チャンネル「春木晶子のムーセイオン」の終了に関する経緯および誤った情報の修正
お世話になっているみなさまへ、お知らせいたします。
2021年9月28日より、合同会社シラス(株式会社ゲンロンのグループ企業)が運営する放送プラットフォーム「シラス」にて、チャンネル「春木晶子のムーセイオン」を運営して参りましたが、この度、一年のテナント契約期間満了に伴い、本チャンネルが終了することとなりました。2022年9月27日24:00をもって、すべての動画が見られなくなります (*1)。
なお、わたしは終了に同意や承諾をしておりません。
「シラス」でチャンネルを開設・運営するために結ばれるテナント契約は、一年契約ではありますが、これまで契約が更新されなかったチャンネルはありません。一年で終了となるのは本チャンネルが初めてとなり、異例の措置と言えます。しかし、シラス社から終了の理由や経緯などは発表されていません。またわたしも、この件に関してこれまで一切言及してきませんでした。
チャンネル終了の理由を、わたしが理解したうえで、本チャンネルをご支援いただいたみなさまに説明したいと思い、理由を教えていただけるようシラス社にお願いを差し上げて参りました。シラス社からは、一応理由の説明がありましたが、その内容は、一方的な事実認識に基づいているものと考えざるを得ないものでした。わたしはその旨を指摘しておりましたが、平行線の議論となっています 。
加えて、6月半ばにシラス社の代表(当時)の東浩紀さんから、twitter投稿とシラスでの動画配信(いずれも現在非公開の状態です)で、本件に関する発信がありました。発信内容の趣旨は、次のとおりです。
春木晶子のシラスチャンネル運営に対し、ゲンロン代表の上田洋子から警告をした。女性を売っているように見られる配信は、シラスの運営方針に反するのでやめてほしい、と説明をした。ところが、春木はその翌日に「反論番組」を立て、シラスの運営方針に従わないことを宣言した。さらに春木はその配信で、東浩紀が「女性差別者」であると評判を立て、名誉毀損行為をした。春木は、「シラス・ゲンロンで女性差別が行われているのでわたしは活躍できない」と言った。こういうことをする春木とは長期的な付き合いは難しい。
ここには、真実でないことが多々含まれております。他方で、一連の発信は、シラス社の見解を示すものであるとされます(*2)。プラットフォームを運営する立場にあるシラス社から、実態とかけ離れた情報発信がなされたことにより、チャンネル登録者の方からは困惑する声やご心配いただく声をいただいておりました。またこのことにより、わたしの社会的評価は不当に貶められたと感じております。
テナント契約終了の判断もまた、誤った認識に基づいてなされたものだと思われました。そのため、まずは双方で協議をして事実確認をし、誤解があるなら解いたうえで、契約終了の判断が妥当なのかを吟味していただきたいと、シラス社にお願いして参りました。シラス社の認識のどこがどういうふうに、なぜ誤っているのかという説明に努めてもまいりました。しかし、協議は拒否され、事実確認も行われず、ご判断も変わらないとのことでした。そのような中でチャンネル終了が告知され、まもなく終了を迎えます。
そのため、不本意ではありますがわたしから、知り得る限りで、終了に至った経緯と理由をお伝えします。そのうえで、東さんから発信されたシラス社の見解が、誤った事実認識に基づくものであることをお伝えします。
なお、この文章を公開することに、東浩紀さん、シラス社及びゲンロン社を、攻撃したり貶める意図はございません。また、シラス社が一テナントに対し、契約期間を更新せずにチャンネルを終了することに、契約上の問題はありません。加えて、終了する理由を契約相手やシラスユーザーに説明する義務をシラス社は負っていません。チャンネル「春木晶子のムーセイオン」終了の理由が、春木晶子やシラスユーザーに行われていないからといって、シラス社が非難される筋合いはないということを、注記しておきます。
この文章の目的は、あくまでも現時点でのわたしの理解をみなさまにお伝えすること、あわせてわたしにまつわる誤った情報を修正し、名誉の回復をはかることにあります。また、この文章は、清水陽平弁護士にリーガルチェックを受けたうえで公開しています。
経緯
チャンネル終了にまつわると推察されるできごとを時系列で羅列して参ります。
2022年6月12日
23:00より「春木晶子のムーセイオン」で「紫陽花を味わう 蕪村・若冲・抱一・北斎」を配信しました。
講義終了後の雑談で、東浩紀さんの発言を話題にしました。東さんがシラスでの配信番組(*1)で、春木晶子が参加予定であった集まりを、春木が唯一の女性参加者であることをもって「春木を囲む会」と表現したことに基づき、東さんは男女の区別を重視しすぎる傾向があるのではないか、という指摘をしました。そのなかで、「女性を差別している」という言葉を使用しました。その発言の前後を抜粋します。
2022年6月13日
20:00前後から、番組「紫陽花を味わう」を問題化するものと思われる発信が、東浩紀さんのtwitterアカウントより連続して行われました。その内容は、事実誤認を含みます(詳細は後述します)。
2022年6月14日
20:00頃、6月16日に予定されていた呉座勇一さんのシラスチャンネル開設が見送りになったこと、その原因が呉座さんが番組「紫陽花を味わう」で春木に「同調する」コメント(*2)を寄せたことだと知りました。
22:14頃、株式会社ゲンロンオフィスにうかがい、上田洋子さん他スタッフの方に面会いただきました。その場で、メール「6月12日のシラス配信内容につきまして」を受信しました。
