ヨルダン🇯🇴旅行記2日目③世界遺産サルトの街へ。
何とかサルト行きのバスターミナルに到着。
ズラーっとミニバンくらいのバスが並んでいる。
どれがサルト行きかはさっぱり分からないので、片っ端から聞いて行く。
「あっち。」
「もっとあっち。」
「もう少し。」
ひたすら「あっち」のジェスチャーを続けられ、スライドするように移動すると、聞き始めた場所から全く正反対の一番端にたどり着いた。(というかもはやバス停の敷地の外側)バス停の敷地の外側にオマケのように停車しているバスを見つけた。このバンは、ミニバンよりも気持ちふた周りくらい大きい。東京の路線バスより少し小さいくらいか。運転席に乗っている老人に「サルト?」と聞くと、「そうそう!」と笑顔で答えてくれた。Sと良かったね〜と話しながら乗り込む。座席はまだ2割ほどしか埋まっていない。
2人掛けの席に座り、はぁ〜と息をつきながら、水を飲む。
10分くらい経ったが、一向にバスが発車する気配はない。
ふと我に返る。そういえばこのバスがいつ発車するのか、全く知らない。時刻表なんてものは見当たらなかった。
Sに「いつ発車するんだろうね。」と声を掛けると、
「満員になったくらいじゃない?」とSはのんびりと答える。
本当にどんなシチュエーションにも決して焦らないのはSの素晴らしい性格だ。
ポツリ、ポツリと乗客が増えていく。
後ろの席で、青年が堂々と車内で喫煙をしている。窓は全開ではあるが、匂いが徐々に車内に広がっていく。空港でエアポートシャトルのチケット売り場で働いていたおじちゃんも堂々と喫煙していたので、特に喫煙に対してルールはなさそうではある。
…なんてぼんやり思っていたら、前方に座っていたおじいちゃんが青年に声をかけ、青年は喫煙をやめた。何を話していたのかは不明だが、注意しているような声のトーンではなさそうだったので、単純にやめてほしいと頼んだのだろうか。
…と乗車してから40分は待っただろうか。席もほぼ満席になった頃、バスは発車した。
サルトに到着。サルトまでの道のりの記憶が一切ないので、恥ずかしながら爆睡していたのだと思われる。
サルトは3つの丘からなる街。急な斜面には黄色い石造りの建物が建ち並ぶ。たまたま我々が訪れているタイミングのせいなのか、サルトの街はとっても静かであった。旅行記やブログで写真を事前に見た時は、マーケットで人が賑わい、活気がありそうな街だなという印象を受けたのだが、マーケットを訪れてみるとそもそも空いている店がほぼ、無い。今日は何か休息日だったのだろうか。
そして、とにかくお腹がすいた。そろそろ15時近いのだが、お昼を食べていなかったのだ。チェックしていたレストランが坂の上に位置しているので、景色を楽しみながら坂を上がっていくことにする。
レストランに到着。大きな窓からサルトの街を見下ろせるという、素敵な景色を売りにしたレストランだった。観光客の我々にはぴったりである。サラダと、もう一品ヨルダンっぽいものと思わしきものを注文した。サラダはヨルダンスタイルのサラダだそうで、結果的に滞在中私はこのヨルダンのサラダをとても気に入った。トマト、イタリアンパセリが入っていて、レモン汁をかける。シャキシャキとした食感で歯ごたえがあり、個人的にとても好みのサラダだったのだ。このタイプのサラダはタッブーレというらしい。
もう一品は、ロンドンではだいぶ馴染みのあるファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)がミルクのようなスープに入っている料理。これもなかなか美味しかった。(でも調べても調べても、この料理名が分からない…。)
レストランで食事を終えて、登ってきた方向とは逆側の階段を降りて街の中心?へ戻る。階段の途中で、遊んでいる子どもたちとすれ違う。恐らく滅多にアジア人が来ないのだろう。じーーーーっと不思議そうに我々を見ていた。手をふると、振り返してくれた。
サルトにはキリスト教の教会があるので、訪れてみる。
我々が教会へ入るときに、丁度神父さんとシスターが教会から出てきた。国民の90%以上がイスラム教であるヨルダンで、ヨルダン人の神父さんやシスターに出会えるのはとても希有な出来事かもしれない。しかもこの教会、ムスリムも教会内でお祈りができるらしいのだ。イスラム教とキリスト教がまさに共存している様子を直に目にする事ができるのである。
さて、サルトはもうすべて見切ったということで、アンマンへ戻ることにする。到着時にバスを降りた場所に戻ってみると、来た時に乗っていたような大きめのサイズのバスは無く、小さいミニバンが停まっていた。
運転手か分からないが、バスの前で煙草をふかしていたおじいちゃんに、「アマーン(アンマン)?」とミニバンを指差しながら聞いてみる。
するとおじいちゃんは、「アマーン?フィニッシュ!」とびっくりしたように答えてきたのである。
フィ…ニッシュ…??
なんと、アンマン行きのバスはもう無いというのだ。
どうする…?どうなる!?
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