金子様が教えてくださった黒柴のDNA、犬が与えた勇気

暑い

これ以上書きようがないほど暑いと思ったら、風が吹いた。
涼しい風だった。

鶴見川沿いを犬と歩く。町田市は、農家を営んでおられた(orおられる)地主さんの広大な土地が開発されてできた場所だから、歩いていると良く、まるでパッチワークの中の一枚の生地のように、突然墓地に行きつく。墓碑は全員が、あるいはほとんどが、同じ苗字だったりする。
今日の日本人のお名前は「金子様」だった。

墓地の横には大抵、お参りする方のために細い道ができている。
鶴見川沿いの小さな入口から入り、丘のふもとに着いて、墓地を抱く細い土の道を登るかたちで犬と歩いていたら、右手の家からご高齢の男性が出てこられた。年のころ八十才ぐらいだろうか。

「おう」とも「ふむ」ともつかない、少し驚いた声を出されるので、看板はなかったものの、私道を歩いていることについて何か言われたのかと、やや謝り気味に「すみません」と小さく言って前を過ぎる。

すると、
「その犬と全く同じのを先週見ました」
と仰る。
「黒柴ですから、似たような」
と答えると
「子供の頃にも見ましたよ」
と言い、
「まさか、同じ犬ですか?」

と自らの言葉に驚くように顔を上げ、こちらを見る。そこには何か、脳の網目のくっきりとした感じがある。だが、言葉の裏に自らの冗談を笑う雰囲気はなく、むしろ憮然としておられるのだ。

お父さん、そやがな~。おんなじ犬でっせ

と、根が大阪人故、言いたかったが、言えなかったので、ここに書く。

今日の発見:
犬は、魂も同じになるDNAを持っている。しばらく歩いて、あれは(↑地主の)金子様?と思う。

するとピアノの音が聞こえた。
こういう時にShazamをかざさなくてもすぐに曲名が言えたら…と考えて角を曲がると、門には「ピアノ教室」とある。

収まるべきところに収まっているような安心感を覚える。
これほどの技能ならピアノ教師であって欲しいと思っていたからだ。

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FB友達の長田典子さんが、殺されたジョージ・フロイドさんについての詩を書いておられる。しらなかった、こんな大事な詩を…。↓読んでみてくださいな。

https://beachwind-lib.net/?cat=28

昼:卵焼きとチーズのオープンサンドイッチ、豆腐の胡麻和え、野菜炒め(昨晩の残り)
夜:エルモで食べ支え、飲み支え。故に7/8に約束した断酒を破る。しかし一緒にいた犬が色々な人に力を与えた。なぜかみんな頑張るよ、頑張るよ、と犬に言ってくれる。多分「なんだかわからないけど頑張れ~」という空気を犬が送っているんだと思う。良いですよ、赤坂のレストラン。みんな頑張っておられます。

鶴見辰吾さん、髪を染めておられない。勇気をもらう。