メールで次の説明を受けました。番組「紫陽花を味わう」は、「特定の個人を女性差別者であると断言し」「一個人の名誉を公然と傷つけ、社会的評価を低下させる不当な行為であったと考え」る。その上で、「本文書により、厳重に注意し」、「万が一、今後も同様の行いが繰り返される場合は、契約の解除と」する。メールの内容を踏まえて、口頭で説明がありました。
これに対し、そのように受け止められるとは思いもよらなかったと発言の意図を説明しましたが、聞き入れられませんでした。また契約に関して、1年の契約期間満了をもって終了とし、更新しないつもりである旨を伝えられました。それに対し、春木は契約更新を希望している旨を伝えました。またもしチャンネル終了になった場合、まずは春木からチャンネル登録者に説明したうえで、シラス社から告知する、という順にしてほしいと要望し、承諾を得ました。
2022年6月15日
早朝、番組「紫陽花を味わう」の公開を自らの判断で終了しました。シラス社がこの番組を公開することに懸念を抱いているということが明らかになったので、シラス社の意向を汲んで、そのように判断しました。
19:18 、シラス社よりメールで連絡があり、1年でのチャンネル終了が再度通知されました。加えて、チャンネル終了の発表時期は、「本日未明の辻田さんの放送、また今朝ほどの呉座さんのブログ更新等を受け、早々に発表をしたほうがよいと判断」(*3)され、翌々日の17日までに発表するとの旨を通告されました。これに対し、継続を希望する旨を伝えました。加えて、仮にそこで発表されるとしても、2日後の発表はあまりに急であり、チャンネル登録者に終了の旨を告知する術を持たないこと、前日の話し合いでまずはわたしからチャンネル登録者に説明したいとお願いし承諾されたがそれを覆すものであることを指摘しました。それに対して「弊方の意向については変わりありません」とのメールを受信しました(しかし結局17日に、終了の告知はありませんでした)。
2022年6月16日
1:45 、東浩紀さんがシラスで配信「東浩紀突発#56 無題」を行い、一連の経緯を説明されました。春木の言動の歪曲と見られる内容が多々ありました(詳細は後述します)。
2022年6月16日から数日間
東浩紀さんの動画配信を見て、疑問を感じた複数の方からご連絡をいただきました。あわせて、複数の方から、代理人を通してシラスに協議を申し入れることをすすめられました。
加えて、複数の弁護士に番組「紫陽花を味わう」を閲覧してもらい、春木の一連の発言が名誉毀損にあたらないことを確認しました。
弁護士を含む複数の方の意見を踏まえて、番組「紫陽花を味わう」が問題にあたるかどうかは、公衆がそれぞれ試聴して判断できる状態にするのがよい、との結論にいたりました。そこで、動画の再公開(一度公開を終了した動画はシラス社に再開を依頼しなければならない)をシラス社に要望しました。しかし、拒否されました。
2022年6月29日
シラス社に書面を送付(到着は30日)。契約終了の理由は春木の発言が名誉毀損にあたるためだとされているが、春木の発言は名誉毀損にはあたらない、東浩紀さんの気分を害するようなことがあったのなら謝罪する、という旨を説明しました。その上で、双方で協議し事実確認を行った上で、契約終了という判断が妥当かどうか検討してほしいと、お伝えしました。
2022年7月7日
書面にて回答を受け取る。契約更新しないと判断した理由は、「本サービス全体ではなく特定の個人に対する名誉毀損行為又は人格攻撃が繰り返されたこと及びシラスの運営方針に反する配信内容及び言動があり、これに対する視聴者及びシラス関係者からの複数の苦情が届いたこと」にあり、「春木氏が東氏を対象にしたことが問題であるわけではありませんし、ましてや東氏の感情を害したことを理由とするものでもありません」との説明を受けました。また、6月14日にすでに春木と対面で協議を行っており、これ以上協議を行うつもりはないとの回答を得ました。
同日、東浩紀さんがtwitterアカウントを削除しました。また、本件の経緯を東さんが説明した「東浩紀突発#56 無題」のアーカイブ公開期間が、6ヶ月間であったところが1ヶ月間(7月15日まで)と大幅に短縮されました。
2022年7月20日
7月25日をもって、合同会社シラスの当時代表の東浩紀さんが退任し、上田洋子さん・桂大介さんが共同代表に就任することが発表されました。あわせてシラス配信者宛に、テナント運営規約を変更し、7月25日より適用される旨が告知されました。「シラスの公共性」という条項が設けられ、番組に投稿されたコメント・レビューの著作権がユーザーおよびシラスに帰属することが明文化されました。
2022年7月25日
書面にて、7月7日に受領した回答に記載された理由に、事実誤認が含まれることを説明しました。
第一に、「本サービス全体ではなく特定の個人に対する名誉毀損行為又は人格攻撃が繰り返されたこと」について、春木の発言は名誉毀損にはあたらないこと、人格攻撃と見なしうる言動も見当たらないことを説明しました。
第二に、「シラスの運営方針に反する配信内容及び言動があり」について、そうした内容や言動はないことを説明し、「シラスの運営方針」とは何か、春木の配信のどの言動がそれに反すると考えるのか、質問しました。加えて、契約時からこれまでに、「シラスの運営方針」が示されたことがないことを指摘しました。
第三に、「これに対する視聴者及びシラス関係者からの複数の苦情が届いたこと」について、番組「紫陽花を味わう」に対する苦情だとすれば、東浩紀さんの一連のtwitter投稿がなければ、苦情が来ることはなかった可能性が高いと考え、「視聴者及びシラス関係者」とは誰を指すのか、そしていつ苦情が届いたのか(東浩紀さんのtwitter投稿より前か後か)を質問しました。
2022年7月27日
書面が送られてきましたが、「回答する法的義務はない」と、ほとんどの指摘や質問に無回答でした。
