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新人個人勢Vチューバーが伸びようとすると、結局は特化型に「なってしまう」のかも、という失敗談。


前書き

 このnoteでは、新人個人Vチューバーとして「マルチ型」の活動を行おうとして大失敗した私の体験談についてお話します。新人個人Vtuberは、「短期間にチャンネルの伸びを目指すのであれば」より狭く絞った「特化型」の活動を行うべき、というのが、このnoteの結論です。

 このnoteにおいて、「マルチ型Vチューバー」とは、一つの活動ジャンルに特化せず、様々な活動を行うVチューバーのタイプを指すものとします。活動ジャンルを絞って一つの活動だけを行う「特化型Vチューバー」の対義語だとお考え下さい。

自己紹介

 こんにちは、ハルヒスキーと申します。2020年10月11日にVチューバーとしてデビューしました。2021年1月15日現在、1380人ほどの方にチャンネル登録していただいています。
 元々は、売れないアダルト漫画描きとして雑誌にエロ漫画を描いていましたが、雑誌を離れたことを機に、色々なことにチャレンジしてみよう!とVtuberになりました。

 こちらが私のチャンネルです。


 私は企業等に属さない、いわゆる「個人勢Vチューバー」です。実は私は、2020年11月ごろから大きな失敗をしました。このnote記事では、個人勢Vチューバーが「マルチ型」を目指した結果陥った失敗について具体的な事例を元に振り返り、改めて新人個人勢Vチューバーにとって「特化型Vチューバー」として活動するメリットを考えてみようと思います。

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 私が以前書いたnote記事はこちらです。

「人気者になりたい個人勢Vtuberに立ちふさがる三つの壁と、自営勢Vtuber出現の予想。」
https://note.com/haruhisky/n/n5085422874de

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「アニメ塗り講座」でスタートした

 当初、私のチャンネルでは、「お絵かき講座配信」をメインとして活動をスタートしました。といっても、「お絵かき講座」を行っているチャンネルは沢山あります。そこで、自分が好きな「アニメ塗り」に絞り、「アニメ塗りのお絵かき講座生配信」をメインコンテンツとしていました。
 当初のこの方向性に問題はなかったように思います。実際、チャンネル登録者数は順調に伸びていましたし、配信日の再生数・再生時間もじわじわと増えていました。


 思うに、この時期は、「チャンネル登録した人々が求めるコンテンツを提供する」ことができていたと思います。もし、この方針でずっと続けていれば、堅実に「お絵かき講座系Vチューバー」として伸びていけたかもしれません。

ゲーム配信と低迷

 しかし、当時の私には、「お絵かき講座系」で上手くやっていけるのか、という不安がありました。週二回の配信で講座を行えば、次第に話すネタも尽きていきます。また、配信日以外の再生数や再生時間の低さも気になってきました。
 「もっと総合的に様々なことにチャレンジするべきではないか」と、当時の私は考えました。つまり、「マルチ型」に活動してみよう、と思ったのです。今振り返れば、これは明らかな失敗でした。私は、「特化型」の活動を推し進めるべきだったのです。

 私が「マルチ型」を志向してしまった理由は、当時私がTwichでやっていたホラーゲーム配信が小規模ながら盛り上がっていたからです。Twitchで同時視聴者数が80人を突破し、私の中に欲が出ました。「これをYoutubeにアップすれば、コンテンツになるのでは?」と…。
 残念ながら、そうはなりませんでした。ゲーム配信のアーカイブの投稿は再生数も再生時間も伸びませんでした。「生配信のアーカイブをアップしてもまあこんなものか」「始めたばかりだし仕方ないか」と当初は楽観的に考えていましたが、事態はより深刻でした。チャンネル登録の伸びは著しく鈍化し、さらには「お絵かき講座」の再生数・再生時間まで次第に落ちていったのです。

 「お絵かき講座」目的でチャンネル登録した人は「ゲーム実況」がノイズとなり、「ゲーム実況」からチャンネル登録した人は「お絵かき講座」がノイズとなる、という、完全なダブルバインド状態に陥ってしまっていたのです。

 この低迷は、実に12月末まで続くことになりました。その間、サムネイルを工夫したり、アップロードするゲーム動画を編集してみたり、様々な努力をしてみましたが、結果として改善にはつながりませんでした。


DL同人解説をはじめた

 変化のきっかけがあったのは、クリスマスも終わり、12月27日に行った配信です。マシュマロに「DL同人について解説してほしい」というリクエストが届いたのです。DL同人は、エロ漫画をずっと描いてきた自分の専門分野です。「よし、ここはひとつ、全力で解説してみよう」と、ややヤケクソ気味に一時間半ノンストップで語りつくしました。DL同人の本当のメリット、デメリット。DL同人ドリームと呼ばれるものの正体、DL同人作品が売れない本当の理由…。


 結果として、その動画は、過去の配信で一番の再生数・再生時間を出しました。視聴維持率、クリック率、検索流入…などなどの数字でも、一番良い結果でした。第二弾として、DL同人の値段付けについて語った配信も順調に伸びています。(もっとも、登録者数1000人前後のVチューバーの動画としては、という規模でしかないですが…)

 伸びた理由ははっきりとしています。「DL同人」というジャンルで動画投稿している人が少ないから、「DL同人」というキーワードでの検索上位や関連動画に入りやすいのです。

