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母の作ったゼンマイの煮物が好きになったのは、目の前でソファにゴロンと寝転ぶ邪魔っけな娘が…
JR有楽町駅を出て、日比谷方面へ向かう。 ビックカメラを右に見て横断歩道を渡り、左へ。もう…
2024年4月26日、わたしは50歳になった。 誕生日プレゼントに夫から仕事用のリュックをもらう…
深刻な顔で、「相談があるんです」と彼女は言った。 同棲中の彼氏とのあいだに子どもでもでき…
2022年大晦日。 もう二度と動かぬ母と向き合っていた。 ほんの1週間前まで温かかった、白くて…
50回目の誕生日が間近に迫った土曜日、プレゼントは何がいいかと訊かれた。仕事でパソコンを持…
体育館に入って真っ先にわたしの脳裏に浮かんだのは、寒い寒い日の記憶。 ストーブにあたりながら壁に貼られた入試問題を眺めていた。あの子は今、この問題と戦っているのか。そう思うと寒さ程度でぐちぐちつぶやいている自分が、なんだか恥ずかしくなった。 あれから、6年。 同じ体育館にわたしは立っている。 入学式の日咲いていた桜は、まだつぼみ。 秋には見事に色づく銀杏並木も、いまは寒々しい。 抜けるような青空の下に掲示された、 「令和四年度 卒業証書授与式」の文字。 楽しい思い出ば
文具店に行くと、つい便箋売り場に寄ってしまう。B5サイズの便箋に一筆箋。彩りが華やかでつい…
カーテンコール。 終演とともに、薄衣1枚だけ役をまとって出演者が板の上に再び出てくる。演…
「生きてゆかれてください」 変な日本語だ。使い方として正しいのだろうか? 正しいかどうか…
満開の桜を見上げるたびに、思い出す。 臨月の身体を横たえて、そろそろ寝ようかとぼんやりし…
元号が令和になって最初の年度末。品川で大学時代の友人と3人、食事をしていた。 仕事が終わ…
「Pretty good!」 英会話のレッスンで、調子を訊かれたときにそう返すことがある。 仕事で疲…
娘に顔がヘンだよ、と言われることがよくある。 たいてい、目に周囲の映像は映っているけど、脳内に描いたイメージが動き始めて、そちらを追うのに没頭しているときだ。 妄想のなかの人物が動き始めて、そちらに惹かれていると現実世界の自分がおかしくなる。テレビドラマや映画のように長いストーリーにはならない。せいぜい15秒程度のコマーシャルと同じ程度。壮大な物語でもなければ、劇的な出来事でもない。だがこの瞬間は、わたしにとって無くてはならない、大切な時間だ。 仕事でほかの人にお願いしな