さまざまな予告映像が公開されてきています。今日は、これほど短い予告映像だけで私がなぜこれほどこの五代友厚に惹かれるのか、その理由を少し考えてみたいと思います。

「天外者」五代友厚役に心躍る理由

率直に言って、こんな三浦春馬さんは観たことがないからです。真剣な表情、熱っぽく語る姿、そしてこれほど短い動画からでも伝わる迫力。並々ならぬ思いを持って五代友厚を演じていたことが、ひしひしと伝わります。「日本製」の巻末インタビューで「男としても、俳優・三浦春馬としても良い仕事ができたと胸を張って言える」と語っていたことに対しても、この映像をみたら「そうでしょうね」と返したくなります。

幕末の志士から明治政府の役人、そして実業家へと時代を駆け抜けた五代友厚が、いかに「富国の使徒」として、日本を豊かな国にするために覚悟と熱意をもって力を尽くしたかが、強く伝わってくるように思えます。

時代劇は他にも

三浦春馬さんが演じた時代物は、「おんな城主 直虎」で演じた井伊直親、「銀魂2」の伊東鴨太郎、「五右衛門ロックIII」の明智心九郎など、いくつかありますが、五代友厚は幕末から明治の人物とあって、だいぶ纏う空気が違います。

武勲派の多い薩摩藩で、強いことこそすべてといわれた若き日。2回の長崎遊学を経て日本の外を感じたことで、変わりゆく自分の考え。そして、開国後は豊かな日本を実現させるための人生を送ることになる、五代友厚。彼の思想の変化とそれにともなってふくらむ幕末から明治の人物特有の熱意を、演技で魅せるのは初めての挑戦だったと思います。

歴史上の人物の伝記もので主演を張るプレッシャーも多分にあったでしょう。ましてやこの作品は、「五代友厚プロジェクト」の方々が構想してから7年の月日がかかった、熱のこもった作品と聞いています。春馬さんの演じる五代友厚は、ご本人のこの役にかける熱意と、周囲の方々の熱い思いが鏡のように写ったもの。そう思えます。

声の演技の素晴らしさ

三浦春馬さんは、声の演技も若い時から素晴らしいのです。「五右衛門ロックIII」の明智心九郎役では、意図を持って声の高低を使い分けていましたし、「オトナ高校」のチェリート君役では、お仕事モードの彼とチェリートモードの彼の声の使い分け、喋るスピードの使い分けが見事。「キンキーブーツ」のローラでは…もう、言うまでもありませんね。

動画を見る限りでは、この役も声の演技がお見事です。熱っぽく人前で演説するときの声、友と未来を語りあうときの声、女性と接するときの声。いつもながら、三浦春馬さんの声の演技には感心させられてばかりです。

春馬さんは耳が良いので、薩摩弁もきっと器用にこなしていることでしょう。

まとめ

時代劇で、歴史上の人物の伝記ものの主演であること、ご本人が並々ならぬ熱意を持って演じていたことがひしひしと伝わること、見た事のない三浦春馬さんの真剣に雄弁に語る時の表情、その全てに、私は心をわしづかみにされています。

またご本人が「日本製」の巻末インタビューで語っている通り、日本製の取材を通して、日本的なものに対する感受性が高まったことも、役に良い影響を与えているように思えてなりません。演じるべきタイミングで演じるべき役が来る。五代友厚役を演じられたことは、役者冥利に尽きると考えていたのではないでしょうか。

公開まであと2週間ほど。実際の映画を観た後は、きっとしばらく立ち上がれないでしょう。期待が高まります。もう少し、いろいろな学びを深めて公開初日を迎えたいと思います。






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