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アスレティックトレーナーのオフシーズンの過ごし方

こんにちは、今日もこの記事を開いていただきありがとうございます。

シーズンが終わり、比較的ゆったりとした日々を過ごしています。今日は、アスレティックトレーナー(AT)の私がオフシーズンをどのように過ごしているかを紹介したいと思います。

大学ATの年間スケジュール

まずは、私たち大学で働くATがいつオフシーズンでいつ働いているかについて。大学の規模や担当しているスポーツによっても異なりますが基本的に大学が長期休暇に入っている夏休み(5月から8月まで)、冬休み(12月から2月まで)に休暇を取ることが多いです。野球とフットボールを担当している私は5月末のメモリアルデー前後に野球のシーズンが終わり、そこから8月のフットボールのシーズン前のキャンプが始まるまでは比較的ゆっくりしたスケジュールになります。

また、フットボールのシーズンが終わる11月後半のサンクスギビングデー明けから1月前半に野球の練習が始まるまでも少し時間に余裕ができこの期間に日本に一時帰国することもできます。もちろん冬スポーツであるバスケットボールなどを担当するとクリスマスも仕事で夏も6、7月は練習だったりとスケジュールはガラリと変わってきます。

オフシーズンの仕事内容

オフシーズンと言っても私たちATの仕事が全くなくなるわけではなく、シーズン終了直後から次シーズン開始直前まで何かとやることが出てくるのでそれらをこなしながら、空いた時間で休暇を取るようにしています。ここでは私が主にしているオフシーズンの仕事をいくつかご紹介しようと思います。

シーズン後のメディカルチェック、プランの作成

大学スポーツでは毎シーズンが終わるたびに最上級生たちは卒業し、他の選手たちは来年に向けてのトレーニングを開始するわけですが、その前にシーズン中に発生した怪我で休暇中も医師の診断やリハビリの必要があるかをどうかを選手やコーチたちと確認する必要があります。
シーズン後すぐに地元に帰る選手も多いので最後に試合が終わった直後から、もしくはその前から医師とのアポイントメントやリハビリの計画を練っておく必要があります。これをしないと休暇後に学校に戻ってきた時に初めて前シーズンからの怪我が発覚し、なおかつそれがまだ完治してないとなると選手のトレーニング計画や練習に大きな影響が及ぶ危険があります。

シーズン直後から先のことを考えるのは気持ちの切り替えが難しい場面でもありますが、選手の健康を維持するには非常に大事な作業の一つです。


年間の疫学統計の整理

これはすべてのATがやっていることではありませんが、個人的にオフシーズンの大きな仕事の一つであり、楽しみな作業の一つであります。
シーズン通してチームでどういった種類の怪我が発生したのか、前年と比べて怪我の発生件数、発生時期に違いは出たのか。また、それの原因は何か。特に担当している野球では怪我のリスクを軽減することが大きな仕事の一つなのでこうしてデータを見比べ、コーチ陣と意見を交換して次のシーズンでさらに怪我のリスクを減らすために何ができるのかを考えていきます。
現在この作業を進めている途中で、シーズン中の自分の主観的な感覚が客観的にデータをみると違うことに気づきそれが面白さでもあります。

インターン学生の指導・選考

同じ大学のキネシオロジー学部からくるインターンや、周辺の大学のATプログラムからくるAT学生を指導するのが私の担当です。夏は比較的仕事量も減るのでそのぶん学生と一対一で話したり怪我の評価やリハビリの流れについて細かく教えることができます。来学期にくるインターンとはメールや電話でインタビューをし、インターン中のスケジュールを話し合ったり学校から要求される書類を作成したりします。ATプログラムの中には細かく先学期の学生の評価や指導教官がさらに充実した指導をできるようにトレーニングを提供してくれるところもあります。

学生の指導は私がAT一年目から担当していることで、この仕事の中でとてもやりがいのある分野でもあります。徐々に学生にもいい経験を提供できることが多くなりました。たまに日本時代の根性論で厳しくしすぎてしまうこともありますが、、それも指導者の役目なのかなとも思い、良いバランスを探しながら指導にあたっています。

次シーズンの備品のチェック、発注

主に秋に担当しているフットボールチームでは100人を超えるアスリートが使う予防のための足首、膝のブレース類を管理するのが私の役目です。前シーズンからの在庫のチェックから始まり、卒業や転入、入学する選手の人数の兼ね合いでどのサイズが幾つ必要なのかを確認し、秋のシーズン前のトレーニングキャンプが始まる前に届くように発注します。先手を打つ準備とヘッドATへの細かな報告と打ち合わせが成功のカギです。

言ってしまえば”雑用”であり、誰もがやりたがる仕事ではないと思います。個人的にそういう仕事をやるのは嫌いじゃないので頼まれると特に不満もなくやってしまいます。
ATの仕事は表に出る試合での仕事やリハビリで直接患者を助けることだけではないと思いますのでこのような仕事も確実にこなせるのはプロとして必要な能力だとも考えています。


継続教育

オフ期間はシーズン中には取り組めない自分自身への継続教育に時間を使える大事な期間でもあります。アスレティックトレーナーは一定期間内にこの継続教育の単位を管轄するBoard of Certification (BOC)に報告する義務があります。継続教育は私のATとしての最も好きな部分の一つです。一生をかけて常に学び続けるのがプロとしての役目なのかなと思うのでこの先キャリアを積んでいった先も学びは深めていきたいですね。

この一環として先週はカリフォルニア州でDNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization®)というコンセプトに関するコースを受けてきました。コースに関する内容は別のnoteでまとめられたらと思っています。
コースを受けるために違う都市に旅行し、違った背景を持つプロフェッショナルの方達と知り合うのも醍醐味の一つでもあります。

まとめ

私が主にオフシーズンに行う業務の一部をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?この他にも細かい業務はあったり、新しいシーズンが近くなってくるとシーズン前の身体検査の準備が入ってきます。様々な準備を時間に余裕のある今完了させておくと新しいシーズンにも混乱なく入っていくことができるのかなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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