同日、「春木晶子のムーセイオン」のチャンネル終了が告知されました。
東浩紀さんから発信された誤った情報の訂正
Twitterでの発信
東浩紀さんのアカウントから、本件に関する一連の投稿がありました。前後の文脈をご確認いただけるように一覧にしております(資料1)。
一連の投稿で「春木晶子」の名前は明示されていませんが、多くのシラスユーザーには容易に推察できるものです。また他の方がわたしの名前を明示してリアクションしているものもあります。加えて、のちの動画配信で東さんの口から「春木さん」と名前が発されました。
一部の投稿では、「名誉毀損をした方」「僕への名誉毀損」とあり、春木晶子が「名誉毀損」をしたと断定されています。しかし、わたしの発言は、およそ「名誉毀損」にあたるものではないと、複数の弁護士から証言を得ています。
加えて、わたしが言っていないことを言ったとし、わたしがやっていないことをやったと指摘する内容もあります。具体的には、わたしが「女性差別だと発言を続ける」、「弊社の方針にはしたがいかねることを宣言」、「女性差別だと評判を立てる」と書かれていましたが、そのような言動はありません。
そもそもわたしの発言では、「女性を差別している」という表現自体は存在してますが、悪い意味で差別をしていると言いたいわけではないと直後に発言しています。差別という言葉には、他を不当に低く扱うという意味のみならず、違いに基づいて区別するという価値中立的な意味合いもあります(*1)。わたしが「悪い意味じゃなくて」と発言をしたのは、「差別」という言葉を価値中立的な意味合いで用いたことを指すものと分かります。東さんを差別主義者であると誹謗中傷するような意図はありません。春木が差別による窮状を訴えている、などと視聴者が誤解するような内容でもありません。
公衆がそれぞれ動画を視聴できる状況であれば、東さん(シラス社)の発信内容の是非を視聴者それぞれが検証することができます。わたしはそれを望んで動画の再公開を希望しましたが、シラス社は公開を拒否しました。動画が非公開の状態で、知名度・社会的地位で圧倒的な優位にある東さんのアカウントから、春木晶子が名誉毀損などの不法行為をしたと、一方的な認識に基づく情報発信が続けられました。これによりわたしの社会的評価は貶められ、名誉が損なわれたと感じています。
先述の通り、東さんのアカウントからの発信はシラス社の見解を示すものとされます。よって一連の発信は、運営会社が事実の確認を行わないまま、テナント契約者を一方的に糾弾し、社会的評価を不当に貶めたものと、認識しています。
動画配信での発言
6月16日に配信された動画配信〔シラス・ゲンロン完全中継チャンネル「東浩紀突発#56 無題」〕では、上記のTwitter投稿に関する経緯説明というかたちで、報告がなされました。その配信の中で、真実ではない内容と見られるものを、下記資料で一覧にしています(資料2) 。東さんは、おおむね次のような説明を行っています。
真実でない内容が多々含まれます。
第一に、確かに「前日」に、わたしは上田さんとお話しし、シラスの運営に関するご助言をいただきました。しかし、東さんがご説明されているその経緯および内容は、真実とは異なります。
まず、前日に上田さんにお話しいただくに至った経緯は、次のようなものです。
6月10日19:00から、わたしはゲンロンが主催するイベント「呉座勇一 × 辻田真佐憲 × 與那覇潤 開かれた歴史実証主義にむけて──日本史学のねじれを解体する2」、そしてイベント終了後のアフター(登壇者と参加者有志がイベント後に交流する時間)に参加していました。翌11 日の早朝4時頃、上田さんがそこへ加わりました。6時頃、上田さんが来場客の見送りを終えてゲンロンカフェ入り口でお一人になられたのを見かけたので、わたしから声をかけました。
そもそもわたしが話しかけていなければ、もしくは、イベントに参加していなければ、この会話自体がなされていません。ところが、東さんの説明では、ゲンロンの代表がわざわざシラスのテナント契約者を呼び出して、丁寧に説明した上で忠告・警告をしたと述べられています。さらには、その忠告・警告を、わたしのチャンネル契約終了に関わる重大なものと位置づけられています。
プライベートで参加した酒宴の席で、わたしからたまたま話しかけてはじまった朝方の立ち話を、あたかも正式な手続きを踏んだ注意勧告であるかのように表現されていることに、たいへん驚きました。会社が契約に関わる内容を指摘するのであれば、書面による、あるいは正式な面談等として伝えていただくというプロセスが必要不可欠なのではないでしょうか。
次にその会話の内容です。東さんによれば、上田さんはシラスの運営方針を説明したうえで、具体的な番組を明示するなどして、春木のチャンネルがそれに反する内容を含むと、忠告・警告なさったとのことです。わたしの認識とは大きく異なります。文脈を切り取ることや、揚げ足取りをする意図はございませんので、会話の内容を記載します(資料3)。
上田さんから、会社からの「警告」「忠告」であるとか、「方針に反している」という言葉はいっさいありませんでした。むしろ激励してもいただき、わたしはあくまでも、上田さん個人の印象や所感をお話しいただものと認識していました(わたしはこの認識を、「上田さんからご助言いただいた」と、翌12日の放送で述べてもいます。)。ですので、貴重なご意見であると真摯に受け止め、疑問や反論は申し伝えませんでした。
しかし、これが正式な忠告・警告ということであれば、話は違います。上田さんのご助言の内容が、事実誤認、あるいは、一方的な事実認識に基づくものだということを指摘しない訳にはいきません。
