スクリーンショット_2020-02-11_23

「なんのために、つくるのか」

先日、私の所属する会社(CRAZY inc.)で
1年間も集大成として最も人生を祝ったストーリーは何か、
価値を語り残し、競う「LIFE STORY AWARD」が行われました。

私はそこで、事業部別10名の中の一人のプレゼンターとして
渾身のプレゼンをしたのですが、

私が今まで大事にしてきた事
向き合ってきた葛藤
これからも大切にしたい事


が、凝縮して考えた内容なので、
大事な人には知ってほしい、と思い
今日はそのことについて書きたいと思います。

______________________

プレゼンターが前に立つのはくじ引き。

私の名前が呼ばれたのは一番最後。

スポットライトの前でマイクを持って深呼吸。

司会から私の紹介がされ、合図の後、7分間のプレゼンが行われた。

CRAZYWEDDING artdirector 五味春佳 /ゴミハルカ
幼少期から油絵、生花、工作、と、自分のみえる世界の中で制作に没頭。映画や漫画のような青春に強い憧れを抱くも、現実はそう簡単にはいかず、篭るように作品をつくり続けた。武蔵野美術大学油絵学科を卒業後、フリーランスデザイナーとして活動。その中でCRAZYに出会い、改めて、人と、青春するように、感動づくり、ものづくりがしたいと入社を決意。現在入社4年目、CRAZYWEDDINGの現役アートディレクターとしては一番歴が長くなり、2019年1年間の社内クリエイティブ評価では最高点を獲得。アートチームを牽引する存在に。全体のクオリティアップを担いながら最前線で結婚式をつくっている。

「CRAZYWEDDINGは創業期から今も変わらず、プロデュースにはアートをのせて届けられています。その意味を、今ここに、誇りとして、残したいと思います。」

______________________

画像5

「装飾なんて、いらないと思ってる。」


いくつもの結婚式をつくる中で、私は自問自答を繰り返してきた。

オーダーメイドの結婚式も、見た目では、似たようなものが溢れてる。
装飾がなくても価値ある結婚式は挙げられると、
IWAIを生みだし、自分たちの手で実証もした。


飾りなんて必要がないくらいに、人生は濃い。

それ以外に大事なものが多すぎる。
本質を突き詰めた先には、何もなくて良いのかもしれない。

「あなたなら、どんな風に、唯一無二のお祝いをつくりますか。 」


ひとつの答えに辿り着けた、
結婚式の話をしたいと思います。

-

画像2


新婦のヒトミさんは、親御様から大事に育てられたあまり、自分で選ぶことがあまりない人生を送ってきた。結婚すらも、自分の意思で選択することがいけない事のように感じていた。大切なパートナーである新郎の元には、親御様から毎日、結婚をやめるように、と、電話と長文のメッセージが届いた。

今まで、何度も親御様の言葉に折れてきたが
  ”今度こそ諦めたくない” と、
結婚式を挙げること決めた。

そんなふたりの人生にプロデューサーが送ったコンセプトは
『フタリカラフル』
辛いこと、嬉しいこと、人生の全ての色を愛する、ふたりから。

言葉では言えるかもしれないが、そんな簡単なことではない。

プロデューサーは、それでも「私は全力を尽くす」と、
ふたりに誓いの言葉を立て、覚悟を伝え、プロセスはスタートした。 

アートディレクターである私は、その日を最高に彩る役目を引き受けた。

-

2人が決めた会場は、ここIWAI OMOTESANDO。

「やりたいものも好みも特にはないかな....」
「会場も素敵だからそのままでもいいくらい。」
「本当はパンツドレスが着てみたいけど、試着で似合わなかったんです。」
「CRAZYであげれるだけで楽しみです。」

と伝えてくれた。

ここIWAIを活かしながら、オーダーメイドの価値を出すには
どうしたらいいか?  私に何ができるのか?


そこで提案したのは

「ここで挙げると決めた、この日この場所に、来てくれた大切な人達に、
 カラフルな光が差し込む装飾」

そして

「ドレスをつくりませんか」

と伝えた。

画像4


ヒトミさんはドレスの提案に、目を輝かせながら迷った。

私はただ、答えを出すのを待った。


「親がなんて言うか、かわからないけど、
 こんな自分のために贅沢をしていいのかわからないけど、

 やってみたい。 」


やりたい、を選ばない理由なんて、いくらでもある。

だからこそ、今から変わるんだという決断でもあった。

-
      

そして迎えた当日。

画像4


自分の体にぴったりの、自分で決めたデザインのパンツドレス。
身につけた瞬間にヒトミさんは、涙を流した。

ドレスを身につけた彼女の笑顔は力強く、
初めて会った時の不安が嘘のように凛としていた。

「意思を纏うドレス」
彼女が纏っていたものはただのドレスではない、意思そのものだった。


画像5


式を終えて、なんとか参列してくれた親御様から
ヒトミさんにこんなメッセージが贈られた。

「幸せに ね」

そのたった一言でこれまでの全てが報われた。

この日両親に来てもらうことも
ドレスを着ることも
何度折れそうになっても諦めずに自分で意思を貫けた瞬間、
意志が初めて両親に認められた瞬間だった。 

-        


「装飾なんて、いらないと思ってる。」 

ドレス自体には、価値はないのかもしれない。
なんでもないドレスでも、装飾がなくても、結婚式はできたかもしれない。

でも、カタチにした意思は、きっと、ずっと、
ふたりの背中を押し続けてくれると思うから。

私は、そんな、言葉では表現しきれない意思を、
みえるように、気づけるように、つくる人でありたい。

画像6


______________________

アワードではありがたいことに3位になれました。
何か届けられるもの、伝わるもの、残せたことが嬉しい。

前でプレゼンをするのは入社の時ぶりで、直前手が震えるし、スクリプトが全部頭から飛んで涙出てくるし、プロデューサーに「大丈夫!君は天才だもん!」ととにかく励まされて立った舞台でした。

読んでくれたあなたにも、
このセカイにある何か凄く大事なものが、
気づきとして、伝わってますように。

きっとつくる意味は一生考えていくことだと思うので
これからも更新し続け、磨き続けたいと思います。

ありがとうございます!

-

去年に引き続き、 #週1note のコミュニティに参加しています。
今日から毎週火曜日にnoteを更新していきます!温かくお見守りください!
ロゴもつくらせてもらいました!多種多様なメンバーのnoteはこちら↓

おしまい!