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〖 短歌12首〗名も知らぬ誰かにとって

「じんしんじこ」とうオブラートに包まれて気付かぬふりするこれが日常

また遅れとんかと心で舌打つ現代人あまりにも死は身近で日常

突然の人身事故にも乗客は溜息もなく動揺もなく

人々の記憶に残るは延滞時間 理由なんてのはすぐに消えてく

今人が自殺しましたとう事だけどあえて気付かぬ電車の遅延

名も知らぬ誰かにとって死ぬほどに嫌でたまらぬ今日だったのだ

他の道はなかったのだろうか本当に もう助けてはあげられないけど

神は人に越えられぬ壁は用意しないなんてあれはきっと、いや絶対嘘

二万人、三万人が居なくなる 病気でもなく寿命でもなく

まだそれはこの四文字に慣れぬ頃一回一回合掌していた

死に絶えた人を一人ずつ思うなど耐えられぬから人は忘れる

辛い事悲しい事は忘れゆく本能なのか人の死さえも

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