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万年筆が好きだ。 普段使いにしているものはいずれも、そこまで高価なものではない。むしろ安…
突然ですが、エッセイ本を書きました。 無名のわたしが出版したところで、買ってくれるのは身…
小学校1年まで、今のとうきょうスカイツリー駅近くの線路沿いに住んでいた。家の隣に砂利置き…
母の作ったゼンマイの煮物が好きになったのは、目の前でソファにゴロンと寝転ぶ邪魔っけな娘が…
JR有楽町駅を出て、日比谷方面へ向かう。 ビックカメラを右に見て横断歩道を渡り、左へ。もう…
「お前は王を敬っていないのか?なぜ私より頭が高い。何人たりとも国王を見下ろしてはならん」…
2024年4月26日、わたしは50歳になった。 誕生日プレゼントに夫から仕事用のリュックをもらう。パソコンを持ち歩くことが多くなって、重くなった荷物と反比例する体力を考えてくれたのだろう。使い始めてみると背負っている間は楽だが、リュックのポケットに入れたSuicaや携帯や社員証を取り出すのが面倒くさい。ま、そのうち慣れるだろう。 せっかくの節目の誕生日。1日楽しく過ごそうと決めていた。有休を1日足して、一足早いゴールデンウィーク突入。日生劇場でミュージカル『王様と私』を観
深刻な顔で、「相談があるんです」と彼女は言った。 同棲中の彼氏とのあいだに子どもでもでき…
2022年大晦日。 わたしは母と向き合っていた。 もう、ピクリともしない。 ほんの1週間前まで…
50回目の誕生日が間近に迫った土曜日、プレゼントは何がいいかと訊かれた。仕事でパソコンを持…
文具店に行くと、つい便箋売り場に寄ってしまう。B5サイズの便箋に一筆箋。彩りが華やかでつい…
カーテンコール。 終演とともに、薄衣1枚だけ役をまとって出演者が板の上に再び出てくる。演…
「生きてゆかれてください」 変な日本語だ。使い方として正しいのだろうか? 正しいかどうか…
満開の桜を見上げるたびに、思い出す。 臨月の身体を横たえて、そろそろ寝ようかとぼんやりしていた22時、スマホに着信があった。誰がかけてきたかを確認した後、まあいいかと黙認する。3度目の着信で、様子がおかしいことに気付く。 電話の向こうの友人は、いつになく神妙だった。半年前、ゲラゲラ笑いあった記憶とのズレ。 この前あいつん家で一緒に会ったよね?頭の中を「?」がぐるぐるしたあげく、もうすぐ産まれるし無理、と理解不能な言葉をぶつけてしまう。 家族に事情を話して、聞いた場所へ