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【インタビュー】檀崎竜孔-オーストラリア移籍で果たすべき2つのミッション「成長しないと帰れない」

「日本にいる人とビデオ通話をつないで貰って
選手権は全部見てました!
あの山田の生活を3年もしくは6年、よく頑張ったなあ。
本当にお疲れ様という気持ちです」

第99回全国高校サッカー選手権
ピッチに迸る熱き戦いが
多くの人々の魂を揺さぶった

山梨学院高校VS青森山田高校の
激闘のファイナルを始め、
多くの制限がありながら開催された
大舞台でも選手達はありったけの情熱を見せてくれた

時計の針を戻すこと2年

第97回全国高校サッカー選手権は
この男の大会だったと言っても
過言ではない。

檀崎竜孔・20歳

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1年から試合に絡み、選手権優勝を経験し、
3年では中心選手として200名近く在籍するチームを牽引

当時の大会最多となる5万4194人の観客が集まった
決勝の舞台でも2ゴールを挙げ、
母校・青森山田高校を優勝に導いた

述べ中学からの6年間で4度の日本一を経験

高体連とJユースが共に戦う
世代最高峰のリーグ戦・プレミアイーストでも
2位に9得点差をつけ、得点王に輝くなど
まさに世代のトップランナーだ

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その勢いのままに
華々しい活躍を想像し
飛び込んだプロの舞台

あれから2シーズンが経過

だが、2年間でのJリーグ出場数は3試合
時間にすると僅か12分

ここまでを自己採点するなら
10/100にも満たない点数だという。

「本当に不甲斐ない。俺はもっとできるはず!」

悔しさを隠さない檀崎は
昨年11月にオーストラリアのAリーグ
ブリスベン・ロアーへのレンタル移籍を決断。

その決断の背景
そして、今とこれから

檀崎竜孔に今の率直な思いを語って貰った。

オーストラリアでのプロ生活は?-自炊開始!英語は〇〇

オーストラリアの北東部ブリスベンを本拠地とする
Aリーグ・ブリスベン・ロアーFC
チームに合流して1ヶ月強が経過した

12月末にシーズンをスタートし、開幕2節を消化したが
檀崎は2試合共にスタメン出場し、攻守に存在感を示している

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開口一番からその充実した様子が伝わってきた

「めちゃくちゃ充実しています!やっぱり試合に出てなんぼだと思うので。
試合に出るっていいなあと改めて思いましたし、僕に足りない物が
ここの地にあるので。練習からバチバチとやれて、本当に楽しいですね!
今は延期になってしまいましたけど、本当に今後が楽しみでしかないです」

順調なスタートを切った矢先だったが、
新型コロナウイルスで陽性と確認された
ブリスベン市在住の市民が変異ウイルスに感染した事が判明

街は即座にロックダウン(都市封鎖)が敷かれ、
1/10に予定されていた第3節を含むリーグ戦の中断が余儀なくされた。

幸い、都市封鎖は既に解除され、チーム練習も再開
来たるべき時に向けて、準備を続けている

「3日間のロックダウンの後、既に練習も再開しました。1月末から2月にかけて、リーグも再開される見込みなのでいい準備をしたいなと!」

高校卒業後、コンサドーレのしまふく寮に入寮。
一人暮らしの経験もなかったという檀崎だが、オーストラリアでは一体、
どんな生活を送っているのだろうか?

「部屋を借りて一人暮らしをしています!料理も自分で作ってますよ!
しまふく寮の時は、やってないから大変ですけど‥今考えたら
本当に幸せな環境にいたんだなと身を持って体感しています。
こっちは活動が早いので、練習が8時半とかに始まる。
10時頃には寝て、朝の5時半過ぎには起きてますね!」

異国の地で活躍するにはコミュニケーション能力が必要不可欠だが、
彼に至っては心配無用なようだ。

「英語は通訳がいるんですけど、頑張って自分でコミュニケーションを取るようにしています!(事前の英語の勉強?)してないです!僕は勉強ができる人間ではないんで(笑)!
『大丈夫だべ!何とかなるっしょ!』というノリで来ました。
何とかなってます!そこは問題ないです!」

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「とにかく試合に出たかった‥」移籍を決めた理由

ピッチ内外で順応し、充実の日々を過ごす檀崎だが、
冒頭に記した通り、プロ入り後2年は出番に恵まれず、
葛藤の日々を過ごしていた

「もうプロ3年目になるけど、自分の思ったようなプロ生活を送れていないので。もっと試合に出て、もっと得点に絡んでチームに貢献するというイメージだった」
「昨年、あれだけ過密日程の中でも出場したのが、ルヴァン杯の横浜FC戦とリーグのヴィッセル神戸戦のみだった。
『まだまだだな』と本当に悔しくて‥
周りの同学年の選手達がプロで活躍している中、
自分は何をやってるんだ‥自分の実力不足が悔しかったです。
僕自身、何が武器なのか?分からなくなる時もあった」

