「誰かと一緒にいないといけない」という嘘・好きを磨く

人よりも一人で生きるのが好きな人間であることに最近気がつきました。割とみんな誰かと一緒にいるのが好きなんですね。
SNSの時代では、SNSを誰と一緒に過ごしているか、を発信する使い方をする人が多いと思うのですが、僕はSNSを誰かと緩やかに繋がることにも使いつつも、基本的にはノートみたいに自分の生活の記録を残したり、情報をインプットしたりアウトプットしたりすることに使っている。僕にとっては、時々友人と美味しいご飯や気持ちのいい温泉の情報をシェアしたりする情報のインプットとアウトプットの場所であって、SNSを使うことにおいてコミュニケーションに重きを置いていないのだ。別に友達が少ないわけではない(とりわけ多いわけでもないのだけれど)、週末は友人と遊ぶ予定も嬉しいことに入っていたりする。小学、中学、高校、大学、大学の外で知り合った友人、道案内して仲良くなった兄さん、その他にも社会人になってからの同期や先輩など。

でも一人でいることが基本。これは僕の生活スタイルであると同時に個性である。個性というか傾向だけれど。僕は自分の時間が好きで、一定以上の自分の時間がないとむしろストレスに感じるくらいである。高校生の頃は修学旅行を”心から”たくさん楽しんで、でもそのあとの休みの間は反動(というのか)で家でしばらく引きこもっていた。一人以外も楽しむことができるのだが、基本的には一人の時間が主であり、みんなと過ごす時間が従なのである。

最近のとりわけ若い人、SNSが学生になる前に隆盛期を迎えていた世代は、「繋がり依存」という言葉にあるように、繋がっていない時間にストレスを感じる人がいるという。もちろん昔もその様な人はたくさんいたと思う。しかしSNSによって、他の人との繋がりが明示的に数字や友人らが投稿するウォールで見ることができる様になって、その一人の「寂しさみたいなもの」が意識化されることなっているということは考えられなくはないだろう。自分が一人でいるときにSNSを見ると賑やかな投稿が見えて自分のささやかな生活と比べてなんだか寂しくなってしまうとか。

ある時、進路が一区切りついたお祝いで後輩とご飯を食べていた時、後輩が言う様にはいつも仲のいい皆で楽しく遊んでSNSにそれを載っけている、「けど一人でいることにも憧れていて、でもそれができないんです」ということだった。一人で行ってみたりするのだけど、周りで賑やかに遊んでいるグループがなんだか気になってしまうらしい。結局仲のいい友人二人でカメラを持って遊びにいく予定になったりする。

僕は孤独であり続けることを推奨しているわけではない。友人との巡り合いは大切にするべきであるし、目の前の人との出会いは大切にしたいし、お互いのこの世の中での邂逅をできれば喜び合いたいし、できれば人生の中で接する点があればそれを歓迎したいと思う。縁が生まれたのであればそれをより良いものとして共有することに人生の良いところがあることを幸せなことに今までの人生で知ることができたからだ。

でも誰かと過ごしていると言う事実自体が彼・彼女の人生ではないはずなのだ。自分の人生という線があるからこそ、相手の線と交わるのである。自分の生きるスタンスがあるからこそ、自分がどの様に生きていくか決めることができるのであるし、主体的に線をどこに引こうか決めていくことができるのだ。

これは自分の実感値でしかないのだけれど、誰かと一緒にいないといけないという観念を持っている人は、自分で主体的に選択をするという経験を回避してきたかということと関係しているのではないかと思っている。何が自分は好きなのか、何を自分はしたいのか、一昔前は自分探しの旅に出ていくことの代わりに、今はそれを問うことすらされずSNSに写真を投下して、周りに内省している人は別にいなくて、自分の人生はそれなりにハッピーであることを自分のタイムラインと比べて確認して過ごしている。

別に僕の方からそれ自体を否定するとなんだか僻みみたいになってしまうのでなんとなく嫌なのだけれど、その様に刹那的であまり内省的でない人がどんどん量産されている世の中を見ているとなんだかなあと思ったりもします。

僕が誰にでもお勧めできると思うのは、「自分の好きを磨く」ということです。磨くなんて言葉を使ってけれどもなんて事はなくて、自分が好きだと思うものやことをやり込んだり突き詰めたりすることのことを指します。例えば、僕は食べることが好きなので、美味しいお店を調べて、訪問して記録したり、文章にその感動を残したりしている。好きが高じて高校生の頃はフランス料理屋さんで週に2日ほどディナータイムにキッチンで修行していたこともある(まかないが美味しかったのが理由)。別にこれは孤独に一人でする必要はなくって、友人と美味しい食べ物の情報を交換したりするし、食べ物の話題でSNSで交流したりすることもある。もちろん一人で料理やさんに行くことも多々ある。それが楽しくて幸せだからだ。

あなたの好きなものはなんですか?それは別にインスタ映えするようなことじゃなくて別にいい。だってそれはあなた自身が楽しむためのものだから。だからむしろSNSにアップする前が一番幸せなことを選ぶ方が良い。

あなたはどんな時にとてもワクワクする?どんな時間に対して「もっと長く続けばいいのに!」と心から思う?今は忘れてしまっていてもいい、なんだっけと思い悩む人は少なくないと思う。小さい頃は何が好きだったろう。

再三になるけれど、僕は孤独を賞賛し、誰かと共にいることを非難しているわけでは全くない。自分自身の好きというものがあるからこそ、それを共有できた時にとても楽しいと思うし、自分が好きなことを楽しんでいるということ自体にもっと目を向けてほしいということなのである。

明日は何をランチに食べようかなあ。


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