「少なくとも月2回は講義を行うべき」、アップルパイをつくる配信は「かわいい春木さんを見せたいのかと思ってしまう」「春木さんの本質ではない」「調子に乗っているように見える」、また、「春木さんの配信の視聴者はほとんど男性」、「呉座さんとの配信は強い」。具体的にはこれらの指摘が、シラスの運営方針のご説明であり、わたしのチャンネルがそれに反するというご指摘だということになります。また、東さんの言う、警告に際して明示された「具体的な番組」は、「突然の配信。アップルパイをつくりながら。」(2021/12/09配信)と、「ゲスト:呉座勇一&松平莉奈+春木有亮:殿と世間と男と女」(2022/4/30配信)の二つだということになります。
まず、「少なくとも月2回は講義を行うべき」は、事実誤認に基づく指摘です。わたしのチャンネルでは、毎週土曜日を講義回、そのうち1回をゲスト回にしておりますので、月に3回から5回は講義を行なっています。また、「かわいい春木さんを見せたいのかと思ってしまう」「春木さんの本質ではない」「調子に乗っているように見える」といった指摘は、あわせて明確な基準や根拠を示さない限り、偏見に基づく決めつけであると言わざるを得ません。「春木さんの配信の視聴者はほとんど男性」は、データがあるのであれば示していただいたうえで、ほかのチャンネルと比較したうえで、どういう男女比なら妥当なのかを教えていただきたいです。「呉座さんとの配信は強い」という指摘に関しては、その意味自体がいまもなお分かっていません。
上記の指摘は、あくまで上田さん個人の印象や所感であるというなら容認できても、契約終了の判断材料となったのであれば、見すごすことはできません。仮に上記のようなことを問題化して指摘したいのであれば、それに対するわたし(テナント契約者)の反論の機会を十分に確保することが、適正手続の観点から必要だと思います。指摘の内容も十分吟味し、事実に基づいて、憶測を排除した形で行われるべきですが、それがなされた形跡はないと言わざるを得ません。
第二に、「それにも関わらず翌日に春木は「反論番組」をたて、会社の方針に従わないと宣言をした」ということに関しては、上田さんから「シラスの方針」が示されたという認識がありませんので、「反論番組」を立てるという発想は持ち得ません。むしろ12日の番組では、上田さん個人から「ご助言」をいただいたという旨を、はっきり述べてもいます。加えて、同番組は「紫陽花を味わう」というタイトルで日本美術を鑑賞する講義番組であり、「反論番組」ではありません。
チャンネル開設時のシラス社とのやりとり、契約書、開設後のシラス社からのメールや事務連絡用のslackほかで、「シラスの方針」が示されたことは一切ありません。そもそも知り得ない「方針」に対し、「反論」する「従わないと宣言する」といった行為は成り立ちません。加えてこれまで、規約や、随時ご連絡いただいた注意事項等は順守して参りました。それらに対して反抗の意志は一切ありません。
ただし、6月12日の配信「紫陽花を味わう」のなかでは、わたしが自らの言動に対して、「叛逆を企てる春木」と冗談めかして言う箇所があるので、それをシラス社の方針への叛逆ととられたのかもしれません。しかし、それはわたしの意図とは異なります。
この場合の「叛逆」は、影響力の大きい東さんの発言に対して、シラスの配信者も視聴者もうなずいてばかりだが、東さんがまちがっているときはまちがっていると言うべきだという、意志の表明です。発言の前後でそう説明しています。また、その意志はいまも変わりません。批評精神をもつならば当然のことです。
もし、この「叛逆」という言葉に基づいて、シラス社の方針に従わないという宣言と取られたのならば、それは誤解です。「叛逆」という言葉が切り取られ、東さんの具体的な発言に対する意見表明であったものが、プラットフォームの運営方針に従わないという宣言へと、すり替えられていると感じています。文脈を捻じ曲げられ、シラス社にとって都合のよいストーリーが捏造されたと認識しています。
最後に、東さんによれば、「ゲンロン・シラスで女性差別が行われていて、わたしは活躍の機会が奪われている」と、わたしは発言したそうです。事実無根です。わたしはそのようなことを発言するどころか、発想したこともありません。
わたしは、「ゲンロン・シラス」にかぎらず、女性差別によって活躍の機会を奪われたという覚えが、生涯でありません。ゲンロン社にはむしろこれまで、さまざまな活動の機会を与えていただきました。ゲンロン社が発行する雑誌『ゲンロンβ』他に原稿を掲載いただき、ゲンロンカフェでのイベントの聞き手役に起用していただいたのち、たびたび登壇の機会をきただき、わたしが希望した企画でイベントを開催してもいただきました。そのうえで、シラスでもチャンネルを持たせていただきました。活躍の機会を奪われたという発想が出てきようがありません。
また仮に、だれかがわたしを不当に扱ったとしても、よほど明確な根拠がない限り、それが(悪い意味での)「女性差別」によるものだと言わない、あるいはそう考えないようにしようと、わたしは決めております。わたしの理念に反する発言を、わたしがしたとされ、一定の視聴者に真実であるかのように共有されている状況は、わたしの矜持を挫くものであり、遺憾です。
結果として、「会社が正式な手続きを踏み丁寧に警告を行ったにも関わらず、聞き分けのない配信者が傍若無人な振る舞いをしている」というストーリーが流布されている状況です。そのようにしてわたしは、シラスのテナントにふさわしくない、排除されて当然の配信者であると位置付けられたものと認識しています。
東さんのパフォーマンスは、視聴者にそう信じ込ませる力を持っています(そうしたパフォーマンス力は、東さんの魅力でもあります)。その動画配信のコメント欄には、わたしへの辛辣な言葉が並び、わたしの社会的評価や名誉が損なわれたのは明白です。なお、この動画内で東さんははっきりと、「春木さん」と、わたしの名前を口にしています。