 逆に、「イラスト」や「ゲーム実況」では、新人の動画が検索や関連動画に引っかかることはまずないのです。


 この一連の経過には、「特化型」とは何であるのか、改めて考えさせられることになりました。


失敗の原因①-マルチ型化

 私の失敗の原因が何であったのか。結論から言って、やはり「マルチ型」になろうとしたことだ思います。結局のところ、「マルチ型」とは、Vチューバー個人の魅力で強烈に登録者を引き付けるタイプでないと成立しないやり方なのです。駆け出しの新人バ美肉個人Vチューバーが選ぶべき戦術では全くありませんでした。
 明らかに身の丈に合っていない「マルチ型」に手を出してしまったのは、(今思えば)「マルチ型Vチューバーさんへの憧れ」があったのだと思います。私がファンであるVチューバーさんの多くが、自身のキャラクターで視聴者を引っ張る「マルチ型」でした。ですが、「特化型」でスタートした個人Vチューバーが「マルチ型」を目指そうとすると、「特化型」の活動で獲得した視聴者は離れていってしまうのです。


失敗の原因②-特化の弱さ

 では、そもそもなぜ「マルチ型」に手を出そうとしたのかといえば、「お絵かき講座系」の活動に伸び悩みを感じたからでした。今にして考えれば、「お絵かき講座系」でも、「特化型」としてはテーマが広すぎたのです。
実は、Vチューバーとして活動を開始する際に、自分がどの活動に特化するかを考えたときに、「DL同人」は候補の一つでした。ですが、Youtubeにおけるジャンルとしてあまりに小さすぎるのではないか?と考え、候補から外していたのです。

 Youtube上での規模感としては、「ゲーム実況」が圧倒的巨大ジャンルで、「お絵かき講座」は小さめのジャンル。「DL同人」は本当にごくごく小さななジャンルです。ですが、「ゲーム実況」に手を出した結果は大失敗で、「DL同人」について話をしたら過去一番伸びたのでした。
 結局のところ、巨大ジャンルはそれだけ競争も激しく、無名の個人Vチューバーを見つけてくれる人はほとんどいないのです。むしろ、より狭く、より小さくジャンルを絞る方が、活動初期においては視聴者の獲得につながりやすいということだと思います。
 また、自分自身とのリンクでも、趣味でたまに遊ぶゲームと生業であるエロ漫画では、「特化」の深さに圧倒的な差がありました。つまり、私の特化は二重に弱かったのです。特化をするなら、より狭く、そしてより深く、が大切なのだと思います。

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長期的には伸び悩む可能性大?

 ここまで、自分の失敗談を元に、短期に伸びたい新人個人Vチューバーにとって「マルチ型」は危険で、より狭く深い「特化型」で勝負するべき、という話をしてきました。ただしこれは、「どのタイムスパンで」「何を目指すのか」という条件次第だと思います。
 専門性を高めた「特化型」で、短期的に視聴者を獲得したとしても、結局他のことをすれば視聴者が離れるのですから、Vチューバーとしての活動は大きく縛られます。また、狭く絞った「特化型」ジャンルの視聴者数は少ないですから、長期的に大きくチャンネル登録者数が伸びていく可能性は低いです。

 もし、「自分がファンである人気Vチューバーさんのようにマルチに活躍したい!」と考えるなら、狭く絞った「特化型」個人Vチューバーになったところで、その目的は達成できない可能性が高いです。それよりは、長期間伸びない時期を歯を食いしばって耐えながらも、自分の目指す「マルチ型」Vチューバーになるために、自分の魅力を磨き、一人一人コツコツとファンを増やして行く、というやり方が正解かもしれません。


まとめ

 まとめます。

・新人個人勢Vチューバーが「マルチ型」に活動しても短期的には伸びにくい。
・短期的に伸ばすなら、検索上位を狙うために、より狭くジャンルを絞った「特化型」の活動をするとよい。
・ただし、狭く絞るほど登録者数は頭打ちになる可能性が高い。自分が目指したいVチューバー像をよく考えて活動方針を決めるとよい。

 以上です。
 お読みいただき、ありがとうございました。


その後の変化について:収益化、サムネの工夫など

1月27日追記

 ありがたいことに、DL同人解説に特化してから再生数・再生時間の伸びは続いています。
 「お絵描き配信にゲーム配信を混ぜたことで視聴回数や再生時間が減ってしまった」という、この記事で述べた失敗が、すべて誤差になるレベルで伸びてます。11月12日あたりを境に再生数・再生時間が落ち込んでいき、自分も相当悩んでいたのですが、もうグラフ上では微差になってしまって区別がつきません。

無題

 DL同人講座の伸びにより再生時間が4000時間を突破したことで、収益化申請も可能となりました。そして、無事収益化を果たし、視聴者の方々からお祝いのスーパーチャットをいただきました。改めて、本当にありがとうございました。


 「本気でDL同人講座をやる」と決めてから、生配信で喋る内容も、極力無関係な雑談や挨拶は省き、一回につき一テーマで一貫したものになりました。また、サムネイルやタイトルもより吟味し、時間をかけて作成するようになりました。変化は一目瞭然だと思います。

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 サムネイル一個を作るにも、数パターンの案出しをして、どれがより伝わりやすいかを検討するようになりました。(これは最終的に右下のサムネイルに決定しました。)サムネイルやタイトルの工夫については、また別記事でお話ししたいと思います。

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