劇場での非日常体験
先週は単身赴任中の父が住む広島を訪れていた。
市内の繁華街・八丁堀を散策していると、ある映画のポスターが目に飛び込んできた。
『ナミビアの砂漠』
主演の河合優実が鼻ピアスをしている衝撃的なビジュアル。
一瞬で惹きつけられた。
ドラマ『不適切にもほどがある』で彼女の存在を知り、現在NHKで放送中のドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を毎週楽しみに見ている。
映画はまだ公開したばかり。これは観る他ない。
視線を上に向けると、そこは趣のある小さな映画館だった。
「夢売劇場 サロンシネマ1・2」
再上映が中心の劇場もあるが、ここは最新作品を上映しているようだ。
劇場の中に入ると、趣のあるレトロモダンな空間が広がっていた。
木質の丸いカウンターと丸い屋根。
まるで大正・昭和時代にタイムスリップしたかのよう。
その時代に生きていなくとも、不思議と懐かしい気持ちになる。
劇場自体は2014年に移転して新しく生まれ変わったものの、日本で初めて映画館が誕生した頃の「活動寫眞館」の原点に回帰したコンセプトらしい。
雰囲気の良さはもちろん、料金もレイトショーとメンズデーのダブルチャンスで1100円と超お得だった。
入場するとスクリーンは小さいものの、優雅で心地よい空間が広がっていた。
何より座席が色鮮やかで柔らかなソファになっていて、座り心地が抜群だった。
後方には靴を脱いでゆったりと観賞できる、堀ごたつの席も設けられている。
映画館に行く理由は様々あるだろうが、ここでは”非日常体験”が味わえる。
配信の映像作品が溢れ、スマホ1台で手軽に消費できる時代。
だからこそ、映画の世界観に没入できる映画館、大衆文化を継承する劇場には”空間として”の価値がある。
『SHOGUN』がエミー賞で史上最多の18冠を達成したように、日本のエンタメ、日本文化にはもっと大きな可能性があるのかもしれない。
劇場で”非日常”を味わえる喜びを噛み締めながら、日常へと戻っていった。
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