付記
本件と関係があるかはわかりませんが、シラス社及びゲンロン社のふるまいで疑問に思うことがありましたので、記載します。
6月17日を最後に、twitterでの「春木晶子のムーセイオン」の「#シラス」をつけた配信告知投稿が、シラス公式アカウントから一切リツイートされなくなりました。8月26日にこのことを指摘したところ再開されました。
6月18日に、『ゲンロンβ』に掲載予定だった春木の原稿掲載が、社内の会議の結果、見送りになったと通知されました。理由を問い合わせましたが、未だお返事をいただいておりません。
8月31日をもって、わたしが所属していたゲンロン批評再生塾のウェブサイト(塾生の批評文などを公開していたサイト、1-4期まで実施され、春木は2018-2019年に参加した4期生)が閉鎖されました。
わたしが登壇したゲンロンカフェイベントのYoutubeでの紹介動画(下記)がすべて非公開になりました。
三英傑、ここに集う──辻田真佐憲×箱崎みどり×春木晶子「江戸の見立て文化と政治性──アイヌ、三国志、プロパガンダ」イベントレポートhttps://www.genron-alpha.com/article20211015_01/
近代を裏返すための街歩き〜吉見俊哉 聞き手=春木晶子「東京の未来は「北」にある?!――『東京裏返し』で読むポスト五輪の新首都像」イベントレポート https://www.genron-alpha.com/article20210203_01/
北海道を知れば、日本が見えてくる!? 「さやわか×武富健治×春木晶子 北海道を衝け――番外地はいつミルクランドになったのか」イベントレポート https://www.genron-alpha.com/article20210423_01/
おわりのごあいさつー「女性を売りにしているように見られる」という評価に対する反論ー
チャンネル概要(資料4)で述べるように、表現にまつわる諸問題を思考し、忖度なしに語り合うことを志し、チャンネルを運営して参りました。ご支援いただいたみなさまのおかげで一年間取り組み、独自のチャンネルを築いてきたという自負があります(資料4)。そのことを評価していただくお声もいただいており、嬉しく思ってります。
しかし、運営会社であるシラスからは、わたしのチャンネルは「女性を売りにしているように見られる」と評価され、かつ、その評価が契約終了の判断の前提にあると発信されています。ここに遺憾の意を表し、反論するとともに、そうした決めつけや指摘をする側に問題がないかを問いたいと思います。
わたしは、自身のチャンネルで、性や差別の問題に一貫して取り組んできました。わかりやすい例を挙げれば、『愛と差別と友情とLGBTQ+: 言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』の著者である北丸雄二さんや、ドラァグクイーンでもある芸術家のヴィヴィアン佐藤さんをお招きし、お考えや活動をうかがい、ジェンダーカテゴリーの問題を議論しました。
美学者の春木有亮さんと、春木さんの専門である「かっこいい」「かわいい」という感性や、『現代思想 2021年11月号 特集=ルッキズムを考える』をめぐって議論したこと、日本史研究者の呉座勇一さんと画家の松平莉奈さん、作家・評論家の古谷経衡さんと「夫婦」というテーマでお話ししたことも、既存のメディアでは難しい話題を取り上げた濃密な内容となり、有意義であったと考えています。
東さんがおっしゃる「女性を売りにしているように見える」配信が具体的にどれを指すのか不明ですが、具体的な番組を上田さんから春木に指摘したとおっしゃっています。他方で上田さんからは、「突然の配信。アップルパイをつくりながら。」(2021/12/09配信)に対して、「かわいい春木さんを見せたいのかと思ってしまう」とご指摘を受けております。よって、少なくともその配信が「女性を売りにしているように見える」と、シラス社で判断されたのだと推測されます。
いま思えば、上田さんからは3月にお会いした時も、その配信について、「女子力の高さに驚く」とにこやかに言及されたことがありましたが、シラスの方針に沿わないという指摘だとは思えませんでした。もし、シラスの方針に沿わないといいうことでしたら、なぜその時には注意がなかったのでしょうか。
また、そもそもわたしは、なぜ「アップルパイをつくる」ことが「かわいさ」や「女子力」ひいては「女性を売りにしているように見える」のか、その発想自体が理解できません。そうした指摘がまかり通るならば、男性が酒を飲む配信や戦争を語る配信もまた、「男性を売りにしているように見える」という指摘もまかり通ることになります。
また、「突然の配信。アップルパイをつくりながら。」(2021/12/09配信)は、「オランダでの2週間の博物館研修」 (2021/11/6配信)で、脱植民地化"decolonization"をはじめとする博物館の先進的な取り組みに関する研修の報告をした際に、滞在中に触れて感銘を受けた当地の食文化ということで話題に及んだことから、せっかくだからつくるところを動画にしようという流れになったものです。
さらに、その配信は、「家事とシラスの両立を図る」シリーズと題して企画したもののひとつでもあります。ほかには、「トリッペンを磨きながら」「ボタンつけをしながら」「ボンドパックに失敗したレコードの救済を図りながら」などがあります。多くの配信者がお酒を飲みながらする雑談を、家事をしながらの雑談に変えたものにすぎません。いかにして日常生活のなかに負担のないかたちで配信時間を確保していくかという試みです。なかなかよいアイディアだと思っており、磨いている靴のメーカーに勤務している人や接着剤に関連する仕事をしている人など、視聴者との思いがけない接点が発見され毎度盛り上がりを見せる好評の企画でした。
