引き裂かれた女ー『ANTICHRIS♀』と『ノスタルジア』
課題ラース・フォン・トリアー『アンチクライスト』(2009年)は、エンドロール冒頭でアンドレイ・タルコフスキーに献辞を捧げている。その理由を自由に論じなさい。(宮台真司)
Chapter1:答え『アンチクライスト』(2009年)を女性蔑視と批判する声があるが、まったくの見当違いで、むしろ強烈な男性蔑視と言ってよい。ラース・フォン・トリアーは、そんな本作をアンドレイ・タルコフスキーに捧げた。トリアーは、タルコフスキーが表し続けた、「母」への畏敬を継承しつつ、タルコフスキーが果