悩み・苦悩し
そして、愚直に努力を続けた先に
転機はやってきた

9月26日のJ1リーグ 第19節ヴィッセル神戸戦
念願の出場機会だった

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時間にして約10分
チームも敗戦濃厚の難しい状況下であったが、
檀崎にとっては充実の時間だった

「本当に試合に飢えていたので‥あのちょっとの時間でもめちゃくちゃ
楽しかったのを鮮明に覚えている。だから、めちゃくちゃ走ったし、
『試合に出るっていいな』と感じていた。試合に出て楽しいと思う気持ち
改めて大事だなと思った」

ピッチ上で闘える喜びの大きさを身を持って体感した
まさにその試合でのプレーを評価し、
ブリスベン・ロアーFCは
檀崎竜孔に獲得オファーを送った。

ピッチで闘う喜びを改めて実感した
檀崎にとって選択は一つだった

「10月頭のベガルタ仙台戦の後に代理人から連絡が来て、
『オーストラリア1部のブリスベンからオファーが来てるけどどうする?』と聞かれたので『即答で行きます!』」と伝えました。
「僕の意思を尊重してくれたクラブには本当に感謝してますし、
『行ってこい!頑張ってこい!』と快く送り出してくれました。
ミシャの下でプレーして、確実にプレーの引き出しや動き出しの面で
僕の頭に無かった考えが生まれたので、それも活かして頑張りたい」

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2つの果たすべきミッション

今回の移籍は2021年6月末までの期限付き移籍となるが、
その先の未来はまだ誰にも分からない
全ては今季の檀崎の出来に掛かっている。

「まずは、ブリスベンで今季、トップを目指したい。ここで磨きを掛けて、
その先、戻るのか?延長するのか?また別の選択をするのか?
どんな選択をするのかはサッカー選手としてまだ分からないですけど、
自分のプロサッカー選手としての価値をあげる事
そして、自信を付ける事。そこに今は集中したい。
それが今回の移籍のミッションですね!それしかないです!」

進学先が未定だった高校3年の5月
超名門大学2校から、推薦入学の話も貰ったが、
高卒即プロ挑戦を長年、求めた檀崎は
進路先が決まらない段階でも
大学の推薦入学に丁重に断りを申し出た。

全ては名前の竜孔のようにプロサッカー選手として
力強く飛び回り、大輪を咲かせる為だ

再来年には同世代で凌ぎを削った戦友達が
プロに数多く入団してくる事になる

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「その時に、僕はもっと上に行ってないとダメだと思ってます。
そうでないと、プロに入った意味がないんで!」

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サポーターへ「俺の全部を見て、褒めて欲しい!」

改めて、プロ入り後、2年弱過ごした北海道の印象を聞くと、

「住みやすくて、居心地良過ぎて困るくらいですね。本当に良いんですよ‥
町も良いし、人も良いし、クラブも良い。本当に良い所です‥」

そんな北海道と約8000キロ離れた異国の地で
奮闘する檀崎は今季の自身の注目ポイントと
更なる成長する為に必要な点を彼らしく回答した

「皆さんに僕の全部のプレーを見て欲しいです。全部!
守備も攻撃も!色々な所を見て、
そしてどんどん褒めて欲しいです!俺、褒められて伸びて、
悪く言われたら落ちていくタイプなんで!」

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そして、最後にサポーターへのメッセージをお願いすると

「成長しないと帰れないので。このまま何も変わらず帰ったらまずい。
まずは与えられた環境で、目に見える数字を残したいと思います。
結局はそこだと思うので!
そして、檀崎竜孔という選手を日本でもオーストラリアでもより多くの人に知って貰いたいし、もっと価値を上げて大きくなりたい!と思っています」
「7月以後、力強くなったというか、確実に成長した姿を見せたいですし、
札幌のファン・サポーターにも俺がピッチでサッカーをしている姿を見せたいです!」

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試合再開までもう少しの時間が掛かるかもしれない。

ただ、闘志剥き出しでファイトする姿は既に
現地サポーターからも称賛が飛んでいる。

きっと、今後もピッチ上を駆け回り
更なる結果を出してくれるはずだ。

ここまで毎節、YouTubeチャンネル
MyFootballにて、Aリーグの模様は生配信されている。
ぜひ、チャンネル登録をして、その雄雌をチェックして欲しい

イメージ通りには行かなかったプロ生活のスタート2年

ここからはイメージ以上の成長曲線を描き
ピッチの上で躍動する姿を切に期待したい。

がんばれ檀崎竜孔!!

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