自分の専門領域である日本美術史という学問分野を、あまり知らない人、興味がない人に向けて発信できることこそが、シラスでのチャンネル開設の目的のひとつでした。ある番組から未知の分野のおもしろさに触れ、その輪に加わるうちに、いつの間にか知識や学びを得ているという状況こそが、シラスの醍醐味です。講義回の合間に、講義の内容とは少し離れてさまざまな企画に取り組むのは、シラスのメリットを最大限に活用しより豊かなチャンネル運営を、ひいては、シラスそのものの発展を目指してのことであり、問題視されるいわれはないと考えます。
わたしのチャンネルで取り組んだ内容はいずれも、豊かなチャンネルを育むために不可欠なものだったと考えています。いまもなお、あのアップルパイをつくりながらの配信が悪いなどとはみじんも思えず、終了のきっかけの一つであることに納得がいきません。憤慨しているというより、首をかしげている状態です。
総じて、わたしのチャンネルが「女性を売りにしているように見られる」という批判や感想をわたしにぶつけてくださるのは、なんらかまいません。しかし、妥当な手続きなくそうだと決めつけ、番組終了の理由の一つにしていることは、問題です。
百歩譲ってわたしが「女性を売りにしているように見える」配信者であったとして、そのようにわたしを位置づけてきたのは、果たしてわたしなのでしょうか。確かにわたしは、わたしに対する東さんや上田さんの発言、「オタサーの姫」(*1)、ムーセイオンは「春木さんがミューズになる」(*2)「春木さんがミューズになって」(*3)、「シラサーの姫」、「囲む会」(すべて公開された番組内でのご発言です)などを、問題視することはありませんでした。
問題視することを問題視するからです。つまり、コンプライアンスやハラスメントを過度に重視するあまり、コミュニケイションがぎくしゃくすることのほうが、損失だと考えるためです。しかし、そうしたコミュニケイションやレッテル貼りを許容していた結果、逆に、突如わたしが「女性を売りにしている」と非難されることになってしまいました。
例えば「シラサーの姫」という言葉は、東さんによれば会社内で「自然発生的」に生まれた言葉だといいます。そのうえで、ゲンロン総会でお会いしたおりに、「お前今社内で、姫って呼ばれてんだぞ、大丈夫?」と、東さんはわたしにおっしゃったそうです(*4)。社内でわたしが「姫」と称されていることを問題視するのならば、東さんがたしなめるべき相手はわたしではなく、わたしを「姫」と揶揄するような社内の雰囲気ではないでしょうか。
シラス社自身がおりにふれわたしに女性らしさを際立たせるレッテルを貼っておきながら、最終的にわたしのことを「女性を売りにしている」と問題化するというプロセスは、どこかひとり相撲のように見えます。わたしが「姫」と評判を立てられた時には、そうした評判を立てさせたわたしが悪いとし、東さんが女性差別という評判を立てられた(誤解ではありますが)時には、そうした評判を立てたわたしが悪いとする。いずれにの場合もわたしが悪者になるのは、フェアではないと感じています。
「女性配信者のパイオニアになっていただきたい」と東さんはおっしゃいました。加えて、上田洋子さんによれば、「女性の活躍については、わたしに一定の考えがあり、それが会社の方針になっています」とのことです(*5)。また、男性ゲストばかりだから女性も呼ぶべきだというご助言をシラススタッフからいただいこともありました。総じて、人の性別に、シラス社及びゲンロン社は妙にこだわっているような印象を受けております。
わたしは「女性配信者」や「女性研究者」である前に、性別に関係なく、多様な在り方ができることこそを第一に優先したいと考えています。わたしが次の瞬間には女性でなくなることは容易にあると想定しながら生きています。もちろんそれは、「女性」というアイデンティティにこだわる配信者の活躍を願わないということではありません。ただ、ある人を女性である、男性であるとみなすことは、それ自体がすでに暴力を含みえます。よって、女性ゲストを増やすためにこの人をゲストに呼びましたなどということは、おいそれとはできません。
特定の配信者に「女性の配信者」というカテゴリーをあてがうことが許される条件とはなんなのか。シラス社が想定している「女性配信者」という枠組み、「女性の活躍」といったときに想定されている理想の「女性」という枠組みが、どのようなものか。吟味していただきたいと思います(むろん「女性」以外に関しても同様です)。
上記のようなわたしの考えをシラス社にお伝えすることも含め、事情聴取や反論の機会をつくっていただくことさえかないませんでした。わたしはいまもなお、双方それぞれが、こういうことを言いたかったんです、と話し合って、誤解を解けばすむ話だと考えています。なぜいま、対話や協議を拒否されるのでしょうか。なぜ、終了の判断に至る以前に、シラス社とわたしとの間にコミュニケイションの齟齬があったことを認めていただけないのでしょうか。
東さんは、シラスは学校ではない、運営者とテナント契約者は対等なビジネスパートナーだ、とおっしゃいます。しかし、だとしたら契約者であるわたしのことを「お前」と呼んだり(繰り返しますが、そのこと自体を問題視しているわけではありません、親しみを込めてくださっているものと受け止めておりました)、契約者に反論の余地を与えず契約終了にするのはなぜでしょうか。そのテナント契約者を目下に見ているからこそできることで、いかにも教育的で、学校らしいふるまいに見えます。
逆に言えば、ゲンロン社やシラス社、東さんが、学校らしいふるまいをしてくださったおかげで、わたしには活躍の機会が与えられたのだと考えております。そのことを感謝する気持ちに、変わりはございません。
