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息子とカメラさんぽ


6歳の長男と4歳の次男に、カメラを持たせてお出かけすることが増えた。

私のお古のコンパクトデジタルカメラを、取り合うように交代で使う姿が可愛い。

「3枚とったら、こうたいね!」と競うように写真を撮る。

「オレのしゃしんの方がかっこいい!」
「それぼくも撮りたい!」
「はやく代わってよー!」

騒がしいったらありゃしない。とても賑やかな散歩になる。

今ではカメラ散歩が我が家のお出かけ形態の1つとして定着しているけど、はじまりは一年くらい前のこと。きっかけはnoteだった。


***

2019年の7月のこと。

子どもにカメラを持たせてみた。

noteで得たアイディアを、自分の生活に取り入れてみた事は何度かある。子どもとカメラ散歩も、その一つ。

長男は2歳年下の弟と生活を共にして、よく我慢をしている。家でも保育園でもずっと一緒。末っ子の次男は天真爛漫キャラなので振り回されることも多かろう。

そんな、優しく我慢強い長男へ。先に産まれた息子の特権として、カメラを貸してみた。

長男は8月に6歳になる。

この頃は買い物に誘っても、あまり付いてこなくなった。

「スーパーに行くけど、一緒に行かない?」

「いくー!」

嬉々として付いてくるのは3歳次男。

長男はちょっと考えて、家にパパがいることを確認すると

「ぼくは行かない」

きっぱりと。

ええぇぇぇ…

子ども2人連れで買い物行くより楽だけど、ちょっと淋しいじゃん。

「……ジュース買ってあげるよ?」

と釣ってみるも、

「ぼくのも買ってきてね」

外出する気はありませんが、お土産は確実によろしく頼みますね!

というスタンスを崩さない長男。

子どもは成長すると、親のお出かけに付いて来なくなるとは聞いたことがある。

けど、ちょっと成長が早くないかい?

「恥ずかしくて親と並んで歩けるかよ!」ってのは思春期の少年の話だよね?

まだ保育園児なのに、淋しい。

もちろん私は、彼なりの目論見があることも、知っている。

パパかママと2人っきりで過ごしたいのだ。

ボードゲームとか、縫い物とか、弟にはちょっと難しい遊びを、こっそり楽しみたいんだ。

3歳が側にいると邪魔されたり、危険だからできない遊びを楽しみたいんだ。

ママかパパを、僕1人で独占して。

この前の日曜日、次男はパパと大きな公園へ出かけた。

大型のアスレチックス遊具のある楽しい公園だ。とっても魅力的なお出かけのはずなのに、長男は断った。

「うーん…お母さんは家にいるの?」
「そうだよ」
「じゃあ、ぼくも家にいるー」

きっと、ママと遊びたいんだな~可愛いやつめ~。

私はニヤニヤしながら、とっておきの遊びを準備した。

いつか、こんなタイミングがあれば実行したかった『子どもとカメラ散歩』だ。

息子に持たせたカメラは、コンパクトデジタルカメラ。

子ども用おもちゃカメラではなく、canonのPowerShotで、購入時の価格は三万円。なかなか高価なものだ(我が家では)

デジタル一眼レフカメラを購入してから殆ど使っていないカメラなので、そのうち売り払って、替わりに一眼用のレンズを買おうかと目論んでいた。

「このカメラはお母さんがとーっても大事にしてる物だから、大切に扱ってちょうだいね」

「了解!まかせとけって!」

売り払おうと思っていたカメラだけど、さも大切そうに長男に託してみる。

特別な大人のカメラだ!

長男はとても嬉しそうに、大切に扱ってくれた。レンズを触らないこと、落とさないこと…しっかり説明すると、丁寧に扱うことができるのが、年長さんの素晴らしいところだ。

2人でカメラを首に下げて、家の近所を散歩した。

のどかな田園風景の散歩道。

長男のカメラには、私の眼には映らない景色がたくさん写っていた。

曇天の空を見上げて、カメラを構えている。

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「よっしゃー!いいのが撮れたぜー!」

仮面ライダーが大好きな年長さんは、かっこつけたい時はこんなセリフを口にするので、とても可愛い。

息子の切り取った空。曇天を分断する電線。

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私なら曇り空を撮ろうとカメラを向けないし、ましてや電線は避ける。

けれど、なかなか良いじゃないか、曇り空も。水墨画の景色の中に、一本まっすぐの線を引いたようにも見える。

ネコジャラシに狙いを定める息子氏。


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ネコジャラシを撮ろうと思うところが、もうね、私と脳みそが全く違うんだなって思わざるをえない。

この日撮った写真の中で、彼の一番のお気に入りは、これ。


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ネコジャラシの穂先。
ぼやっとして、かっこいいらしい。

大人の目と、子どもの目に映る世界が違うことに、改めて気づかされた。

『子どもとカメラ散歩』は、しばらくママと長男の秘密の部活動になりそうだ。



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