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極上の美を体現する役者・明日海りおの魅力とは

2022年1月より放送中の日曜劇場、『DCU』を観る羽目になった。

正直なところ、最近の日曜劇場は苦手だ。感情表現が「怒鳴る」か「叫ぶ」に集中しているからである。全部『半沢直樹』に見えてしまう。ちなみに、近年日曜劇場で観たのは約1年前に放送した、『天国と地獄』のみ。

明日海りおさんが第6話と第7話にゲスト出演する、という情報が入って、そうもいかなくなった。明日海さんの出演回だけ観る、と言うのは個人的ポリシーに反するので出来ない。録画していなかったので、慌てて以前契約していたParaviを再契約して、追いかけで過去の放送回を観た。

ストーリーやら画作りやら音楽の使い方やらが好みか好みじゃないかは、この際置いておく。第6話でも第7話でも、明日海りおさんはきちんとしたお芝居を見せてくれており、魅力の一端を垣間見ることができた。

このnoteでは、舞台で輝く役者・明日海りおさんの魅力を紹介する。『DCU』を期に明日海さんが気になり始めた方の参考になってくれたら、幸いである。

明日海りおさん略歴

・元宝塚歌劇団花組トップスター(在任期間:5年半←長いほう)
・2003年、89期生として宝塚歌劇団に入団。華やかな容姿と芝居・歌・ダンスの3つがバランスよく揃った男役として絶大な人気を誇った。
・2019年に宝塚歌劇団を退団後、女優として活躍。出演舞台『ポーの一族』『マドモアゼル・モーツァルト』、出演ドラマ『おちょやん』『青のSP』『コントが始まる』『DCU』。

明日海りおさんの魅力その1:とにかく美しい

『DCU』第6話と第7話をご覧いただいた方なら、お判りいただけるだろう。
明日海りおさん、美しいのである。

どの記事を見ても、どの角度からの写真であっても、男役時代の写真も、すべて美しい。宝塚歌劇団出身ということで、美人と言うだけではなく姿勢や所作の美しさも、彼女を輝かせている重要な要素となっている。

明日海りおさんの魅力その2:卓越した芝居力

宝塚歌劇団在籍時から、明日海りおさんの芝居力が無ければ成り立たない作品に、多く出演している。宝塚歌劇団の演出家がそれだけ彼女の芝居力に魅せられた、ということでもあるだろう。

いくつか、彼女の芝居力を堪能できる作品を挙げておきたい。

ロミオとジュリエット

言わずと知れた、シェイクスピアの悲恋もの『ロミオとジュリエット』で、明日海さんはロミオとティボルトの2役を演じている。個人的に、明日海さんの演じたロミオには、彼女の「役者としての魅力」が詰まっていると思っている。
4月にCSの有料チャンネルであるタカラヅカ・スカイステージで放送があるので、興味がある方はぜひご覧いただきたい。

私の感想へのリンクは、以下に貼っておく。


春の雪

宝塚バウホール公演『春の雪』の原作は、三島由紀夫の小説だ。豊饒の海四部作と呼ばれる作品の第一部であり、行定勲監督によって映画化もされている。

明日海さんはこの作品で、屈折した美しい青年・松枝清顕を見事に演じている。
私の書いた春の雪の感想へのリンクを貼っておく。


エリザベート

『エリザベート』と言う作品を知らないミュージカルファンはいないだろう。1996年に宝塚歌劇団で初演され、2000年からは東宝でも上演されている、ウィーン発ミュージカルの代表作である。

明日海りおさんは、2014年の宝塚歌劇団花組公演で、トートを演じておられる。ビジュアルがうっとりするレベルで美しいので、ポスターへのリンクを貼っておく。

この時の花組のメンバーがとても豪華で、すべての配役が素晴らしい。何度も観たくなってしまうのだが、私の好きポイントはなんと言っても、明日海りおさんの歌う「最後のダンス」である。具体的にどこがどう好きなのかについては、以下に綴ってある。

