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【自己紹介】はじめましてと自己紹介のようなもの

初めまして。
脚本家の波流じゅん(はるじゅん)と申します。

10年程前に書いた短編小説「殺意の蜷局」八話分を、いきなりバババとnoteに載せてヨシヨシと一人で満足していたのですが、そこから急に仕事が忙しくなり、気がついたら2022年に突入していました。その辺りでハタと気付きました。そういえば私、自己紹介をまだしていなかったのでは。そう、いつも順番を間違えるんです。ということで、今更なのですが自己紹介をしようと思います。

子供の頃は本が友達と言える程の本好きで、小説家になりたいとずっと思っていました。でも20代の頃、劇団新感線の「阿修羅城の瞳」を観に行き、こんな面白い世界があるんだと驚き、憧れを抱きました。自分もあちら側の世界に混ざりたい、自分が書いた台詞を役者さん達に演じてもらいたいと強く思い、その時から脚本家を目指し始めました。

すぐにシナリオセンターに通い始め、毎週欠かさず宿題を提出して、コンクールにも応募し続けていました。しかし出せども出せども賞は一切獲れず、コンクールではいい結果を全く出せないまま、脚本家になりたいという想いだけでしつこく書き続けていました。東京に住んでいないと脚本家にはなれないよと言われた事もあります。

頑張っても芽が出ない現実に押し潰されそうになっていた頃、たまたま知り合った人からwebドラマの脚本を書いてみないかと誘われ、飛びつくように引き受けました。その時はノーギャラでも全く気になりませんでした。その後少しずつ依頼が来るようになったのですが、全てノーギャラな上、作品にもならず、ただ消耗されていくだけの日々が続きました。過酷な下積み時代でした。

寝る間も惜しんで原作になりそうな小説や漫画を読み漁り、一年で企画書を100本以上作りました。その合間に自分のオリジナル作品を書き続け、企画書と脚本を小脇に抱え、読んでくれそうなプロデューサーや監督の元へ営業に走りました。

ただこの業界とんでもない輩がいるもんで、ある時は脚本の直しを三年もやらされた挙句、組んでいたプロデューサーが制作費を使い込んで映画製作自体が白紙になったり、ある時はクランクアップ後監督とプロデューサーが揉めに揉めだし、完成した映画がお蔵になったりと、とにかく苦戦続きの日々でした。
無我夢中で走り続けていたある日、ハタと気付きました。

私の代表作が無い!

こんなに毎日仕事をし、脚本を書き続けているのに、代表作と呼べる作品がひとつも無かったんです。その現実に突如気付き、とんでもなく虚しさを感じてしまいました。やはり私は気付くのが遅いタイプなのかもしれません。

その時から、私の代表作と自信を持って言える作品が欲しいと切望し始めました。ただ今までの経験上、脚本に何か強みがないと結局酷い目にあってしまうので、保険をかけるべきだと思いました。

脚本を守る為に、コンクールで賞を獲るんだ。

賞さえ獲れれば映像化されるだろうし、勝手にホンを書き換えられる事もないだろうと信じ込み、遊びにも行かず部屋に籠り、脚本を書いてはコンクールに応募することに没頭し続けました。

その甲斐あってか遂に「橋田賞新人脚本賞」で最終選考まで残る事が出来ました。確か2016年頃だったと思います。賞が獲れなかった事は残念でしたが、最終に残ったというのは脚本の強みになります。

この時の脚本が今回映画になった「ひとつぼっち」です。2022年1月から全国公開が始まり、ただ今全国の映画館で順次公開中です。

脚本家になって七年目でやっと私の代表作が出来ました。あれ?これ自己紹介になってる?長々と書いたわりにこれだと私が脚本家になった苦労話を延々と書きつらっているだけなのでは。

そうなんです。脚本家ですと言いながら、あまり文章が上手くないんです。特に読書感想文とかあらすじとか企画意図とか、ちゃんとした文章を書くのが苦手なんです。脚本はト書きと台詞で成り立っているので文章力はあまり関係ないんです。と、また話が脱線していってます。そろそろまとめに入りたいのに。

そうだ、私がnoteを始めた理由を書いてみよう。
申し訳ないですがもう少しだけお付き合いください。

私は割と愛から遠い場所で生きてきまして、そのせいか子供の頃からずっと頭の中で物語を創って寂しさを紛らわせていました。そうやって生きているうちに、空想の世界の中で生きる事が楽しくなり、その場所が心の支えになっていきました。

大人になって脚本家という職業を知り、頭の中の物語を形にする事を覚えました。しかし脚本というものは最終形態ではないので、不本意にも監督やプロデューサーによって形を変えられてしまう事が多々あります。作品が良くなればまだいいのですが、ならない時もあります。その事がほんの少しだけ辛くて割り切れなくて、私は物語の最終表現者になりたくなりました。

小説は難しそうだけど憧れます。
どこまでも自由に野原を駆け巡れるような気がします。

自由でいるという事は全てを自分で背負う覚悟がいると思うので、正直怖さもあります。作品の良し悪しを誰かのせいにする事も出来ず、全てが自分の責任になります。

望むところだ。
私は自由に物語を創り、自由に野原を駆け巡るんだ。

脚本も始めた頃は恐ろしい程下手でした。書き続けていく事で少しずつ成長したので、小説も書き続けていけば、いつかどこかに辿り着く気がしています。そんな想いが叶う場所、それがここnoteなんだと信じています。

自分の文体を探しつつ、かっこつけずありのままの自分を曝け出して、物語を書き続けていこうと思っています。

こんな私ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

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