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詩集

86
想像性を大切に創作したポエムたちです。
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#ポエム

詩的に天文を語る①

切れ間のない 青空のひとすみ、 ぽっかりと 色が抜けていました。 そこには、 出番にはまだ少…

いつか忘れてしまう私へ

私でさえも。 私でさえも忘れていくんだ、今の私のことを。 今の私の内側で、燻っている弾ける…

世界のおわりに

世界の終わりに、人々は抱き合うと思うよ。 あなたはわたし。 わたしはあなた。 そんなことに…

車窓

夕暮れどき。 車窓から見える風景を、まばたきで切りとる。 次にまぶたを開いたときには、そ…

君の瞳から、悲しみだけを取り出して、閉じ込めたような紫陽花の青。
紫よりも、少し沈んで。

無駄を愛せよ

俗にいう無駄なこと、無駄な時間を削っていったら、 そこに何が残るんだ、と思う。 何も残ら…

本当のことが言えない世の中なんてさ。 嘘の方が余程聞こえがいいんだ。 真実は不器用に、世界の隅で軋むような音を立てている。 耳触りのいい言葉が羅列して渦巻いてそこに君は溶けていって、いいのかい。 それで、いいのかい。

ショートカット

髪を切る行為は、重さを捨てる行為だ。 鬱屈した感情を、捨てる行為だ。 24時間、一緒に過ご…

夢だけじゃ生きられないけど、夢がないと生きられない。

熱に浮かされるように醒めない夢を見たいなら、噓を最も真実らしくする方法を教えてあげましょう。それは、事実のなかに噓をちぎって投げ入れること。真と偽は、綺麗に分離なんてできやしないのです。スプーンでひとたびかき混ぜてしまえば、溶け合って1つになる。さあ、真実のなかに噓を散りばめて。

とんとん。オクラを輪切りにする。目に鮮やかな、緑。
添えた左手に、反発する力が伝わる。
包丁が刻むリズムに、心が落ち着いていく。とん、とん。
まな板が音を立てる度に、手の中から星が生まれてゆく感覚。零れていく種は、星屑のよう。私が作った星たちを、両手に包み込む。星は、逃げていく。

失敗を恐れていた。自分が無力だと知るのが怖かった。
やらないという選択を選び続ければ、やったらできたかもしれないという可能性にずっと縋っていられる。若さは甘く、愚かだ。
挑戦しなければ、傷つくこともない。自分を騙し騙し生きる。
誤魔化されなかった青い自我が、「やれ」と叫んでいる。

明日に期待できない人は、きっと夜更かしだ。布団に潜れば眠れるけれど、幸福な夢を見るのは少し怖い。
午前0時を回った頃、思考停止でネットの海を徘徊する。今だけを見つめていたい、瞬きも忘れるほどに何かに夢中になりたいの。明日もきっと、また同じことをする。抜け出せない、抜け出さないよ。

自分の感性が少しずつ死んでゆくのを、私は傍観するしかできない。つまらない大人になるのは嫌だといくら叫んでも、知識ばかり蓄えた頭を振ったところでどうにもならなくて。 なんでもないことに心が揺れ動くかどうかは、私自身が決められることではないようです。ああどうか繊細な女の子でいさせて。