ポーの一族

萩尾望都さんの漫画が原作の本作品は、宝塚歌劇団所属の演出家だった小池修一郎さんが萩尾望都さんに直談判して宝塚で上演しようとしたものの、30年の間、制作できずにいたという背景を持つ。

明日海りおと言う稀有な役者があらわれたことで、実現できた本作。演出を担当した小池修一郎さんに「エドガーはいた。明日海りおである」と言わしめたことでも、ファンの間では有名な作品だ。

少女漫画の世界から抜け出てきたようなビジュアルもさることながら、非常に難しい役を、とても繊細に板の上で魅せてくれている。

『ポーの一族』エドガーのビジュアルはこちら。

エドガー・ポーツネルは、「人に生まれて、人ではなくなり」少年の姿のまま、永遠の時を生きる。バンパネラとなった彼は、自らを嫌悪しつつ、孤独を抱きしめて生きている。家族を失い、アランとともに生きる中で彼の諦観と老成は進んでいく。

ビジュアルは美しい少年のままだが、内面がどんどん変わっていくのだ。稀有な役者・明日海りおが居てこそ上演できた作品である。

マドモアゼル・モーツァルト

宝塚メイクはちょっとなじみが薄いし、独特な世界観もなあ・・・とお思いの方には、昨年秋に上演された『マドモアゼル・モーツァルト』を紹介しておきたい。本作は、日本のオリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座が1991年に初演した作品だ。福山庸治さんの同名漫画を原作としている。

本作で、明日海りおさんは性別も年齢も軽やかに飛び越えたモーツァルトを絶妙に体現している。ぜひまた観たいと思うものの、Blu-rayやDVD、CDが発売になる予定は、今のところ全くないのがとても残念だ。


明日海りおさんの魅力その3:歌が上手い

明日海さんは歌が上手い。
宝塚歌劇団出身なんだから当たり前、とお考えの方もおられるだろうが、宝塚出身でも歌が苦手な方はいる。明日海さんは「歌が苦手」なタイプではない。

ミュージカルの歌い手として曲の世界観を歌で体現する力は、長らくトップスターを務める中で培ったものなのだろう。
昨年11月から12月にかけて行われた、コンサートのダイジェスト動画へのリンクを貼っておく。

明日海りおさんの魅力その4:とにかくカワイイ

明日海さんは、長く宝塚歌劇団でトップスターを務めてこられたこともあり、「カッコいい」イメージが強いと思う。『DCU』でも、シングルマザーのキャリアウーマンを好演していた。

しかし、だ。明日海さんは本来とても可愛らしい人なのである。
そんな可愛らしい明日海さんを堪能できるのが、Huluオリジナル番組「明日海りおのアトリエ」だ。

Huluと契約しないと観ることはできないが、可愛さあふれる明日海りおさんの魅力がたっぷり堪能できる。全8回となっている。

他にもファンクラブ会員向けのブログであったり、公演のカーテンコールなどでは明日海さんらしい可愛らしさを存分に見せてくれている。そんな彼女が垣間見える、『マドモアゼル・モーツァルト』の千秋楽カーテンコールはこちら。


終わりに 日曜劇場出演の反響を受けて

敬愛する明日海りおさんが日曜劇場に出演すると聞いたので、後追いで『DCU』を第1話から観た。

相変わらず苦手だという認識は変わらないけれど、役者さんたちの表現はそこここで際立っており、それに向き合うのはとても楽しかった。

明日海さんの表現は、テレビドラマでも随所に光っていた。ただ、まだまだこれから進化していくのだろうなという部分を感じたのも、事実である。

明日海さんがどのような道をこれから選ばれるのか、私にはまったく分からない。だがどんな道を選んだとしても、応援し続けることに変わりはない。

私は、あと何度新しい「役者・明日海りお」を発見できるのだろうか。

とても楽しみである。

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