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テディ・Dと親友フローニ11-サイレント・ネオ外伝-

テディ・Dは3階にあるフローニの部屋をたずねることにした。
フローニはたいてい寝ており、テディ・Dに気が付くとかすかにほほ笑んで「ありがとう」と言うだけであった。
それが一週間も続いたある日だった。

11

いつものようにテディ・Dが見舞いに行き、フローニの寝ているベットの横に椅子を置いて坐った。
フローニの机の上には、所狭しと歌集や楽譜が並べられていた。
しかし、それももうずいぶん開いていないようで、ほこりをかぶっていた。

すっかり弱ってしまったフローニのそばで、テディ・Dはやせ細った彼女の手を握ってやることぐらいしかできなかった。血の気を失い、冷たくなったその手を…
フローニはその温もりに気付いたのであろうか、目をあけるとテディ・Dを見つめた。

「フローニ、起こしてしまったみたい、こめんね、あなたは寝ていなくちゃ」
「ありがとう、テディ・D…実を言えばね、私あなたがくることをいつも楽しみにしていたのよ。疲れて声さえかけらない日もあったけれど…」
「そうなの、フローニ! 私はこれからも毎日来るつもりよ、だから、あなたはしっかり休んで、元気になって!」

テディ・Dは握る手に力を込めて言った。

「そうね…実を言うと、もう私はあなたと会うことができる日も、あまり残っていないような気がしていたの」
「何言っているの、フローニ。いつも強気なあなたらしくないわ!
あなたはよくなるのよ、きっとよくなるの。そして歌手になるの、ねえ、そうでしょう!?
私やお客さんに歌って聞かせて、拍手喝さいを浴びの、だから、そんなこと言わないで!」

テディ・Dはもうすべてのことに執着することをやめていた。 そのはずなのに、フローニのことになると、自分が自分でなくなってしまったように感情が高ぶった。

「そうね…私たちはきっと研究所を出て、自由な小鳥のようになれるわよね。
私はさえずり歌うわ、きっと、きっと。朝も昼も夜も自由にね…そういう日がいつかきっと来るって、子供の時から思ってたの。でも、父親はお酒ばかり飲んで、何が気に入らないのか、ささいなことで私に暴力をふるったわ。私はいつも家から出て自由に歌いたいって思ってたの…でも、家からやっと抜け出せたと思ったら、今度はこんなところ…」

フローニは悲しそうに天井を見つめた。

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続編はboy meets girl

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