見出し画像

『先生2.0』レビュー

能澤英樹さんという方が、
『先生2.0 日本型「新』学校教育をつくる』
という本を出版しました。

縁あって読み始めています。
現時点で、まだ30ページくらいしか読んでいないんですが、
とても刺激的な内容なので紹介します。

普段は本に線を引かない私ですが、
33ページまで読んで、11箇所、傍線を引きました。

大きくうなずける言葉だったし、
鋭い視点を与えてくれる言葉だったし、
何より、忘れておきたくない言葉だったからです。

以下、傍線を引いた箇所を引用します(部分改変しています)。

○本書の目的は「子どもの幸せ」と「教員の幸せ」を同時に成し遂げる道筋を示すことだ。

○教員の働き方は、結果として、長時間働いている割には、子どもたちに還元されないような働き方になってしまった。

○政治的な力学や行政の都合のようなものが、善人のような顔で学校に侵入し、破壊し、去っていく。一方で学校の内部でも、「子どものため」という善意に満ちた圧力をお互いに仕向ける独特の文化があった。

○ぼくの主張はまず「制度」に則る。逆に現行制度に「ない」はずなのに、行われている場合は「やめるべきだ」と主張する。それがどんなに子どものためになっていたとしてもだ。

○「おいしい肉を大量に」などと乱暴な議論の着地が、教育をおかしくしている。「二項対立を乗り越え」と言ってしまっては議論の放棄だ。

子どもたち(自身)が部活動をどうしたいのかを明らかにすることが必要だ。

○ぼくは教員の仕事は80%くらいが「荒れ」対策であると考えている。学校を運営していくためには、子どもを統率するという非常に大きなエネルギーが必要だ。授業というスタートラインに着くまでの「基礎代謝」が非常に大きい。

○学校は「ブラックボックス」である。恐ろしいのは、実は教員自身も何をしているのかがよく分かっていないことだ。考えるよりも「こなす」「達成感」「こなす」「達成感」・・・の自己解決型の惰性ループの中で、ますます問題の本質を失う。

○自分の判断で働く時間の長さを決められる働き方を裁量労働制という。裁量労働制では、何時間働いても給料は定額となる。それゆえ、給特法は「定額働かせ放題」と揶揄されるが、逆手をとれば、全教員が結託して定時に退勤することも可能である。しかし、そうはならない独特の「空気」が学校にはある。

能澤英樹『先生2.0 日本型「新』学校教育をつくる』

※あと2カ所ありましたが、長文引用なのでここで止めておきます。


33ページまでで、これです。この本は250ページ以上あるのに。

完読までは、もうしばらくかかります。
でも、多くの教員や学校関係者にこの本を読んで欲しい。


この本のゴールは何となく見えます。
ゴールは「本質」を語らざるを得ないので。
「本質」は、多くの人が知っています。
ただ、うまく言語化できないだけ。

問題は、筆者の筆致が「読めない」点です。

私を含んだ多くの教育関係者が、
「そうそう!」と喝采を送り、
同時に自省を促されることになるのは、
筆者の持つ豊富な具体例や、
鋭利な視点に基づいた言葉の選び方に負うところが大きい。

予想されるゴールだとしても、優れた筆致で読ませます。
いえ、そんな私の思い上がりを砕くような着地点が示される可能性だって、ある。

文章を味わい、
学校教育の変遷と今を理解し、
本書のゴールとあなたのゴールが一致しているかどうか、
ぜひその目で確かめてみてください。

『先生2.0 日本型「新』学校教育をつくる』


わたしについて


現役高校教師

オン&オフラインセミナー講師

協会サイト
https://sensei.click/

ポッドキャスト(Spotify)
https://open.spotify.com/show/2pCy8yUiGRk3jKoVJo72VF

FBコミュニティ
https://www.facebook.com/groups/unlearnteachers

udemy
https://www.udemy.com/course/kqfpehod/

Amazon Kindle
https://www.amazon.co.jp/%25E3%2582%25BB%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25BB%25E3%2582%25A4%25E3%2581%25AE%25E3%2582%25AD%25E3%2583%25A3%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25A2%25E3%2582%2592%25E6%259C%25AC%25E6%25B0%2597%25E3%2581%25A7%25E8%2580%2583%25E3%2581%2588%25E3%2582%258B%25E5%258D%2594%25E4%25BC%259A/e/B0BPPDYHYD%3Fref=dbs_a_mng_rwt_scns_share

心理学修士(学校心理学)

NPO法人日本交渉協会認定「交渉アナリスト」1級
https://nego.jp/interview/karasawa/

一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催
「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了


思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!