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エンタメ、娯楽について考えていたこと

二日連続で映画館に映画を観に行き、
そのまま喫茶店で本を読み、
そしてぼんやりと考えていたこと。

今年の9月から、『消えない虹』という映画が
全国各地の映画館を回っています。

ハルカトミユキの『あの場所で』という曲を、
エンディング、否、監督の言葉をお借りすると、テーマソングとして使って下さっています。


この映画は、大々的にテレビCMが流れたり、
全国のどでかい映画館で何週間も上映されたり、
正直そういう派手な映画ではありません。
でも、内容はとても深みがあって、俳優さんも実力派揃い。心にきっと何かを残してくれる映画です。

今、監督と俳優さんたち自らが映画と一緒に全国を回って、舞台挨拶に立ち、時には街頭でチラシを配り、映画を少しずつ広めています。

こういう姿や、まだ知られていない素晴らしい作品を観たときに思うのは、
私たちが日頃知っている(勝手に目や耳に入ってくる)作品 ー音楽、映画、アニメ、演劇、お笑い、その他全てのエンタメを含めてー というのは、
どれほど限られているのかということです。

その一方で、知らないままでいるエンタメがどれほどあるのかということ。


私が二日連続で観に行った映画(それぞれ別の作品です)は、
一日目がミニシアター、二日目がシネコンで、
平日と土曜日だったという違いももちろんありますが、一日目の観客は4人、二日目はほとんど満員でした。
どちらもいい映画でした。


一般の人たちにとっての"娯楽"・"エンタメ"について考えたとき、それがどれほど大切かというのはその人次第だと思います。
ただ、テレビ、youtube、音楽のサブスクリプション、TikTokなどのSNSまで含めると、
単価にしたらタダ同然で受け取れる娯楽は溢れかえっています。

それで満足という人が、ほとんどとは言わないまでも、たぶんとても多い。
(決してそれが悪いとかいうことではありません。
仕事、家庭、経済状況などで娯楽に避ける時間もお金もない人が多いことも事実。作られた作品やエンタメよりももっと熱中できる何かを持っている人もいる。それについては今回はひとまず例外とします)


ハルカトミユキの10周年ライブのとき、
必死で呼びかけた結果、大変ありがたいことにチケットはソールドアウトしました。
この結果に喜びつつも、新たな課題が見えてきたことも感じていました。
「ソールドアウトするポテンシャルがありつつ、なぜ普段のライブはそこに達しないのか」
ということです。

今回来てくださった方の声で驚いたのが、
「人生で初めてライブに行きます」
「10年間ずっと好きだけど、初めてライブに行きます」
という方が少なくなかったことです。
誤解がないように言っておくと、このことは心の底から嬉しかったです。そういった人たちがわざわざ時間とお金をかけて、人によってはかなり遠い場所から足を運んでくれたということ、それは涙が出るほど嬉しかった。


ただ同時に、一般の方たちにとってライブがいかに身近ではないかということも知ることになりました。
それは、お笑いの寄席や、単館上映の映画や、名前も知らない劇団の演劇などにも置き換えられます。
大好きなお笑い芸人のライブに行ったことがあるという人は、どれだけいるのだろう、と思う。

ただここまで考えてきたことは、私にとっては、大きな希望でもありました。
誰もが知っているものが全てではない。
どれほど小さな作品にも、ちゃんと本質的なファンがいる。
その思考の転換ができたときに、この先自分が目指していくべきものの指針ができたように思いました。


私が、発信する立場だけじゃなく、一般の受け手としても強く感じたのは、
エンタメにおいて私たちにとって不幸なのは、
情報についていけないことではなく、
情報が多すぎて本当に欲しい情報に辿り着けていないことなんじゃないか、
ということです。

このことを考えていると、昔聞いた、「大きな石理論」を思い出します。
(わかりやすかったので拾ったリンク貼っておきます)

この話は、ビジネスや人生の時間管理術として語られることが多いですが、
情報についてもたぶん同じ。

自分にとって有意義で価値のある(場合によってはそれはめんどくさく、お金や時間がかかり、頭を使うこともある)大きな情報に出会う前に、
なんとなく面白い(それは大抵無料で、すぐ目の前にあって、楽に手に入る)小さな情報で頭がいっぱいになる。

私は作り手としても受け手としても、このことを意識して過ごしていたいと思います。


書いているうちに難しくなってきちゃったけど、
最近考えていた、エンタメと娯楽についての話でした。


🍞メンバーシップ、つくってみました。
すでに参加してくれた方、ありがとうございます。

読んで下さってありがとうございます。思考のかけらが少しでも何かの役に立ったなら幸いです。