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書く練習シリーズ

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文章教室になかなか行けないので、課題の中から書けるものを選んで書いてます。
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記事一覧

脳の解熱剤・万年筆

万年筆が好きだ。 普段使いにしているものはいずれも、そこまで高価なものではない。むしろ安…

はるまふじ
2か月前
14

Kindle本を出版してみた 「書きたい!」あなたへ出版のススメ

突然ですが、エッセイ本を書きました。 無名のわたしが出版したところで、買ってくれるのは身…

はるまふじ
2か月前
11

暇つぶしが負けず嫌いを作る

小学校1年まで、今のとうきょうスカイツリー駅近くの線路沿いに住んでいた。家の隣に砂利置き…

はるまふじ
3か月前
11

ゼンマイの煮物は記憶のなかに

母の作ったゼンマイの煮物が好きになったのは、目の前でソファにゴロンと寝転ぶ邪魔っけな娘が…

はるまふじ
4か月前
13

HOME THEATRE

JR有楽町駅を出て、日比谷方面へ向かう。 ビックカメラを右に見て横断歩道を渡り、左へ。もう…

はるまふじ
5か月前
8

似て非なるもの 見下ろすと見下す ミュージカル『王様と私』

「お前は王を敬っていないのか?なぜ私より頭が高い。何人たりとも国王を見下ろしてはならん」…

はるまふじ
5か月前
26

大切ないちにち

2024年4月26日、わたしは50歳になった。 誕生日プレゼントに夫から仕事用のリュックをもらう。パソコンを持ち歩くことが多くなって、重くなった荷物と反比例する体力を考えてくれたのだろう。使い始めてみると背負っている間は楽だが、リュックのポケットに入れたSuicaや携帯や社員証を取り出すのが面倒くさい。ま、そのうち慣れるだろう。 せっかくの節目の誕生日。1日楽しく過ごそうと決めていた。有休を1日足して、一足早いゴールデンウィーク突入。日生劇場でミュージカル『王様と私』を観

動物のお医者さん

深刻な顔で、「相談があるんです」と彼女は言った。 同棲中の彼氏とのあいだに子どもでもでき…

はるまふじ
6か月前
9

母の温度

2022年大晦日。 わたしは母と向き合っていた。 もう、ピクリともしない。 ほんの1週間前まで…

はるまふじ
6か月前
28

流川楓と木暮公延

50回目の誕生日が間近に迫った土曜日、プレゼントは何がいいかと訊かれた。仕事でパソコンを持…

はるまふじ
6か月前
2

手紙は下準備から

文具店に行くと、つい便箋売り場に寄ってしまう。B5サイズの便箋に一筆箋。彩りが華やかでつい…

はるまふじ
6か月前
2

改訂版 「好きな言葉」

カーテンコール。 終演とともに、薄衣1枚だけ役をまとって出演者が板の上に再び出てくる。演…

はるまふじ
6か月前
7

備忘録 「好きな言葉」

「生きてゆかれてください」 変な日本語だ。使い方として正しいのだろうか? 正しいかどうか…

はるまふじ
6か月前
8

桜を見上げる 記憶は巡る

満開の桜を見上げるたびに、思い出す。 臨月の身体を横たえて、そろそろ寝ようかとぼんやりしていた22時、スマホに着信があった。誰がかけてきたかを確認した後、まあいいかと黙認する。3度目の着信で、様子がおかしいことに気付く。 電話の向こうの友人は、いつになく神妙だった。半年前、ゲラゲラ笑いあった記憶とのズレ。 この前あいつん家で一緒に会ったよね?頭の中を「?」がぐるぐるしたあげく、もうすぐ産まれるし無理、と理解不能な言葉をぶつけてしまう。 家族に事情を話して、聞いた場所へ