まもなくわたしのチャンネルは閉鎖されます。一年間、ここでしかできない活動を存分に展開できました。このような場を構築してくださり、機会を提供してくださったシラス・ゲンロンには感謝がつきません。そもそもそれは4年前にゲンロンの開講するスクールに参加したことからはじまっています。
シラス・ゲンロン社のみなさま、とりわけ創業者であり、たびたび貴重な機会をつくってくださった東浩紀さんに、改めて感謝申し上げます。東さんからいただいたものは、批評にかかわる刺激と指導であることは言うまでもありませんが、東さんを介してしか出会うことのできなかった多くの方との出会いこそが、なによりかけがえのないものです。ありがとうございます。
チャンネルをご支援いただいたみなさまとの出会いは、その最たるものです。しばしば長時間にわたる配信に、めげずにお付き合いいただきました。コメント欄はいつも、学びの宝庫でした。結果として一年という短い期間になってしまい、未熟者の成長を期待していただいていた方々には、ご期待に沿えず、申し訳なくぞんじます。
一年間のチャンネル運営を通してお世話になったすべてのみなさまに、お礼を申し上げます。ありがとうございます。
資料1
資料2
資料3
資料4
■「春木晶子のムーセイオン」チャンネル概要
ミュージアムの語源、学問・芸術の女神ムーサたちの神殿を意味する古代ギリシャの「ムーセイオン」は、学問・芸術を愛する者たちの交遊の場でした。
「ムーセイオン」の本義に立ち返り、ともに作品を愛で、批評し、表現にまつわる諸問題を思考するチャンネルです。
古今東西のあらゆる創作物、博物館・美術館、学芸員、展覧会、ギャラリー、美術批評、表現規制、コンプライアンス、ジェンダー、ハラスメントなどを、忖度なしに語り合うことを志します。
■配信番組一覧
〇春木晶子講義回
・江戸絵画 「奇想」の知層ー曽我蕭白篇ー(2021/10/9)
・学芸員てなに?どうやってなるの?就職・転職 雇用の模様(2021/10/14)
・吉見俊哉『東京裏返し』の街歩きから考えた、江戸東京の鬼門今昔(2021/10/21)
・曽我蕭白 奇想の知層に潜る(2021/10/23)
・オランダでの2週間の博物館研修 (2021/11/6)
・陸前高田での文化財レスキュー(2021/11/14)
・チームラボから考える日本絵画の時空間(2021/11/20)
・行ったミュージアムリスト350で日本縦断(2021/12/4)
・日本のトラ1300年史(2021/12/12)
・やっぱり琳派(りんぱ)(2021/12/25)
・富嶽三十六景と江戸の富士山ブーム(2022/1/8)
・浮世絵とは何か(2022/1/16)
・江戸東京博物館パノラマビューで解説ツアー(2022/2/6)
・北のセーフイメージ 疱瘡絵とアイヌ絵の交差(2022/2/12)
・江戸時代千島列島をめぐるロシアと日本そしてアイヌーウルップ島にラッコを求めてー(2022/3/20)
・年度末でくたくたなので、日本美術の名品を鑑賞して回復しながら新年度を迎える配信(2022/3/31)
・驚嘆せよ 室町水墨画 ー東山御物に雪舟、そして狩野派誕生までー(2022/4/10)
・歌川国芳・月岡芳年と幕末の浮世絵師たちー意表を突くとはこういうことさー(2022/4/16)
・悶絶せよ。室町桃山江戸の焼きもの。途中から辻田さんと電話。(2022/5/7)
・サハリン/樺太をめぐるロシアと日本そしてアイヌ(2022/5/14)
・絵で辿る「義経蝦夷渡伝説」(2022/5/22)
・縄文ブームを考える(2022/6/5)
・紫陽花を味わう 蕪村・若冲・抱一・北斎(2022/6/12)
・アイヌの歴史(2022/6/26)
・人のかたち通史vol.1 縄文土器土偶(2022/7/2)
・曾我蕭白《群仙図屏風》に潜む七夕(2022/7/9)
・江戸の祈りの無節操ー「ハイパー江戸博」に江戸の新興宗教を見るー(2022/8/6)
・人のかたち通史 相撲篇(2022/8/13)
・アイヌ絵の世界ー異民族の表象史ー(2022/9/4)
・若冲って何?【9月13日の予習回】(2022/9/10)
・蠣崎波響《夷酋列像》 ––奇想のアイヌ絵神話解体(2022/9/17)
〇春木有亮講義回(月イチ春木二フォーエバー)
・「ルッキズムを考える」を考える(2021/11/27)
・「カワイイは、つくれる」か。(2021/12/31)
・【続き】「カワイイは、つくれる」か。新年初延長失敗(すみません)(2022/1/1)
・カッコイイとは、どういうことか。(2022/1/30)
・「いかす」の美学ー銀幕に揺れることばと、異化した世界ー(2022/3/26)
・「かわいい奥さん」の登場ー「かわいい」流行前夜ー(2022/4/23)
・エチエンヌ・スーリオの美学(前編)なぜエチエンヌ・スーリオは生を問い芸術で答えたのか(2022/5/28)
・エチエンヌ・スーリオの美学(後編)ノスタルジーのコスモロジー(2022/6/18)
・ダヴィッド・ラプジャード『ちいさな生存の美学』評/反芸術的な美学のために(2022/7/16)
・青い鳥のゆくえのゆくえ(2022/8/20)
・ギターはいつ赤くなったのか(2022/9/23)
〇ゲスト回
・春木有亮:わたしに北海道を愛していると言わせてくれ(2022/10/31)
・武富健治(ZOOM):緊急突然配信 『古代戦士ハニワット』 連載続行決定(2022/11/3)
・伏見瞬 +春木有亮、荘子it(ビデオ通話):スピッツ論・LOCUST北海道特集刊行記念、失われた批評再生塾を求めて(2022/12/19)
・北丸雄二:日本で日本語で親切に闘うことはできるか 『愛と差別と友情とLGBTQ+』紀伊國屋じんぶん大賞2022第2位受賞記念(2022/1/22)
