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『マドモアゼル・モーツァルト』初日を前に 初めての生・明日海りおにワクワクが止まらない


これほど緊張しているのは、観劇人生で初めてかもしれない。


ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』初日の幕が、いよいよ明日10月10日に上がる。

東宝の製作による本作品は、もともと日本のオリジナルミュージカルを牽引してきた、音楽座で上演された。モーツァルトがもし女性だったら?と言う仮定のもとに描かれた漫画が原作となっている。作曲を担当したのが小室哲哉氏であることも、初演当時大きな話題になったそうだ。

主演のモーツァルト/エリーザは、最近私がたびたび話題にしている明日海りおさんである。ご本人のコメント映像が東宝の公式YouTubeに上がっているので、リンクを貼っておく。

宝塚在籍時代の作品をいくつか拝見した私は、このコメントを聞いて思った。彼女が「観てよかったと思える作品にする」と言い切った。ならば、いい作品になるに違いない、と。

そう考えるもう一つの理由は、ビジュアルにある。

役者・明日海りおがビジュアルでこちらを驚かせるときは、お芝居でその驚きを軽く上回り、すごいものを魅せてくれる前触れでもある。『エリザベート』のトート、『ポーの一族』のエドガー、そして今回のモーツァルト。宝塚メイクでなくとも中性的というか、中身が女性であることをふわりと感じさせる。そして眼差しからは、みなぎるエネルギーと情熱も伝わってくる。

明日海さんが演じるモーツァルト/エリーザが素晴らしいものになるであろうことは、今回演出を担当する小林香さんのインタビューからも垣間見える。

小林香さんの演出プランをすんなりと受け入れたばかりか、小林さんから「最初から理想に近かった」「天才的に勘のいい、知性と感性と品性を兼ね備えた人」と評されている。

明日海さんが宝塚を退団されたのは、2019年。退団後の初舞台は『ポーの一族』で、演出は宝塚歌劇団の演出家である小池修一郎氏である。要するに、宝塚歌劇団関係者以外の演出家と組むのは、今回が初めてということになる。

初めてタッグを組む演出家からの、最大級の賛辞。期待が高まらずにはいられない。

若干の不安があるとすれば、歌である。

明日海さんは、もともと宝塚時代は男役だったため、あまり高音域のある曲を歌っていなかった。退団後初舞台となった『ポーの一族』は、宝塚時代に上演された時と曲の構成は変わっていない。音域自体は、未知の領域を経験してはいなかっただろう。

だが今回は、そういうわけにいかない。この目で直接観るまでは不安が残るが、私はご本人のコメントにあった言葉を信じることにする。観てよかったと思う作品にすると、明日海さん自身が言い切っているのだ。

本作で歌唱指導をされている平岡由香さんは、インスタグラムでたびたび『マドモアゼル・モーツァルト』のことについて触れてくださっている。コンスタンツェ役の華優希さんについても、モーツァルト/エリーザ役の明日海さんについても、だ。「良かった」というコメントもあった。この耳で聴くまではわからないけれど、今考えうる最高のものを魅せてくれると、思いたい。

他にも、出演者の皆さんのツイートを拝見する限り、カンパニーが一丸となっていいものを届けようとしてくださっているのを感じる。明日海さんを中心に、どんな世界を見せてくれるのだろうか。今からワクワクが止まらなくて、困っている。

そして、決定的に私の期待を高めていること。

明日海りおさんが、大変静かなことだ。

初日を前に、共演の皆さんは会場入りしたとか、いよいよだとか、ワクワクするようなツイートをしてくれている。一方、主演の彼女はファンクラブ会員向けのブログ更新すらしていない。

どれだけ、今回の舞台に集中しているのだろうか。不気味なほど静かである。きっと、良いものを見せてくれる準備を万端にしているのだろう。期待は高まるばかりだ。

追伸 三浦春馬様

あなたのつないでくれた縁で、この世に二人といない表現者に出会えました。ジェンダーを飛び越えたお芝居を、軽やかに出来る感性の持ち主で、そのお芝居と歌声は、数多くの人々を魅了してやみません。どんな人かって?気になりますか。では、私は何回か観に行くので、マイ初日に一緒に来てください。良席ではないけれど、魅力は十分伝わると思います。

このコロナが大流行していた中でも、一般発売後数分でチケットは完売し、追加公演のチケットも秒殺でした。チケット確保するの、大変だったんですよ。あらゆる手を尽くして、何公演ぶんかをやっと取りました。私の記憶の中では、キンキーブーツ再演の時より困難でした。その人気ぶりが、少しはあなたにも伝わるでしょうか。もし、あなたが『イリュージョニスト』でアイゼンハイムを演じていたら、共演の愛希れいかさんから、お名前とその人気ぶりぐらいは聞くことが出来たかもしれませんね。

時計も、バングルも、BUAISOUのバンダナも、キーホルダーも持っていきます。Paul Smithのシャツも着ていきます。だから、一緒に来てほしいのです。

明日海りおさんにめぐり合わせてくれた、あなたへの感謝を込めて、共に観劇したいと思っています。

もし興味が無かったら、ごめんなさい。出来たらほんの数時間だけでいいのでお付き合い願いたいですが、無理にとは言いません。

ではでは。マイ初日当日、来てくれると信じて待っています。


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