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フウコと小オアシス3-サイレント・ネオ-boy meets girl-

金色に輝いていた太陽は、オレンジ色に変わり、オアシスを同じように橙色に染めた。涼しげな風が吹いたその時に、テディ・Dも丁度やってきた。
「ここは素敵な所ね、緑に囲まれていて…まるで砂漠の中に街がぽっかりできているみたいね」
テディ・Dの言うように、この一帯だけが砂漠にあって、全くそれを感じさせない場所だった。まれに歩いている人の服装や粗末な家を見る限り、貧しい村のようではあるのだが……。

3

小舟が浮かんでいるオアシスの方から涼しげな風がふき。テディ・Dの豊かな金色の髪を柔らかくゆらしている。
テディ・Dはオアシスの方を目を細めて、爽やかに見つめている。すると、ふいに頭の上に何かが載ったのがわかった。

振り返ると、オジャムが頭をかきながら、顔を赤くしながらうつむいている。
夕陽に照らされたオジャムの表情は、テディ・Dには気付かれていなかったが…
「に、似合うよ、テディ・D…」
オジャムはのみのような小さな声でぼそっと言った。
その隣にいるサシャは、うれしそうにぴょんぴょんとびはねた。
「テディ・D、わたしといっしょだね、はなのおひめさまになったわね!」
「サシャ、かわいいわね、どうしたの、その花冠?」
「オジャムといっしょにつくったんだよ!」
サシャはすっかりうれしくなって、テディ・Dのまわりをかけまわり始めた。
自分からは見えなかったテディ・Dだが、オアシスの水面を見ると、水花冠をしている自分の姿がうつった。
「わあ、素敵だわ! オジャムが作ってくれたのね、ありがとう!」
テディ・Dが思わずオジャムの手を取ると、オジャムはやっぱり照れながら、「えへへ…」と笑うばかりだ。
「そうだ、せっかくだから、一緒に写真を撮りましょうよ」
テディ・Dはバックからスマホを取り出すと、サシャをはさんで3人で写真を自撮りした。
そこにはちょっとぎこちなく笑っているオジャムと、うれしそうに花冠をかぶっているテディ・Dとサシャが写っていた。

サイレント・ネオ-boy meets girl-(フウコと小オアシス/先行配信中)

BGM

-登場人物-

テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?

ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機墜としを達成、英雄認定及びスーパーエースの称号を得た。地球のCAリーグにも参加している人気パイロットでもある。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。

ソック:ムーンキングダム・斥候隊副隊長。ボーナスをなくしてしまい、恐妻トド子に家を追い出された悲しき中年男性。

シャギ:極悪非道の仮面騎士と呼ばれる男。若いころは、義侠を持ち黄金のシャギと呼ばれていた。青年時代に地元の若者たちと悪党を結成、砂漠地帯で暴れまわったが、ゲンバ提督の娘に手を出したことで怒りをかってしまう。顔を切り刻まれ、腕と足を切り落とされたあげく、投獄された。しかし、復活後は人が変わったように残酷になり、シャギ党を結成して、ついにはカイバの提督の座を強奪するに至った。

ムドー:月歌だけでなく、コロニー連合などで十数年の間、傭兵として戦場をわたりあるいてきた猛将。残酷な攻撃をすることもあるが、騎士道と義理を尊ぶ武人。シュトライツァー党では義兄弟のシュトライツァーの副将として活躍、北国随一の武将とまで呼ばれるにいたった。ダークブルーのパンツァーを愛機としており、精鋭の青備え50機を率いる。

ガスズ:ムサシのライバル。CAリーグでは常にムサシと同時に昇級しており、何度か土をつけている。黒いCAヤシャをあやつる。唯我独尊を地で行く男。

マギー教授(おねえ)とみなみちゃん(アイドル):一年前に地球(テラ)から月歌に向けて出発したが、未だに到着せず。
かつてスーパーエースだったマギーは戦闘での怪我のため、現役を引退して士官学校で教授をしている。裏の顔はおねえである。


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