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猫の話。

 さっちゃんが朝起きて廊下に出ると、おとうさんの部屋のドアが閉まっている。みーやの寝床を自称している親バカのおとうさんがドアを閉めているということは。
「おとうさん、ドア閉めたの?」
「みーやに噛まれた」
 多少の噛みにたじろぐおとうさんじゃないので、多分しつこく噛んだに違いない。おやおや。
 洋間に行くとみーやのトイレにンチがあった。『これはみーやも必死なわけだ』。ンチは危険信号のようで、みーやはンチの上にうずたかく猫砂を盛り、必死で迎えに来る。『はやくやっちくれぃ』の態度が明快だ。それと、机の下に吐き戻しがある。『あ。これが最初かな?おとうさんには見えなかったに違いない』。
 謎は解けたが、言ったとしてもおとうさんの怒りは解けないだろう。

 ちょろちょろとみーやが現れて(片付け終わるまで出てこない)つぶらな目で見上げる。勝手に<感謝が現れている>と悦に入ってみーやを撫ぜ(。´・ω・)?撫ぜするとやさしくみーと鳴いた。ちょっと辛い朝だったのかもしれない。

 でもま、2時、3時、4時と起こされたおとうさん、ちゃんとご飯も用意・トイレのかたずけもしたのに、毎回『だめ!』、いや3時のときか?『だめ!だめ!』と手をひどく噛まれて凹んでしまったに違いない。なぜかおとうさんに容赦ないから(いつもじゃないけど)。
 もし、3時のときに吐き戻してしまったのなら、2時におとうさんがみーやのご用事をしたときに起こされてしまって、ついでにトイレに行ったさっちゃんがサービスしたカリカリのせいかも(だってお皿がからっぽだったんだもん)。反省。
 机の陰の吐き戻しは、カーテンを開けるまでさっちゃんも気づかなかった。

 どっちにしろ、2時3時ともさっちゃんも廊下の気配で起きたけど、みーやが迎えに来なかったところを見ると、おとうさんがうまくやってくれてたんだろう。4時半にさっちゃんが爆睡から覚めたとき、みーやはさっちゃんの勉強机の椅子の上に鎮座していた。

 かわいそうなおとうさん。
 猫を昼型にする方法ってないのかしらん?


悪気はないんだけどね。

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