・ダースレイダー:BringTheBeat!『武器としてのヒップホップ』刊行記念&もうすぐ5years &復活祝い(2022/2/20)
・荘子it:荘子itに超嫉妬(2022/2/26)
・宮台真司:宮台真司はなぜ語り続けるのか(2022/3/13)
・竹内真彦:それでも大学をあきらめきれない(2022/3/24)
・古谷経衡(ZOOM→電話):古谷さんに招かれて(2022/4/15)
・呉座勇一&松平莉奈+春木有亮:殿と世間と男と女(2022/4/30)
・エル上田:傷つけない芸に価値はあるか(2022/5/29)
・古谷経衡(ZOOM):酔っ払いに口説かれたらどうするか(2022/6/7)
・ダースレイダー:『ゴールデンカムイ』を語る*Youtube出演(2022/6/21)
・ヴィヴィアン佐藤:頭上建築で「らしさ」を超える(2022/7/22)
・箱崎みどり:古典が現代のエンターテイメントになるとき(2022/8/26)
・佐藤康宏:模倣と創造ー若冲から考えるー(2022/9/13)
〇突然の配信、他
・江戸とエロース(2021/10/2)
・突然の配信(2021/10/7)
・突然の配信。トリッペンを磨きながら。(2021/10/21)
・突然の配信。読んだよい本(木下直之『せいきの大問題』)とか見たよい絵(会田誠《紐育空爆之図(戦争画RETURNS)》)のこと(2021/10/29)
・お寄せいただいたご質問へのお返事(2022/11/1)
・突然の配信。江戸時代に日本の輪郭と原初をもとめ出した話。
(2021/11/11)
・突然の配信。「チームラボリコネクト」、辻惟雄編『「かざり」の日本文化』、山崎正和『装飾とデザイン』など。(2021/11/18)
・突然の配信。模写問題と呉座問題。失われた「守ったるけぇのお」を求めて。(2021/11/25)
・突然の配信。どつきあうこと、1972札幌五輪の啓蒙とイメージ操作、都合よくまなざされたアイヌの身体(2021/11/30)
・突然の配信。アップルパイをつくりながら。(2021/12/09)
・突然の配信。吉良と北斎。(2021/12/17)
・突然の配信。ボタンつけをしながら。「ドント・ルック・アップ」「浅草キッド」(2022/1/10)
・突然の配信。最近の博物館仕事/気になる展覧会/ミュージアムとオンライン/濱口竜介監督作品/「今そこにある未来」(2022/1/13)
・突然の配信。北丸さんゲスト回を宣伝する(2022/1/20)
・突然の配信。ボンドパックに失敗したレコードの救済を図りながら(2022/1/27)
・突然の配信。愚痴から始まるティラミスづくり、もしくはひたすら混ぜてたてる配信(2022/2/13)
・3つのドライブ・マイ・カー/ビートルズ、村上春樹、濱口竜介/高揚、諦念、希望/男女逆転/a star on the screen(2022/2/16)
・突然の配信。北斎は日本文化か/火事と悲恋と鬼門と女。(2022/2/26)
・突然の配信。未完成の新居から(2022/3/11)
・突然の配信。荷解きでへとへとで行けてないけど展覧会をおすすめする配信(2022/3/12)
・突然の配信。にんじんスープをつくりながら(2022/3/19)
・突然の配信。「竹内真彦の三国志ラビリンス」に同時配信できるか実験しつつ24日のタイトルを決める(2022/3/21)
・【半年記念】全配信振り返り。シラスの奇跡を数えていたらシラス回遊中のygoza登場。(2022/4/2)
・突然の配信。シラスが結ぶ奇縁の怪。 4月が思いがけず室町月間となった話。(2022/4/7)
・無ですらないテスト配信(2022/4/10)
・突然の配信。古谷さんに電話する(2022/4/13)
・突然の配信。山下裕二回とハイパー江戸博を宣伝する。(2022/4/26)
・突然の配信。裕二の次は勇一です。(2022/4/28)
・突然の配信。4月を振り返る。(2022/5/3)
・突然の配信。ゴールデンカムイを読んだので。(2022/5/12)
・しまった。延長失敗で立ち上げてTopoさんZOOMに参戦。(2022/5/15)
・ホモソ過剰適応問題。飲み会とコミュニティとネタベタと。(2022/5/19)
・突然の配信。これからのムーセイオンと、これからの人生と、最近知ったMMDの話。(2022/5/31)
・突然の配信。「縄文」と「アイヌ」がセットで語られるのはなぜか。(2022/6/2)
・突然の配信。ゲンロン総会が爽快だった報告。(2022/6/5)
・突然の配信。本日Android版リリース。「ハイパー江戸博」を再び宣伝する。(2022/6/30)
・突然の配信。深夜の靴磨き。古来の七夕行事や伝説に思いを馳せつつ。(2022/7/6)
■追記(2022/10/26)
*この文章の投稿日が9/8になっていますが、この文章を公開したのは2022/9/27です。
*2022/9/30のシラスの配信(【チャンネル会員限定】Twitterから消えたばかりか、ついにマスコミからも見放され国葬当日も会場周辺をひとり孤独に彷徨い歩くだけだった東浩紀が、最後の砦のゲンロンを守るべく友の会入会を誘う、毎会期末恒例の長時間無料番組。今日で12期は終わりだぞ!(辻田真佐憲さんも駆けつけてくれたよ)内で、東浩紀さんから、本件に関して弁護士を通して回答しているとの発言がありましたが、それは上述した2022年7月27日の回答を指すものでしょう。繰り返しますが、書面は送られてきましたが、「回答する法的義務はない」と、ほとんどの指摘や質問に無回答でした。そのためにこの文章を公開することになりました。
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