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HSPとコロナギフト

コロナギフトという言葉に出会いました。

コロナは、世界に大変な混乱と悲しみをもたらしたけれど、逆にそれによって気付けた幸せや、世界がいい方向に進んだこともあるよね、というような意味のようです。

この言葉を聞いて、不謹慎にも私は、コロナになってギフトしか受け取ってないなと思ってしまいました。

コロナが世界に甚大な被害をもたらした感染症である、ということは置いておいて。主に、それによってもたらされた働き方やライフスタイルの変化の面においてです。
改めてコロナによって個人的にどんな恩恵にあずかったか振り返ってみると、あるわあるわ。そしてそれは、自分の内向型の気質にも大きく関わっていたようです。

ギフト1、働き方や子育てにおけるメリット

私が出産した2019年の春、コロナはまだ存在していませんでした。その一年後の育休明けのあたりに、コロナが猛威をふるいはじめ、私の育休復帰=必然的にリモートワークとなりました。
もとから育休明けの出社を恐れていたので、在宅勤務は渡りに舟といった感じで望むところでした。移動で体力を消耗することもない。隙間時間で家事もできる。
そして、在宅=自分の好きなものに囲まれた場所で働けるということ!休憩と称してぽろろんと鍵盤をなでることだってできちゃうのです。
内向型HSP気質の自分にとって、人と同じ空間で働くという煩わしさから解放された在宅勤務は、夢のような時間でした。

また私は、産休前に社会人大学院に通っていました。
1年目を終えた段階で出産により休学したのですが、復学後、大学院はすべてオンライン授業に。通学のよさも実感してはいたのですが、現実的に乳飲み子を抱えての通学は体力的にも厳しかったので、実際問題すごく助かりました。

そして、育児をするにあたっての人手も手に入れました!夫です。
いや当たり前と思うかもしれませんが、コロナ禍前の夫は飲み会が多く、週に1,2日家に帰ってくればいい方。その飲み会がすべてなくなったおかげで、必然的に夫が娘の世話をする時間が増えました。結果、娘は夫によくなつき、家族で食卓を囲む日々。コロナ前ではありえなかったと思います。

ギフト2、人付き合いにおけるメリット

働き方だけでもこんなにメリットがあったのですが、人付き合いの面でも助かったことがありました。
ママ友問題です。子どもができたらママ友さんとご近所付き合いするんだろうな、しなきゃいけないんだろうなと怯えていました。
しかし、コロナにより子供の様々なイベントは縮小されました。
保護者間でも、あまりおしゃべりをしないようにみたいな雰囲気もあって、ママたちとの交流が少ないのを、こういう状況だからしょうがないですねと、自分の社交性のなさを棚にあげて、コロナのせいにすることができていたのです。

内向型HSPにとっては最高の生活様式だったよ

コロナになって困った、本当に辛かったという人もたくさんいることは承知です。自分だって例えば独身で、一人暮らしで、誰とも会えない日々が続いていたら、きっと病んでいたと思います。

でも、とりあえず家族という愛すべき最小単位があって、帰る場所があり、そこで子育てに専念することができて、旅行もそれほど好きではないし、いくらでもおうちで過ごせる自分にとっては、特に困ったということは見当たらず、ずっとこの状況が続いてもいいかもなんて思っていました。

「ディスタンスをとってステイホーム」というスタイルは、まさに内向型HSPさんのための生活様式ではないでしょうか。正直自分にとってはよかったです。大変な時代ですねーなんて言いながら、自分たちの時代が来たと思っていましたね。これをギフトと言わずに何といおう。

今になってみると、国民の義務となったマスク生活さえ心地よかった。顔の半分が覆われている安心感。小さな布切れ一枚でありながら、ウィルスという外敵から主を守り、外界からの刺激を和らげてくれる健気な相棒。一度生活を共にしてしまえば、あなたなしの生活は考えられないというほど、今では体の一部となっています。

アフターコロナをどう生きよう

しかし、ついにそんな時代が終わりを告げようとしています。
一気に春を迎えて、人々はちらほらマスクを外しはじめるのです。

ここ数年間、ぬくぬくと内向型生活を享受していた私は怯えています。
またイベントが増え、人との付き合いが増え、体力も消耗するのかな。
自分だけのことを考えると、ついついネガティブになってしまいます。

ただ、まだなーんにもわかっていないコロナ時代に生まれた子供のことを考えると、新しい世界を見せてあげたいな、むしろ見せてあげなきゃとも思うのです。
マスクしてない先生やお友達の笑顔。
おしゃべりしながら給食を食べること。
みんなで一緒に大きな声で歌を歌うこと。
たくさんの人の力が集まった大きなイベント。
大歓声の迫力。人々の熱気。

それらはやっぱり、人と人のつながりだったり交流です。
たくさんの人が集まって関わるから、めんどくさいことも大変なこともあるんだけど、だからこそ得られるもの。
インターネットでいくら世界が便利になっても、デジタルの繋がりだけでは伝えられないもの。
なんだか力強く、あたたかいもの。
そういうものからもらったぬくもりや、力強さや、感動を、ちょっとずつ思い出しながら、内向型母も、居心地のいい部屋から一歩ずつ外に出ていこうと観念しています。
コロナギフトを大事に抱きしめながら。



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