うちの長男

我が家の長男はイケメンである。
とにかく顔面力が凄い。
なんなら生まれた時からイケメンであった。

新生児はガッツか石松か、ってくらいガッツなものなのに、長男は美であった。

生まれた翌日である。
何故そんなにキリリとしていられるのか。

こんな顔ばかり突出した長男は(失礼)、それはそれは手のかかる赤ん坊であった。
この写真を撮った日の夜、つまり母子同室初日の夜からぶちかましてくれた。
彼はこの日45分しか連続で睡眠してくれなかった。
当然母親である私の睡眠時間は皆無。
初日から爆発していた。

翌朝部屋に様子を見に来てくれた助産師さんなのか看護婦さんなのか未だに分からない方に、「この子、昨日45分しか連続で寝てくれなかったんですが、新生児ってこんなものなんですか泣」と尋ねた時の彼女の顔には、”お気の毒様、大外れですね“とありありと書いてあった。

お前マジ、そんだけ顔可愛くなかったら育てて貰えてねーからな!と、およそ母親とは思えないような危険な叫びが脳裏に浮かぶ位に、大変な赤ちゃん期であった。
それに関しては後日後述したいと思う。

そんな感じで爆誕した長男はスクスクと育ち、平均より早く歯が生え、11ヶ月で歩き出し、1歳で喋りだし、私を翻弄し続けていく。

顔の事しか書いてない様に思えたら申し訳ない。

長男は優しい子である。

ママが大好きで、甘えん坊で、好きな物には一途でブレず、5歳になっても赤ちゃんの頃から好きなミッフィーとすみっこぐらしのランチセットを保育園で愛用している可愛い物好きでもある。
そして嫉妬深く、お調子者でアホ男子である。

今はポケモンのピチューを何よりも愛しており、帰宅するとピチューになりきって過ごしている。
ピカチュウではなくピチュー。
このチョイスが実に長男らしい。

上の絵は長男が母の日と父の日にプレゼントしてくれた。
全国津々浦々、よくあるタイプのプレゼントであるが、私は泣いた。
「ママはお化粧の時にほっぺピンク色で塗るでしょ?だから僕も塗ったんだよ!」
ママの事をよく見てくれていた事も、可愛く描いてあげようと頑張ってくれた事もとても嬉しかった。
因みに夫はひげ面に描かれたのを見て、「パパこんなにヒゲだらけじゃないよー。…違うよね?」と発言した後、今彼はひげの脱毛に通っている。

こうして母の日のプレゼントを通じ、こんな些細な事で泣ける程度には私にも母性があったのだと安心したのだ。

母の日、父の日の似顔絵1枚で、母の胸に感動と驚きを与え、父のひげを殲滅させるという甚大な影響を及ぼすのだから、こどもって存在は凄い。

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