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詩集

86
想像性を大切に創作したポエムたちです。
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詩的に天文を語る①

切れ間のない 青空のひとすみ、 ぽっかりと 色が抜けていました。 そこには、 出番にはまだ少…

片手間にポニーテールす陽光にまだ青白きうなじ捧げて

いつか忘れてしまう私へ

私でさえも。 私でさえも忘れていくんだ、今の私のことを。 今の私の内側で、燻っている弾ける…

世界のおわりに

世界の終わりに、人々は抱き合うと思うよ。 あなたはわたし。 わたしはあなた。 そんなことに…

不規則にメトロノーム

毎日を慈しんで愛するよ。 理不尽なこの世界。 それでも、君は昨日と変わらない声で笑う。 気…

ヒール

その細い右足で蹴りあげたコンクリート。 規格外のばか力に負けそうな、 一筋の赤いストラップ…

人のやさしさは、心に水を注ぐように、少しずつしみ込んでいく。 心が乾いていたことに、気づかせてくれる。 そのたびに、人にやさしくありたいと強く願う。 心に素手でそっと触れられたような。 自分をほんの少し、無防備にさせてくれるやさしさ。

キャッチコピー集

ー愛ー ◇傷つけていいから、傷つかないで。 ◇今日も君が傘を忘れてきますように。 ◇憎ま…

理不尽なことと折り合いつけて生きてくの、それも大人になるってことなのかな。
誰も彼も同じ「状況」だけど、置かれた立場も選択肢の数も人によってばらばらで。
苦しさも辛さも比べられないよな。
違う場所で生きてるって、多分そういうこと。

車窓

夕暮れどき。 車窓から見える風景を、まばたきで切りとる。 次にまぶたを開いたときには、そ…

君の瞳から、悲しみだけを取り出して、閉じ込めたような紫陽花の青。
紫よりも、少し沈んで。

自分の足で辿り着ける場所だけが自分の世界だった頃。
その時に見えた景色は、きっと今よりも濃い色をしていた。

他人に自分を暴いて、心の綺麗も汚いも、一頻り伝え終えた後。
そんなときには、決まって空しい気持ちになる。
より解り合えるはずなのに、何故だろう。知って欲しかったはずなのに。
解り合えないということを、分かってしまうからかしら。
もう余計なことは何も言わずに、笑っていようかしら。

無駄を愛せよ

俗にいう無駄なこと、無駄な時間を削っていったら、 そこに何が残るんだ、と思う。 何も残らないんじゃないか、と思う。 少し自暴自棄だろうか。 だけど、それに気づかないフリして、合理性や効率という言葉に飛びつく自分に問いかけたいのだ。 少し賢くなった気分で、生き急いでいる自分に。 何をしたら満点だろう。何をしたら成功だろう。 そもそも成功するために私たちは存在しているのだろうか。 無駄なことが楽しいんだろう。なんでもないことで笑い合いたいんだろう。 夢みたいな夢