2020.1.17 アイドルについて
最近、Twiceを聞きまくっています。推しはDahyun、Chaeyoung、時々Momoです。Jeongyeonもすごくいいです。
Twiceを好きになったきっかけは「MORE & MORE」のMVでした。振り付けや構成が面白く、シンクロ度が高すぎる。ライブパフォーマンスのクオリティもMVに全く劣らず、堂々としていてとても素晴らしいです。
そもそもK-POPに目覚めたのはBTSの「MIC Drop」あたりからで、割と最近です。BTSを好きになる前は、韓国のグループに対してなぜかいい印象を持っていませんでした。覆してくれた彼らに感謝しています。
最近感じているTwiceの最もいいポイントは、個性がバラバラでみんな違う方向にずば抜けているということです。それでいてダンスがあれほど揃う。血のにじむ練習量が目に浮かぶし、その自信が表情に現れていてすごくかっこいい。
特筆すべきなのはやはり「Feel Special」でしょう。この曲のことを思うだけで鳥肌が立ち、いつどこにいても前向きに生きる力が湧いてきます。この曲の何が素晴らしいって、タイトルの「Feel Special」、つまり「特別」。
You make me feel special.
日本語にするのが少し難しいですが、「あなたがいてこそ」あたりでしょうか。
僕の解釈ですが、アイドルとはまさに、この一言なのだと思います。「You make me feel special.」
この曲は、当時、Twiceメンバーが酷い中傷に晒された時期と重なっているとのことから、プロデューサーのJYPからTwiceへのエールであるともされています。これが事実であろうとそうでなかろうと、どっちだっていいです。
ここでいう「You」とは、ファンから見たアイドルのことでもあり、アイドルから見たファンのこと、またプロデューサーから見たタレントのこと、そしてこの曲を聞いた人が思い浮かべた大切な人のこと、すべての「You」に呼応するのです。
アイドルとは、言葉や音楽を背負った(背負わされた)ある人間が、ステージやビデオという「虚構」を通して、人生そのものを往復映写する永久機関、そしてその信仰/崇拝対象でもあり、同時にただの一人の人間のことを言うのだと僕は思います。
要約すると、「イメージを背負った人間」と言えるでしょう。こうまとめると何だか切ない感じもしますが、アイドルはその「切なさ」さえも背負えてしまう生き物なのです。
音楽や映像という、どこまででもイメージを複製・拡大できてしまう機構に対し、その熱源は常に人間とその営みに集約されている。この大矛盾こそが、アイドルに無限のエネルギーをもたらすのです。
「かっこいい」「かわいい」というのは、あくまで入り口に過ぎず、それはプロデューサによって用意された魔窟の虚構。その深奥部では、「人生」という耐え難いほど大きなテーマと向き合うための鏡が用意されているのです。
アイドルの概念がここまで深刻化したのは、平成後期に入ってからだと僕は思います。やはりそこには、SNSの普及やアイドル産業の普遍化という要因があると言えるでしょう。「アイドル」が私たちのいる地上に「降りて」きてしまった。よって、私たちはアイドルがなぜ「特別」なのか、考えざるをえなくなったのです。
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「KAMOME」旅の記録
エリア51による2020〜2021年演劇企画「KAMOME」。企画・演出の神保による旅の日記(不定期)。チェーホフの名作「かもめ」にのせて…
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